なぜテレビは政治報道に気を遣うようになったのか 放送法が定める「政治的公平」をめぐり、安倍晋三政権下で首相官邸が放送局の報道を萎縮させるような「新解釈」を導き出した「行政文書」が明るみ出て、永田町や霞が関、メディア界が揺れに揺れている。 国会での論戦に加えて、メディアや多くの有識者がさまざまな視点から多様な論争を展開。当該文書の真贋しんがん論争に高市早苗総務相(当時)の「捏造ねつぞう」発言、新解釈がもたらした放送界への影響、情報流出の国家公務員法違反騒動、はては自民党内の思惑絡みの綱引きや、総務省内の旧自治官僚と旧郵政官僚の因縁のバトル説まで飛び出し、岸田文雄政権は火消しに追われている。