薄型テレビ市場が不況に見舞われ、国内メーカーが軒並み苦戦を強いられる中、パナソニックは強気の出荷計画を立てている。2009年度(2010年3月期)の出荷目標は1550万台と、08年度実績(1005万台)の約1.5倍。「他社が生産を増やしていない今がチャンス」と、大坪文雄社長の鼻息は荒い。 08年度のテレビ事業は赤字。09年度も価格下落や新工場への投資などを織り込んで赤字を見込んでいるが、「今後数年、2500万台~3000万台近くの伸びが見込まれる」とみて攻勢はゆるめない。 新世代パネル「NeoPDP」など独自技術やデバイスを生かし、画質や省エネ性能、薄さなどをブラッシュアップ。同時にコストダウンも行い、「テレビの需要減速に対応しながら、他社を上回る販売を目指す」という。 パナソニックの攻勢は、08年度を下回る生産台数目標を設定して収益を優先したソニーとは対照的だ。ライバルが守りに入っている