多くの犠牲者を出したアジア・太平洋戦争。追悼の場では「尊い犠牲の上に、平和な日本がある」というフレーズが使われ続けている。戦争を起こした責任が忘れられていないか――。軍国少年だった男性は憂慮している…

自民党をめぐる政治資金パーティー収入の裏金問題は神戸学院大学・上脇博之教授が東京地検特捜部に対し数多くの告発状を提出し、強制捜査となったことで社会問題となった。 アベノマスク裁判は、日本の政治状況を大きく動かした上脇教授が原告として国と争っているものである。 2020年4月1日、安倍政権は全世帯に2枚ずつ布マスクを配布するという壮大な施策を打ち出す。しかし、虫や髪の毛などの異物が入っていて回収騒ぎになったすえ、届いたときには市中に不織布マスクがあふれかえっていた。 総額543億円の血税でまかなわれた事業はどのようなプロセスで行われていたのか。上脇教授は厚労省と文科省に情報公開請求をしたのだが、1枚当たりの単価は黒塗り、業者とのやりとりや交渉経緯が記録された文書はないなどという結果だったため、不開示決定の取り消しを求めて2つの訴訟を起こしたのである。 4月16日に行われた2次訴訟の口頭弁論期
遠くの町を歩いていたら、ケーキ屋の前に列ができていた。 列は気になる。そんなにおいしいのか、と興味を引かれたけど、列は長く、並べないと思った。今、自民党の派閥の裏金問題があるけど、もし裏金を得た議員なら、どうするのだろう。 秘書か会計責任者を代わりに並ばせ、順番抜かしという不正までするのだろうか。他のお客が仮に警察を呼んでも、何のおとがめもない。行為が発覚したら、会計責任者が勝手に並んだ、自分は知らなかったと言い、会計責任者も、派閥から、列は順番を抜かしてもいいと言われたので従った、悪いことじゃないと思った、と言うのかもしれない。 僕は列を横目に、自分の用事を済ます。でも帰り道、その列が消えていた。店内にお客はいるが、今なら入れる。 これもまた列の不思議なところで、誰かが並んでいた場所が空くと、チャンスに感じてしまう。店に入り、しかし驚く。一番安いケーキが800円もする。 しかも、とても小
確定申告を控えた納税者らの悲鳴に似た怒りの声が、ネット上に飛び交っている。 自民党の派閥の政治資金パーティー券をめぐる裏金事件で、東京地検特捜部に政治資金規正法違反の罪で略式起訴され、議員辞職した谷川弥一前衆議院議員(82)。東京簡裁は1月26日付で罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を出した。 谷川前議員は、同罪で略式起訴された秘書(47)と共謀し、2022年までの5年間で、所属していた「安倍派」(清和政策研究会)から受けたキックバック計約4300万円を資金管理団体の政治資金収支報告書に記載していなかった。 東京簡裁はまた、約3000万円の収入を不記載したとして略式起訴された「岸田派」(宏池会)の元会計責任者の佐々木和男氏についても、罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を出したのだが、このニュースが報じられると、SNS上では驚きの声が広がった。 《4300万円の所得を隠して罰金1
1月17日に緊急出版される広野博嗣『奔流 コロナ「専門家」は、なぜ消されたのか』(講談社)が発売前から話題になっている。当事者である西浦博氏自身が、自身のXで「自分で言ったこととはいえ、この国に関するエピローグの締めくくりを読んでつらい気持ちになってしまいました」と語っている。 政権と世論に翻弄されながら危機と闘ったコロナ感染症「専門家」たちの悲劇とは何だったか? 弩級ノンフィクションの一部を紹介しよう。 海外では惜しみない拍手が 2023年9月5日、私は京都駅の上にあるホテルの喫茶店で、京都大学大学院教授の西浦博に会った。尾身茂が新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長として最後に岸田文雄に面会してからちょうど1週間後のことだ。官邸からの去り際の朗らかな尾身の表情をどう見ていたのか。それを質問したかった。西浦は、こう答えた。 「あんまりだという思いはあります。キックアウトですよね」 なぜ
自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、安倍派(清和政策研究会)が令和4年に議員に課したパーティー券の販売ノルマ超過分を政治資金収支報告書に記載せずにキックバック(還流)する際に、実際の超過分から一部を減額して還流する方式に変更していたことが13日、関係者への取材で分かった。パーティー収入の還流であることを隠す偽装工作だった可能性がある。東京地検特捜部も同様の情報を把握。違法性の認識に関わる証拠とみて調べているもようだ。 関係者によると、安倍派はパーティー券の販売ノルマ超過分を収支報告書に記載せずに還流する慣例を続けていたが、4年5月のパーティーに先立って還流を停止する方針を決め、議員側に通達。議員側が反発したため、同年8月の幹部協議を経て方針を撤回し、同年秋以降、還流した。 3年まではノルマ超過分と同額を還流していたが、この年は超過分の端数は切り捨てて還流。超過分と違う金額にすることで
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、清和政策研究会(安倍派)の複数の事務総長経験者が東京地検特捜部の任意の事情聴取に、パーティー券収入のノルマ超過分のキックバック(還流)の処理について、派閥の事務局長から会長に直接報告される「会長案件だった」と供述していることが関係者への取材で判明した。事務総長は詳細を知る立場ではなかったとし、政治資金収支報告書への不記載について派閥の会計責任者との共謀を否定しているという。 特捜部は安倍派の事務局長兼会計責任者の男性を政治資金規正法違反(不記載、虚偽記載)容疑で立件する方針で、2023年12月下旬以降、派閥の事務を取り仕切る事務総長経験者ら幹部議員への聴取を進めている。歴代事務総長の具体的な供述内容が判明するのは初めて。
「バレると安倍総理に傷がつくと」 年も終わろうとしていた2023年12月27日から29日にかけて、静かになるはずの永田町が一気に騒然となった。自民党安倍派の政治資金パーティー裏金事件で、東京地検特捜部は、27日に池田佳隆衆院議員、28日、29日には大野泰正参院議員の議員会館の部屋、地元事務所などを「急襲」して家宅捜索。28日には衆議院議員の柿沢未途容疑者やその秘書らを公職選挙法違反で逮捕した。年末年始関係なく「安倍派5人衆」をはじめとする幹部議員がぞくぞく事情聴取を受けている。 「これほど大嵐のような年末を迎えるのは、議員生活でもはじめてだよ。しかし安倍派は、いずれ大分裂になり、とんでもないことになるだろうな……」 岸田首相に近い自民党幹部は、現代ビジネスの取材に対し、天を見上げてこう答えた。安倍派の事件では、すでに派閥事務所にガサが入った。大野氏は5000万円超、池田氏は4000万円超の
自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、安倍派の所属議員の複数の秘書が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し「派閥側からのキックバックは現金で受け取り、政治資金収支報告書に記載しないよう指示された」などと説明していることが関係者への取材でわかりました。 東京地検特捜部は、キックバックされた金額が多い議員を中心に任意の事情聴取を要請していて、派閥側や議員本人の認識など、不透明な資金の流れの実態解明を本格化させるものとみられます。 目次 元秘書「議員の胸ポケットに」 安倍派幹部の支持者「事実上の企業献金」 自民党の最大派閥、安倍派「清和政策研究会」の政治資金パーティーをめぐっては、松野・前官房長官ら派閥の幹部6人を含む大半の所属議員側が、パーティー収入の一部についてキックバックを受け、議員側の政治団体が政治資金収支報告書に収入として記載していない疑いがあり、議員側にキックバックされた資金
自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る問題で、最大派閥の清和政策研究会(安倍派)がパーティー券用の口座を設けて入金を管理していたことが2日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、安倍派の政治資金収支報告書に記載されているパーティー収入の総額と、実際に入金された金額が乖離(かいり)している可能性があるとみて調べているもようだ。 安倍派を巡っては所属議員に販売ノルマを超過したパーティー収入を収支報告書に記載せずに5年間で数億円キックバック(還流)していた可能性が浮上。口座の入出金状況を通じて本来の収入が判明すれば、政治資金規正法が禁じる収支報告書の不記載や虚偽記載を裏付ける重大な証拠となる可能性がある。 関係者によると、自民党の安倍派を含む主要派閥は一般的に、パーティー券代の入金用の銀行口座を開設。支援者がパーティー券に振られた番号と入金者を明記して直接、代金を振り込む慣例になっている。
安倍晋三元首相が銃撃された事件から7月8日で1年。山上徹也被告(42)は捜査機関の取り調べに、母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)信者で、家庭の崩壊に苦しんだと動機を語り、こんな内容も供述した。「(韓国から教団を)招き入れたのが岸信介元首相。だから(孫の)安倍氏を殺した」 岸氏から安倍氏にいたる「安倍3代」と旧統一教会の歴史を解明しようと、私たちは教団創設者・文鮮明氏の発言録「マルスム選集」(全615巻約20万ページ)をはじめとする教団関係の資料を手分けして分析し、同時に関係者にも取材した。 そこで分かったのは、教団が日本上陸後すぐの1960年代から、岸氏ら自民党有力政治家と関係を結んでいたこと、そして「安倍3代」を軸に、その影響が今も続いていることだった。教団はなぜ自民党を必要としたのか。政治家の側も、なぜ教団に近づいたのか。“禁断の果実”と知っての上だったのだろうか。(共同通信大阪
――小西文書には2014年から16年にかけ、安倍政権が放送法の実質的な解釈変更を総務省に迫り、放送メディアに圧力をかけるようになるプロセスが生々しく記されています、古賀さんが「アイアムノット安倍」発言をして、「報道ステーション」(テレビ朝日)のコメンテーターを降板することになったのもこの時期ですね。 古賀茂明(以下同) そうです。当時、ジャーナリストの後藤健二さんがイスラム過激派組織のイスラム国に拘束され、水面下で解放交渉が進んでいました。ところが、中東歴訪中の安倍首相が15年1月17日にエジプトで「イスラム国と戦う国に2億ドルを支援する」とぶち上げてしまい、怒ったイスラム国が後藤さんを処刑してしまうということがありました。 おそらく、安倍首相は自国民の人命よりも、イスラム国と対峙する有志国連合の有力メンバーになることを優先し、イスラム国への宣戦布告に等しい2億ドル拠出を表明したのでしょう
防衛費増額の財源を賄うための増税策をめぐり、自民党税制調査会の幹部が、東日本大震災からの復興予算に充てる「復興特別所得税」の徴収期間を20年程度延長する案を検討していることがわかりました。 防衛費の増額をめぐり、2027年度以降に不足する1兆円余りの財源を賄うため、岸田総理大臣の指示を受けて、自民党税制調査会の幹部が検討している増税策の案が判明しました。 それによりますと、3つの税目を組み合わせて財源を確保するとしていて、軸となる法人税は、納税額に一律に5%程度を上乗せし、7000億円から8000億円を確保するとしています。一方で中小企業の負担を軽減するため納税額のうち170万円は上乗せの対象から外すことを検討しています。 また、たばこ税を引き上げ、2000億円程度を確保する方針です。 さらに、東日本大震災からの復興予算に充てるため、2037年まで時限的に所得税に上乗せされる「復興特別所得
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が1989(平成元)年に韓国で行った説教で、自民党の安倍晋太郎元外相が当時会長を務めていた保守系派閥「安倍派」(清和会)を中心に国会議員との関係強化を図るよう信者に語っていた。約53年分にわたり韓国語で記された文氏の発言録615巻の中から毎日新聞が当該部分の記述を翻訳・確認し、判明した。【田中裕之、ソウル坂口裕彦、渋江千春】 韓国語版のみ全615巻の発言録 晋太郎氏の息子で、今年7月の銃撃事件で凶弾に倒れた安倍晋三元首相がいつ、どのように教団と深い関わりを持ったかについてはなお謎が多い。晋太郎氏の義父・岸信介元首相と文氏との間で築かれた関係が源流にあるとされるが、その後を継いだ晋太郎氏を足掛かりにした教団の政界工作が、教祖の肝いりで模索されていた可能性が浮かんだ。 発言録は、韓国の教団系出版社「成和出版社(現・天苑社)」
あるネットメディアからインタビューを受けた。もう公開されているので、少し長い別ヴァージョンをあげておく。 ―これから安倍系右翼はどうなると思いますか? 内田 おっしゃっている「安倍系右翼」という言葉の定義を僕は知らないのですけれど、言いたいことは何となくわかります。それが「安倍晋三という個人の求心力やカリスマ性に依存して存在感を発揮していた政治勢力」という意味でなら、その人たちはこの事件をきっかけに力を失い、弱体化すると思います。 実際に安倍元首相の死後、彼の庇護下でこれまで「いい思い」をしてきたネット論客たちはいまほぼ沈黙状態にあります。どういうスタンスでこの事件に向き合って良いのかについての組織的な合意形成ができていないのでしょう。もともと安倍晋三個人が手作りしたネットワークですから、ハブが不在になると、合意形成のための場も、ルールもない。代わりを務めることのできる人がいない。ですから
東京都豊島区の部長らが自民党区議から依頼を受け、部下の職員に政治資金パーティーへの参加を求めた事件に絡み、かつて区の部長や課長を務めた複数の元区幹部が「職員への依頼は慣例としてずっと続いていた」と毎日新聞の取材に証言した。「20年前から行われていた」と話した元区幹部もいた。議会を円滑に進めるのが目的だったという。彼らの証言から、政治家と区幹部との癒着構造の実態が浮かんだ。 封筒渡され「今年もよろしく」 証言によると、長年にわたって元区幹部が職員に参加を求めていたのは、自民党豊島総支部の政治資金パーティー「春のつどい」。2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止されているが、それまでは毎年3月にJR池袋駅近くのホテルで開かれていた。会費1万円で区議や支援者のほか自民党の現職閣僚ら数百人以上が参加する大規模パーティーだ。 「現職の自民党区議から『これを配ってくれ』『今年もよろしく
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