野菜の葉っぱ、捨てたら損!実は捨てられる部分のほうが栄養価が高い食品とは【管理栄養士が解説】

 野菜の葉っぱ、捨てたら損!実は捨てられる部分のほうが栄養価が高い食品とは【管理栄養士が解説】
中村友也
中村友也
2025-02-15

料理をする際、野菜や果物の皮やヘタ、芯などを廃棄していませんか?実は、こういった捨てられる部分には、可食部以上に栄養が含まれていることがあり、これらの部位をうまく活用することで、栄養素を無駄にすることなく摂取することができます。 この記事では、普段捨てられがちだけど、実は栄養価が高い部分を紹介します。 また、捨てられる部分を活用することで得られるメリットや、食べるときの注意点についても解説します。

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捨てられる部分のほうが栄養価が高い食品とその栄養素とは

にんじんの葉

人参の葉は捨てられることが多く、スーパーで売っているにんじんにはそもそも葉が付いていない事が多いですが、実は栄養素が豊富に含まれている部分でもあります。普段食べているにんじんの根に比べて、カリウムやカルシウム、葉酸、ビタミンCなどは葉の方が多いです。

にんじんの葉は、細かく刻んでスープや炒め物に加えたり、天ぷらにしたりすることで手軽に摂取できます。また、少し独特な匂いがするため、しっかりと火を通してあげるのがおすすめです。

しかし、カリウムやビタミンCなど水に溶けやすい栄養素も多いため、電子レンジでの加熱や炒めなど、水に触れない調理方法がおすすめです。

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大根の葉

大根の葉も、にんじんの葉同様、カリウムやカルシウム、葉酸、ビタミンCなどの栄養素が普段食べている根よりも多く含まれています。また、最大の特徴として、根とは違いβカロテンが非常に多く含まれています。βカロテンは、体内でビタミンAに変換される栄養素で、抗酸化作用などを持つ、体に必要な栄養素の一つです。また、大根の根にはβカロテンがほとんど含まれていません。

大根の葉は、スーパーに売っているものでも一部残っている事があるため、廃棄せずに使ってあげましょう。クセがないため、炒めものや、味噌汁の具など幅広く活用できます。

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ブロッコリーの茎

ブロッコリーは花蕾(つぼみ)の部分が主に食べられますが、茎も食べることができる部位です。茎には、花蕾と比較してビタミンCや食物繊維、βカロテンが多く含まれています。茎は花蕾よりも硬いため、事前に茹でたり電子レンジで加熱して火を通しておいてから、炒めものなどに活用するのがおすすめです。固くて調理しづらい場合は、少し皮を剥くとしっかり火が入り、やわらかくなります。

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捨てられる部分を食べるメリット

栄養素の補給

捨てられる部分を食べる最大のメリットは、豊富な栄養素を補給できるという点です。ここまで紹介してきたように、普段捨てられている部分にも栄養素が豊富に含まれており、可食部よりも特定の栄養素が多いこともあります。そのため、そういった栄養素の補給源として活用できる点がメリットといえます。

フードロス削減

普段捨てられている部分を、捨てずに活用できるため、フードロスの削減に繋がります。フードロスは、ごみの廃棄による環境汚染などの問題を引き起こす大きな原因となっています。そのため、各家庭で捨てられるはずの部分をうまく活用してフードロスを削減することは、地球を守ることにも繋がります。

食費の節約

捨てられる部分を食べることで、食材のボリュームが増し、食費の節約になります。特に、野菜の皮などは歯ごたえもあり、しっかりよく噛むことで満腹中枢が刺激されます。そのため、少ない量の食事でも満足感を得やすく、食べ過ぎ防止やそれによる食費の節約にも繋がる可能性があります。

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食べるときの注意点

よく洗う

捨てられる部分を食べる際は、まずよく洗うようにしましょう。野菜の皮などは、野菜の一番外の部分であるため、汚れや菌などによる汚染の可能性が考えられます。また、しっかり洗っておかなければ、他の食品への二次汚染の原因ともなりますので、洗浄は丁寧に行いましょう。

丁寧に下処理をする

捨てられる部分は、硬くて調理がしにくいなどの理由から捨てられていることも多いため、丁寧に下処理をする必要があります。特に、野菜の皮や茎などは硬いことが多く、皮を剥いたり小さく刻んだりして火が通りやすいようにしないと食べづらい可能性があります。せっかく栄養価が高くても、美味しく食べられなければ意味がないので、下処理は丁寧に行いましょう。

無理して食べない

食べるのが難しい場合や抵抗がある場合は、無理して食べないようにしましょう。その部分が捨てられているのには、硬い、匂いが強い、味が悪いなどなにかしら理由があります。うまく調理すれば食べることも可能ですが、栄養価や食費の節約だけに注目して無理して食べる必要はありません。あくまで、うまく活用できる場合に使用すると考えるのが良いでしょう。

まとめ

普段捨ててしまいがちな部分には、意外にも栄養価が高いものがたくさんあります。また、工夫次第で美味しく調理することも可能です。

今回紹介した食品をはじめとして、普段捨てられている部分に目を向け、栄養素だけでなく環境にも優しい食生活を送ってみてください。

参考文献:

食品成分データベース

四季の野菜の健康と栄養

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