【米国マサチューセッツ州ウスター16日(日本時間17日)発】レッドソックス傘下3Aウスターの上沢直之投手(30)は本拠地ウスターでのヤンキース傘下3Aスクラントン戦の2回無死一、三塁で2番手として登板し、5回を7安打2失点、2三振3四球で勝敗は付かなかった。打者23人に81球。チームは13―12でサヨナラ勝ちした。
マイナーではこれまで4度の登板全てで先発していたが、今回は事前に2番手での登板を言い渡されていた。4―4の2回無死一、三塁でマウンドへ。先頭から三ゴロ、見逃し三振にで二死を取ったが、4番ナルバレスに左翼へ勝ち越しの2点適時打を許す。だが5番トランメルをスプリットで空振り三振を奪い、追加点は許さなかった。
3回、4回と得点圏に走者を背負うも無失点。5回は3つのフライアウトで三者凡退に仕留めたが、6―6の6回一死から四球と3連打で勝ち越しの2点を献上し、この回限りで降板した。
この日の配球で目立ったのは、カウント球として多投したカッター。上沢は「カット(の動き)を変えようと言われていて、練習してきた。そんなに悪くなかった」。具体的には「ちょっと曲がりを大きくして、ちょっと下に落ちるようにした。右(打者)にも左にも使えるように。今までのカットは左の高めにしか使えなかったので」と、およそ30%にあたる24球を投げた新カッターについて説明した。
ただ、「相手打線がストレートに強いということだったので」と、スプリットやスライダーを狙い撃ちされたり、バットの先で拾われて安打にされたことがすっきりしない様子で、「(チームからは)シングルヒットばっかりだし、打球速度も出ていないからいいんだよって言われたけど、僕的には防げる失点は防ぎたいし、打たれたくないので」
立場的にチームから与えられた課題に従うしかないが、「やっぱり真っすぐを見せないとダメかなあ」。この日のストレートは最速92マイル(約148キロ)だったが、左打者を三邪飛に打ち取るなど体感速度はそれ以上だったと思われる。
メジャー再昇格を目指す上沢は「結果を残したいし、早く(メジャーに)上がりたい」と前を向いた。