ユースケース
Red Hat Enterprise Linux によるエッジコンピューティング
概要
Red Hat® Enterprise Linux® は、一貫性と柔軟性を備えたエンタープライズ・ワークロードのためのセキュリティ重視のプラットフォームを提供します。より迅速なデータ提供を可能にし、エッジでの新たなイノベーションの促進に役立ちます。
この最適化されたオペレーティングシステムにより、ワークロードのレジリエンシー (回復力) が効率的に向上し、エッジシステムとデータが保護され、リアルタイムのインテリジェントなビジネス上の意思決定に必要な知見を得ることができます。Red Hat Enterprise Linux は、お客様の要件をアップストリームで提唱し、エッジで安定した効率的な更新を提供することで、お客様がオープンソース・イノベーションを活用できるようサポートします。また、IT チームはハイブリッドクラウド・インフラストラクチャを拡張し、数十万のノードを制御できます。
課題
スケーラビリティ:エッジデプロイメントでは、石油掘削装置、高速列車、飛行機、ATM、小売店の POS 端末など、IT スタッフがほとんどあるいはまったくいない場所に展開された数十万のノードとクラスタを管理しなくてはなりません。そのため、これらを一元的にデプロイし、アップデートし、管理する方法が必要です。
相互運用性:マルチベンダーのハードウェアおよびソフトウェア環境内での相互運用性は、非常に複雑なソリューションを管理し、複製するために不可欠です。
一貫性:エッジサイトは、データ漏洩やリモートシステムの乗っ取りを防ぐために、一貫性のある安全な方法で管理および更新する必要があります。ハードウェアとソフトウェアの標準化における一貫性は、デプロイメントを単純化し、インフラストラクチャ運用チームに再現可能なシステムを提供するために役立ちます。
セキュリティ:エッジデプロイメントでは、データやビジネスを保護するために、物理的セキュリティとデジタルセキュリティの両方が必要です。物理的なハードウェアやアプリケーション、さらにその間の開発や運用プロセスに至るまで、環境の各層の能力を活用した、階層化された多層防御のセキュリティアプローチが求められます。
ソリューション
組織のインフラストラクチャを Red Hat Enterprise Linux で標準化すると、エッジでのワークロードに伴う複雑さとセキュリティリスクを軽減できます。また、総合的なメンテナンスのコスト削減、イノベーションサイクルの短縮、稼働時間の向上も実現できます。
Red Hat Enterprise Linux は、OS の機能を超えた完全なポートフォリオで標準化するという選択肢をもたらします。Red Hat Device Edge または Red Hat OpenShift によるコンテナのオーケストレーション、Red Hat Ansible® Automation Platform による自動化が可能になり、また、テクノロジーパートナーおよびサービスのエコシステムからさまざまな管理機能、ミドルウェア、ストレージのオプションを検討し、最適化されたエッジ・ソリューションの提供に役立てることができます。
デプロイメント、運用、ワークロードの可搬性を単純化して複雑さを軽減できる OS は、ワークロードをエッジにプッシュするのに最適です。Red Hat Enterprise Linux は、認定済みのハードウェア、ソフトウェア、クラウド、およびサービスプロバイダーの広範なエコシステム全体を対象に、長期的な安定性とセキュリティを必要とするエンタープライズ・ワークロード向けに構築されています。
特長とメリット
エッジ向けに最適化された OS イメージを作成する
Image Builder を使用すると、IT チームはシステムの存続期間中、エッジ向けに最適化されたカスタム OS イメージをすばやく作成、デプロイし、簡単に維持できます。Image Builder は Red Hat Enterprise Linux によって提供され、特定の場所でエッジワークロードを実行するために必要なものをすべて備えています。これらのイメージは、各エッジの固有ワークロードに合わせてカスタマイズできるため、エッジデプロイメントの一貫性、拡張性、安全性、およびコンプライアンスを維持できます。
デプロイメントの安全な管理とスケーリング
Red Hat Enterprise Linux によるエッジ管理は、エッジでのデプロイメントを安全に管理およびスケーリングするのに役立ち、あらゆる段階のエッジシステムの制御を可能にして安心を提供します。ゼロタッチ・プロビジョニング、システムヘルスの可視性、迅速なセキュリティ修復というメリットを、単一のインタフェースから利用できます。
OS の更新によるワークロードの中断を最小限に抑える
OS イメージの更新はすべてのエッジデバイスのバックグラウンドでステージングされるため、ワークロードは中断されることなく実行され、手動による更新やパッチ適用で通常生じる遅延が削減されます。このリモートデバイス更新のミラーリングにより、スケジュールされたダウンタイムの間、またはデバイス所有者が更新の適用を選択したタイミングで、インストールを実行できます。これは、常に安定した更新を適用することで、数十万のエッジデバイスにわたってスケーリングを行い、ワークロードのレジリエンシー (回復力) を向上させることができるアプローチです。
稼働時間を保持し、差分アップデートで安全を維持する
Red Hat Enterprise Linux を使用すると、低帯域幅のエッジシステムや、接続が断続的で制限されているエッジシステムも稼働時間を保持し、rpm-ostree を介した差分アップデートによって安全を維持できます。データ削減パッケージシステムは OS 全体ではなく、アプリケーションの更新のために更新されたビット (差分と呼ばれる) のみを転送します。これにより、アプリケーションのネットワーキングリソースが確保され、エッジシステムの総合的な信頼性が向上します。
必要に応じて、最後の OS 更新に自動的にロールバックする
起動プロセス中に自動的に実行される greenboot フレームワークを使用して、カスタムヘルスチェックを作成できます。これらのチェックにより、OS で実行されているアプリケーション、サービス、プログラムが、すべてのエッジデバイスで正常に動作していることを確認できます。ヘルスチェックが失敗すると、システムの稼働時間を維持するために OS は以前の状態に戻ります。Red Hat Enterprise Linux によるインテリジェントなロールバックにより、システムの稼働状態が維持されるので、レジリエンシーが向上し、プロフェッショナルを現場に派遣する必要性が軽減されます。
購入オプション
サーバークラスのハードウェア向け
Red Hat Enterprise Linux for Distributed Computing Server は、アップストリームのクラウドやデータセンターに接続されるバックオフィスサーバーとして、またはダウンストリームのエッジデバイスと連携して、リモート施設にあるサーバークラスのハードウェア上で実行する必要があるエッジ環境を対象としています。
小型のエッジデバイス・ハードウェア向け
Red Hat Enterprise Linux は Red Hat Device Edge の基本コンポーネントです。Red Hat Edge Device は小型のエッジデバイスをサポートするためのものであり、MicroShift に基づく軽量の Kubernetes コンテナ・オーケストレーションと Ansible Automation Platform の柔軟性をエッジデバイスにもたらします。
エッジコンピューティングのための Red Hat Enterprise Linux の詳細
e ブック
Red Hat Enterprise Linux でエッジにおけるセキュリティ、柔軟性、スケールを強化
Red Hat Enterprise Linux は、さまざまなエッジデバイスに対応する相互運用性の高いレイヤーにより、エッジデプロイメントに信頼性をもたらし、既存のエッジ投資の最適化と運用リスクの低減を可能にします。
データシート
エッジでのワークロード向けの Red Hat Enterprise Linux
企業は、ハイブリッドクラウドを目指すデジタル・トランスフォーメーションの一環として、エッジコンピューティングに移行しています。Red Hat Enterprise Linux は一貫性のある安全な基盤となり、エッジでのワークロードの要求に対応します。詳細をご覧ください。
自習型のラボ
Red Hat Enterprise Linux によるエッジ管理
Red Hat Enterprise Linux でエッジデバイスを管理する方法の学習を始められます。