月探査機SLIM、通信に再挑戦も応答なし JAXA
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、月面無人探査機「SLIM(スリム)」と通信を試みたが、応答電波を確認できなかったと明らかにした。5月に確認した際も応答はなかった。JAXAは「今後SLIMと通信ができる可能性は低い」としている。
JAXAのスリムプロジェクトに関するX(旧ツイッター)の公式アカウントで明らかにした。月は約2週間ごとに昼と夜が入れ替わる。昼の温度はセ氏110度、夜はマイナス170度にもなる。
スリムは1月20日に日本の探査機として初めての月面着陸に成功した後、月面の画像を地球に送信するなどのミッションをこなした。太陽電池に日光が当たる昼の間に運用し、夜は電源を切った。もともと過酷な温度変化に耐えられる設計にはなっていなかったが、3度の越夜に成功した。
その後、4月29日に電源を切って休眠状態になっていた。昼になり、6月21〜27日に通信を試みたものの応答はなく、4度目の越夜を確認できなかった。スリムプロジェクトの公式アカウントは、スリムの運用について「今後の予定は、現時点では未定」と投稿した。得られた観測データの解析を進めているという。