台所に立つとき、ちょっとした工夫で、料理の出来栄えが大きく変わることがあります。そこで、今回は米国の料理系サイト「America's Test Kitchen」による『家族のための料理本』から、毎日の料理がもっとおいしくなる、簡単なコツを10個お伝えします。
1. ニンニクと玉ねぎを事前に用意しない
ニンニクと玉ねぎは、強い香りとパンチがあり、時間が経つとそれが増すので、料理で使う前のギリギリのタイミングで切りましょう。切った玉ねぎを水1カップに重曹小さじ1を入れた重曹水に浸しておくと、辛みが弱まります。ただし、使う前に必ずゆすぎましょう。
2. トマトの種を取り除かない
トマトの種のまわりにあるゼリー部分は、トマトのうまみの多くを含んでいるので、レシピに書いてある時以外は、種をとらないようにしましょう。ちなみに、レシピに取り除くと書いてあるときは、そのままだと水分が多くなりすぎて、料理に問題が生じる場合です。
3. 油分のおいしさをキープする
バターや料理用の油、ナッツなどに含まれる油分は、方法によっては悪臭を放って料理の出来栄えに影響することがあります。酸素への接触を最小限にとどめ、なおかつ、ゆっくり、少しずつ酸素に触れさせましょう。バターやナッツ類は冷蔵庫で、ナッツオイルは冷凍庫で、植物油は暗い場所で保存しましょう。
4. フライパンが熱くなってから調理を始める
料理時のフライパンの温度は、食品を加えたらすぐに下がるので、フライパンの温度が上がるまでしっかり待ってから、いため始めましょう。野菜を調理する時は、油がゆるくなるまで待ちましょう。肉や卵といった高タンパク食品を調理する時は、油から煙が細くたなびき始めるまで待ちましょう。
5. フライパンにこびりついた部分も料理に活用する
調理後にフライパンの表面につく茶色の物体には、おいしい風味が凝縮されています。調理後はワインやだし汁などを入れて、木製スプーンで表面についたものを取って、ソースやスープ、シチューに入れましょう。
6. 砂糖でも味つけをする
焦げ目のついた食べ物は、よりおいしく感じられます。焦げ目をうまく付けるには、鶏肉や魚介類など脂肪分の少ないタンパク質や野菜の上に砂糖をひとつまみ振り掛けることがポイントになります。
7. スパイスや乾燥ハーブは油の中に入れて香りを引き出す
挽いたスパイスや乾燥ハーブの香りを引き立たせるには、バターまたは油少々の中に1、2分入れて調理し、その後に液体を入れましょう。玉ねぎなどのにおいのあるものを入れるようにレシピに書かれている場合は、野菜に火が通った時点でスパイスを入れましょう。
8. パン、パイ、ケーキは黄金の焼き目がつくまで待つ。
焼き目=風味です。だから、パン、パイ、ケーキなどは黄金の焼き目がつくまではオーブンから出さないように。パイを透明なガラス容器に入れて焼くのは、色の変化を見るためです。パイ生地など壊れやすい生地を作る時は、それぞれの層を下から見て、きちんと焼き目がついているか、確認しましょう。
9. うまみ成分を少し加える
しょうゆとアンチョビは高いグルタミン酸を含んでおり、料理にうまみや肉のような味わいを加えます。スープやシチューを作る時は、チリパウダーにスプーン1杯か2杯のしょうゆを加えたり、野菜と一緒にアンチョビ少々を加えたりしてみましょう。
10. 新鮮なハーブを一番良いタイミングで入れる
タイム、ローズマリー、オレガノ、セージ、マジョラムなどの固いハーブを加える時は、調理の初期段階で入れましょう。こうすると、香りが最大限引き出されるとともに、素材の固い食感が気にならなくなります。これに対し、パセリ、コリアンダー、タラゴン、アサツキ、バジルなどの傷つきやすいハーブは、料理の最終段階で入れましょう。そうしないと、風味と色が損なわれてしまいます。
これらは、とても簡単なコツですが、毎日の料理がぐんとおいしくなりますよ!
10 Simple Tips to Make Food Taste Better|America's Test Kitchen
America's Test Kitchen(原文/訳:曽我美穂)
Illustration by Natykach Nataliia (Shutterstock). Photos by America's Test Kitchen.