Weekly北朝鮮『労働新聞』 (99)

外国報道を引用して尹錫悦大統領の逮捕に言及(2025年1月12日~1月18日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年1月20日
タグ: 北朝鮮 韓国
エリア: アジア
なお、昨年2月にキューバが韓国と国交を樹立した事実については触れないままである[ソウルの邸宅を出発する尹錫烈大統領を乗せた車両(上)=2025年1月15日](C)AFP=時事
1月17日付『労働新聞』は2週間ぶりに韓国情勢について報じた。外信記事を引用して「死刑に処される可能性もある」などと伝えたものの、北朝鮮メディアとしての論評は一切なかった。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】
 

 前週に引き続き、地方振興の成果を誇る記事が目立った。1月13日付の第1面と第2面は、咸鏡(ハムギョン)北道の鏡城(キョンソン)郡で地方工業工場が竣工されたことを数多くの写真とともに報じ、陶磁器や温泉で有名な同地が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「恩徳」によって毎年のように変化しているといった人々の声を紹介した。
13日付第3面では、朴泰成(パク・テソン)内閣総理が平安(ピョンアン)北道と平壌(ピョンヤン)市で「現地了解」を実施したことについて報じられた。昨年末に総理に就任後、初めての経済視察報道となった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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