タレントのryuchellさんが死去、都内の事務所で 自分らしさや多様性を発信
日本のタレントのryuchell(りゅうちぇる)さんが12日、東京・渋谷区の事務所内で死亡しているのが見つかった。27歳だった。
死因は明らかになっていないが、警視庁は自殺を図った可能性があるとみて調べている。
ryuchellさんは2016年にモデル仲間だったpeco(ぺこ)さんと結婚し、2018年に男児が誕生した。
2022年8月に離婚を発表した際、ryuchellさんは、「父親であることには心の底から誇りに思えるのに、自分で自分を縛り付けてしまったせいで、『夫』であることには、つらさを感じてしまうようになりました」と述べていた。
また、インスタグラムで、pecoさんと息子と一緒に暮らしていくとしていた。
しかし、父親がいなくて子どもがかわいそうなどと、カミングアウトを決意したryuchellさんを多くの人が非難した。
ryuchellさんは今年2月、pecoさんと一緒にYouTube動画に登場。pecoさんは元夫のセクシュアリティについて話し合ったことや、家族として向き合って進んでいく考えを語り、批判を受けていたryuchellさんを擁護した。
ryuchellさんは性別に縛られないジェンダーレスな着こなしで知られ、日本で影響力のあるLGBT(性的少数者)を代表する存在となった。しかし一方で、有名になるにつれて、オンライン上でのおびただしい中傷や嫌がらせの標的にされ、私生活や、従来のジェンダー規範に当てはまらないそのあり方を批判されるようになった。
死亡したことが明らかになって間もなく、日本のツイッターでは「りゅうちぇる」や「誹謗中傷」がトレンド入りし、多くの人がショックや悲しみをあらわにした。
中には、ryuchellさんは厳しい世の中で輝く光だった、自殺は防げたはずだとの投稿もあった。
息子と一緒に海外に滞在していたpecoさんは11日、5歳になった息子の誕生日ケーキの写真を投稿していた。
遺族は訃報についてコメントしていない。
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