科学研究部の行方宏介特別客員研究員、生駒大洋教授らが、イギリスの民間企業Blue Skies Space Ltd.の超小型紫外線衛星「MAUVE」プロジェクトに参加することが決定しました。MAUVEは、イギリスの民間企業Blue Skies Space社が2025年に打ち上げられる予定で、研究機関や個々の研究者がメンバーシップを通じて参加できる新しい形式を採用しています。自然科学研究機構とBlue Skies Space Ltd.の合意契約は4月22日に締結され、行方宏介特別客員研究員と生駒大洋教授らは観測計画の立案や科学成果の創出を担当します。
MAUVEは、太陽のような恒星の表面爆発である恒星フレアを紫外線(200-700ナノメートル)で観測することを目的としています。他の紫外線衛星とは異なり、系外惑星を持つ恒星を重点的に観測する独自のアプローチを取ることで、これまでにない量の恒星フレアデータを得ることが期待されています。このデータは、可視光から紫外線にかけての恒星フレアの放射機構の解明に寄与することを目指しています。
恒星の紫外線放射は、周囲の系外惑星の大気の化学進化にも大きな影響を及ぼします。この研究により、系外惑星の「宇宙天気予報」をより精度良く行うことが可能になり、今後 TMT や Ariel で系外惑星大気を調べる際の重要な情報を提供すると期待されています。
なお、本研究は、大学共同利用機関法人自然科学研究機構OPEN MIX LAB事業(OML022403)の助成を受けたものです。