ビジパの悩みインサイト
「ビジネス書を読んでも頭に入らない…」インプットの専門家・樺沢紫苑先生に相談したら、さまざまな“間違い”を指摘されました
新R25編集部
「複雑なはずのビジパの悩みを、単純化して取材していた」 「本質的じゃない悩みをでっちあげていた」
という反省のうえ、「個人のリアルな悩みにひもづいた取材」を改めてしていくことを方針とした新R25編集部。
今回は、新しく新R25の営業部に配属された廣江の「ビジネス書が読めない」という悩みについて。
「読んだらキャリアアップにつながるはずだから頑張ろうと思っているのに、内容が頭に入ってこない…」という人、案外多いのでは?
苦手な人の読書は「3歩進んで2歩下がる」
廣江
最近、エンタメ部門から新R25に異動して、営業職になって。
いろんな人がオススメのビジネス書を教えてくれるので、あれこれ買うんです。
でもなかなか読み進められなくて…
渡辺
どんな本を読んでるの?
廣江
営業やメディアについて、あとはマーケティングの本です。
読み切るまでに1~2週間かかっちゃう。しかも、頭に入ってこない…
渡辺
どんな感じで読んでるんだろう。
廣江
本を開いて30分くらいしたら、“読む”というよりも“文字を見てる”みたいになって、目がスーって上滑りしていくんですよ。
「あれ、これ何だっけ?」と思って、戻って…っていうのを繰り返して…
ずっと“3歩進んで2歩下がる”感じです。
それ全然進んでない
渡辺
何かこう…通り過ぎてるんだろうね。ぶっちゃけ、俺もその感覚わかるんだよな。
廣江
「ビジネス書をちゃんと読める人」って、どういう感じで読んでるんだろう。
僕は電子書籍で読んでるけど、「読書が苦手な人」は紙で読んだほうがいいのか?
頭に入りやすい環境をつくって、たとえば音楽を流しながら読んだらいいのか…?
渡辺
本の要約系動画ではダメなのか、とかね。
幼少期から読書習慣がある人は、やっぱり読めるのかなあ。俺は読むタイプじゃなかったから、大人になってから苦しい。
森久保
どうやったら、大人になってからでも本が楽しく読めるようになるのか、知りたい人は多そう。
オススメされたビジネス書を読むのは「間違い」
渡辺
廣江が「ビジネス書が読めない」という悩みを持っておりまして…
樺沢先生は、2015年に『読んだら忘れない読書術』、2019年に『学び効率が最大化するインプット大全』、2023年と2024年で『読書脳』『記憶脳』を出されていて。
これはもう、ヨダレが垂れるほど話を聞きたいと。
廣江
よろしくお願いします!
【樺沢紫苑(かばさわ・しおん)】精神医学、心理学、脳科学などの情報をわかりやすく発信する「日本一アウトプットする精神科医」。情報発信歴は20年以上。累計100万人以上のフォロワーを持ち、累計47冊の著書がある(2024年現在)。『読んだら忘れない読書術』『インプット大全』『読書脳』『記憶脳』など読書・インプットに関する書籍も多数上梓
樺沢さん
僕は読書が大好きでね。ひと月に20冊から30冊、1日1冊ペースで読んでます。
渡辺
昔から読書家だったんですか?
樺沢さん
高校生のときに読書の面白さに目覚めたって感じかな。
廣江
僕は…まだ目覚めてないですね…
樺沢さん
大丈夫ですよ。
「オススメされたビジネス書を読んでも内容が頭に入らない」っていう相談なんですけど、オススメされた本を読むっていうのが、そもそも“間違い”なんです。
廣江
えー!
樺沢さん
自分のレベルに合っていない本を読んでも、頭に絶対入ってこない。これは、普段からたくさん本を読んでいる読書家でも(ジャンルが違えば)同じです。
廣江さんにオススメする人が上司や先輩だったら、その分野のなかでも、ちょっと難しめの本になっちゃってるのかなと。
読み慣れていない人は、自分に合った初級本や、内容が難しくてもわかりやすく書かれた本を読むのが基本です。
廣江
レベルと動機か…
樺沢さん
重要なのは、“今の自分”に一番必要な本を選ぶこと。
本っていうのは、数千年前からいろんなものが出ていて、ありとあらゆる悩みの解決法が書かれているわけです。本を読めば、自分が取り組むべきToDoがわかる。
だから欠点や短所、あるいは仕事で困っていること…自分が“今”悩んでいることについて書かれた本を読むようにする。そこにはモチベーションもあるはずなので。
他人からオススメされた本はモチベーションがないから、“当たり外れ”が出てくるんですよ。
…今の廣江さんなら、私の『読書脳』がいいかも(笑)。
廣江
たしかに…!
「見開きで完結している本」を、「読みたいところから」読んでいく
樺沢さん
もうひとつのコツは、初心者は1項目が見開き2ページ、多くても4ページで完結している本を選ぶこと。一問一答型とも言えるかな。
廣江さんは読んでいて眠くなる…じゃなかった(笑)、前に進めないっていう話だったんですけど、それは最初から通して読まなきゃいけない本だからです。
見開き2ページなら、音読しても3分ぐらいで読めるので、どんなに苦手な人でも我慢して読めます。
渡辺
テンポよく、小分けに結論が出てくる本がいいと。
樺沢さん
そうです。
あとは読み方。読書が苦手な人って、最初から最後まで読むんですね。
廣江
(それが当たり前では…?)
樺沢さん
私は、最初から最後まで、通読することはまずないです。
渡辺
え、そうなんですか。
樺沢さん
本を買ってきたら目次を見て、一番読みたいところを先に読む。
その後、もう一度目次を見て、ほかに面白そうなところがあれば、ピンポイントで読んでいく。読み終えたらすぐに1200~1600字ぐらいの感想を書く。
読書と感想を書くのをあわせて30分から1時間ぐらいですかね。
廣江
時間も早い! 読み方が違いすぎてビックリです…
樺沢さん
今、廣江さんに悩みがあるとしますよね。
1冊の本のなかで、その悩みに対して参考になることが書いてある部分は30ページにも及ばないはず。だからそこから読んじゃうんですよ。
見開き2ページとかで各項目の結論がわかる本なら、それこそ、どこからでも読めるようになっているので、やりやすいはず。それなら3〜5分で読めると思います。
15分で全体像をつかんだら、“ワープ読み”すべし
渡辺
廣江さんは本を読むとき、やっぱり本の最初から読むの?
廣江
最初から読んでました。
樺沢さん
読書が苦手な人ほど「はじめに」から読み始めますよね。
でも本の構造上、重要なことほど後ろに書いてあるものです。だから最初から読んでいくと、一番重要なところになかなか到達しない。
冒頭から1日10ページずつ読んでいったとして、重要な部分に到達するのに2週間とか、1カ月とかかかっちゃう。
そうすると最初に書いてあったことは忘れちゃってるっていうね。
廣江
それ、まさしく僕ですね…
樺沢さん
だったら自分が一番知りたいことの結論を先に読んじゃうほうがいい。
そのために私は、15分ぐらいで全体像を頭のなかに入れる作業をやります。15分で1冊を“パラパラ読み”してから、最初に戻って精読する。
廣江
先に全体像を…
樺沢さん
その本の内容をつかんだうえで、知りたいことが書かれている部分はじっくり読む。大したことが書いてなさそうなところはパッと読む。
パラパラ読みを最初に15分するだけで、かなり速く読めるようになります。
渡辺
パラパラ読みをしただけで終えている本もありますか?
樺沢さん
うーん…私の場合はパラパラ読みのあと、知りたいところだけを読むので…
本って基本的に全部同じことしか書いてないんですよ。
廣江
!?
樺沢さん
私はこれまで1万冊ぐらい読んできて、とくに自分の専門分野はほぼ全部読んでるので、自分の知らないことってせいぜい本全体の1割程度。
200ページあるうちで、新しい発見が10個あればめっちゃお得。 5個あれば十分です。
渡辺
先生の場合は、たくさん読んでいるがゆえに読むべきところが少ないという事情もあるのか…
樺沢さん
読めば読むほど読書が速くなるのは、知ってることを飛ばしていけるからです。
もちろん最初はそういう読み方はできません。
だからこそ、初心者へのオススメは精読じゃなくて“読みたいところ読む=ワープ読み”。終盤の1〜2章だけ読めば十分な本がほとんどですから。
渡辺
つまり、ほんとに著者が書きたいことは本全体の…
樺沢さん
数行、ワンメッセージですよね。それに説得力をもたせるために、前段としていろんな証拠を並べていくんです。
渡辺
歴史でも、大局観をつかむと頭に入る、ミクロばかり見ていると頭に入りづらいって言いますよね。廣江さんは、それをやってないってこと?
廣江
やってないですね…
樺沢さん
今の廣江さんは、完成図がわからないジグソーパズルを1ピースずつやっているような状態です。ある程度できあがりを把握して「これはこの辺にはまりそう」と分かれば、どんどん埋まってくるはず。
最初に全体像を捉えるというのは、そういうことなんです。
そもそも本を読むときには必ず目的がある。何がしかを知りたいと思って買うわけです。けれども1冊の本のなかには必要じゃないことも書いてある。そこは今読まなくてもいい。
目的を定めて、欲しいところをいただくことに専念するんです。
渡辺
本をまるまる1冊読むことにこだわらず、「今の自分の目的に合った箇所だけを読む」という思考になったほうがいいわけですね。
廣江
僕、すごいバカ真面目に1ページ目から順に…
「視覚・聴覚・身体感覚」情報のインプット法は人によって違う
渡辺
一方で廣江さんには、そういう読み方をすると、“読書の筋肉”を鍛えられないのではという気持ちもあって。
樺沢さん
なるほど。
情報を脳に入れるとき、人には「視覚型」「聴覚型」「身体感覚型」という3つのタイプがあります。
視覚型の人は文字からの情報に強い。聴覚型の人は、コミュニケーションや会話から情報を取るのが得意。身体感覚型は実際に自分でやらないと納得しない。
“視覚型じゃない人=読書に向いてない人”がいるのは事実です。そういう人は、オーディオブックのような聴覚型を試してみるといいかもしれません。
オーディオブックのメリットは、ながら聴きができること。読書する時間を取らなくても、電車に乗っているときなどに聴けば、1週間もしないで1冊が終わります。
渡辺
なるほど! 廣江さん、オーディオブックやってみたらいいかもしれない。
あと最近、本の要約動画とかありますが、あれについてはどう思いますか?
樺沢さん
本を買うかどうかを選ぶのにはすごくいいと思います。
でも動画を見てるときって、脳はほとんど活性化しないんですよ。
最近、面白い研究があって、「スマホで動画を見ているとき」の脳波を調べると、「ボーっとしているとき」と同じだったという(笑)。
渡辺
受動的だからか…
樺沢さん
内容が身についたかどうかを判断するのは簡単です。動画を見た直後に、その内容をどこまで説明できるか。
たとえば1冊の本を15分の動画で要約しているとします。それを見たあとに5分ぐらいで説明、再現できれば、めっちゃ身についている。
けど、ほとんどの人は1分も話せないと思います。つまり、その時点で記憶に残ってないということ。
直後ですら記憶にないことが後々役に立つことはないですよね。
渡辺
結局、要約動画を出している人が、いちばん勉強になっていると(笑)。
樺沢さん
そのとおりですね(笑)。
まとめるという行為は、全体像はもちろん、幹と枝と葉を全部把握する作業です。さらにアウトプットすると、整理されて記憶にも定着します。
より深く理解できる「アウトプット前提」の読み方
樺沢さん
読書には、本を読んだら必ず誰かに説明するという“アウトプット前提”という読み方があります。
私は、“メルマガに感想を書く”ことを前提に本を読むので、深く読まざるを得ない。そのプレッシャーがあるだけで深く読めるようになるんです。
本を読んだら、「昨日こういうの読んだんだよ」っていう話をすればアウトプットになるし、それをするだけで集中力が高まります。
なので、ぜひアウトプット前提で読書をしてほしいですね。
渡辺
どんな場面でのアウトプットでもいいんですかね?
樺沢さん
職場の人に雑談的に言うだけでも全然違います。そのとき説明できた量が、身についた量です。
15分話せたら、及第点。5分でぼちぼちですね。1冊本読んで1分しか話せないとしたら、ほとんど何も身についていない(笑)。
私がYouTubeで本を紹介するときは、30分くらいすぐ経っちゃう。
渡辺
30分となると、要約だけではなく自分の持論も乗せたり、ほかの本の内容をつなげたり…
樺沢さん
そうです。
本は問題解決の手段。自分にどう役立つかを、自分の経験・体験とも合わせて話します。
渡辺
それを含めての、アウトプットなんですね。
樺沢さん
なぐり書きでもいいので、読書メモを書きながら読むのもいいですよ。
どんな方法であれ、アウトプットを1回やっておくと、脳のなかには保存されているので読み返すだけで本の枝葉末節まで思い出すんですよ。
人間の脳は1回見たものは忘れないと言われているんだけど、引き出すことができない。だから部分だけでもヒントがあれば、芋づる式に思い出せる仕組みになっているんです。
だけど、そもそもアウトプットしたことがない人は手がかりがないので、引き出せないので。
本の内容を頭に入れるためには「本を汚せ」!
渡辺
本に直接、思ったことを書くのはアリですか?
僕は最近、ペンで線を引きながら読むようにしているのですが…
樺沢さん
線を引いたり書き込んだりっていうのも「アウトプット」のひとつなので、記憶により残ります。
私も本を読むときは必ずペンを持って、響いたところに線を引いていきますよ。
樺沢さん
初心者でもできる簡単なワークとして、読み終えたときに本のなかで一番刺さった言葉を3つ選ぶ、というのがあります。
名言や、営業に関する本であればそのコツなどでもいいですね。
そのためには、“プチ響いたところ”と”めっちゃ響いたところ”も含めて10カ所、20カ所と線を引いておかなきゃいけない。
重要なことは手帳などに書き写して、「できてるかな」と随時見返すのも大事です。
1冊の本から3つ、ToDoをピックアップできたら、(本1冊の価格の目安)1500円の価値が十分ありますよね。
渡辺
全部読み切らないと、1冊分、1500円の「元が取れない」と。
樺沢さん
でも、ToDoが3つできるようになったら、かなりレベルアップじゃないですか?
渡辺
たしかに…
先ほどから線を引く、見返すなどという言葉が出ていますが、先生は紙で読む派ですか?
樺沢さん
紙じゃないと頭に入ってこないですね。
私はマーカーと3色ペンの二刀流で、線を引いたり、気づいたことなどを横に書き込んだりするので。
だから私の読んだ本、めっちゃ汚いです。汚くしたほうがいいんです。
渡辺
結構フィジカル性も重視してるんですね。
電子書籍でも書き込みができるようになっているものもあるけど…
樺沢さん
ビジネス書は基本的にパラパラ読むものなので、紙のほうが便利なんです。
小説や漫画は順番に読むものなので、電子で読みますよ。
渡辺
あ、そうか! 小説は飛ばして読まないですもんね。
樺沢さん
ビジネス書は基本的に全部読むものではないんですよ。そこが認識として違います。
パラパラ読みをして、自分に必要なところを重点的に読む。さらにそこからピックアップした3つのToDoをできるようにする。
その3つが全部できるようになったときにもう1回読みなおすと、自分のレベルがアップしてるから、違う気づきが出てくるんですね。そこでまた新たなToDoを3つ書き出す。
この「+3読書術」を3回繰り返せば、合計9個のことができるようになる。結果的に、めっちゃできる営業マンになれます。
廣江
がんばります…!
渡辺
廣江さんも紙の本、いっぱい汚したほうがいいね。
樺沢さん
手を動かすと、脳全体が活性化するんです。
ちょっと線を引いたり書き込んだり、運動と合わせて読むことで記憶に残りやすくなりますし、身につきやすくなります。
これは脳科学的にも証明されているんですよ。
廣江
受験のとき、参考書に線引いたりしたことを思い出したんですけど、それと同じようなことですか…?
樺沢さん
そういうこと、そういうこと。
渡辺
先生とは情報処理能力の違いもあるけど…
そもそもビジネス書は1冊を何日もかけて読むものではないと。
樺沢さん
どんなに時間をかけても…3日ぐらいでしょうね。
読みたいと思っているとき、脳ではドーパミンが出ているんですけど、このドーパミンは記憶増強物質であり、集中力を高める物質であり、学習物質なんですね。
だからモチベーションが高いときは脳が応援してくれるので、ものすごく頭に残る。
だけど仕事が忙しくて“積ん読”になっちゃうと、もうドーパミンが沈静化しているから、全然読みたくなくなっちゃうんですよ、不思議なもんでね。
廣江
なるほど。
樺沢さん
だから「読むぞ!」って思ったら、15分でもいいからその場で集中してパラパラ読みをして、目的の箇所を吸収するんです。
もうひとつ大事なことは、ドーパミンは、ワクワクするときに出るという特徴があります。イヤイヤやってると、反対にコルチゾールっていうストレスホルモンが出てしまう。
このコルチゾールは、記憶忘却ホルモンとも呼ばれていて、物忘れをさせるホルモンなんですね。
だから本が嫌いだとか、イヤイヤ読んでいると、まったく身につきません。
渡辺
だとすると、気合いが入ってドーパミンが出たタイミングで、結論だけでもバッて読んじゃったほうが絶対いいですね。
樺沢さん
買った直後が一番ドーパミンが出ているので、買ったらすぐに読みましょう!
月に1冊読めば、上位4割。年収と読書量は比例する
廣江
紙の本を汚しながら、フィジカルを大事に読んでいこうと。
まずはそのスタイルに慣れて、少しずつ読書脳を鍛えて行きたいと思います!
樺沢さん
数カ月前に、社会人がひと月に何冊本を読むかを調査したデータが出ていて。
1冊も読まない人の割合が、これまでは5割だったのが、今回6割という結果でした。もう読まないのが普通になっちゃってるんですよね。
渡辺
廣江さんは…まあ「普通」ってことか。
樺沢さん
逆にいえば、1冊でも読めば上位4割、月3冊読めば上位1割に入れます。
渡辺
その考え方、いいですね!
樺沢さん
あと、年収と読書量は比例するという研究もあります。経営者のみなさんは相当読んでますよ。
渡辺
…その情報で今日一番ドーパミンが出てきたかも…(笑)。
自分のレベルに合っていて、見開きで完結している体裁の本を選び、まずは読みたいところから読む。線を引いたり、メモに写したりしながら、アウトプットを意識する。
ビジネス書の読み方が、少し見えてきました。
何より、「最初から読まなきゃいけない」という呪縛から解き放たれていいんだと思うと、少し気が楽になりました。
賢いビジネス書の読み方をマスターして、どんどん本の中身を吸収していきたいと思います!
〈取材=廣江翔太郎/編集=天野俊吉/編集=鳥山可南子〉
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