4 冊の小説が出版社から拒否されること 500 回。私はやむなく職を探しました。その仕事が心底いやになり、今度は起業しました。20 の事業を立ち上げたのですが、ほとんど失敗でした。その経験を本に書きました。人生訓を語れるぐらい、経験を積んでいたのです。

最初の 5 冊は昔ながらの出版社から刊行しましたが、その後は電子出版に切り替えました。出版社と電子出版を比較することはできますが、ここではしません。ブログで何度も書いていますし、前払金や販売部数などの詳しいデータさえ明かしています。KDP に切り替えた理由は、このシステムが私を果てしなく幸せにしてくれるからです。

とりわけ学んだのは、昔ながらの出版社と電子出版の違いではなく、プロ出版とノンプロ出版の違いです。最新刊の『Choose Yourself!』では、できる限りプロフェッショナルな本作りに取り組むことをついに決断しました。昔ながらの出版社を使うか KDP を使うかに関係なく、ノンプロの本なら簡単に作成できます。

昔ながらの出版社がノンプロの本など出すはずがない、そう思うかもしれませんが、それは違います。KDP の場合、その素晴らしいと同時に恐ろしい点は、どんなものでもアップロードでき、その瞬間に本が出版されることです。これが KDP のすごいところです。

私は書くことが好きです。その点については、私は最高にプロフェッショナルです。表紙のデザインは嫌いなので、世界最高の表紙デザイナーに依頼して、本のデザインを任せています。

作家は書くのが仕事で、良い編集者である必要はありません。好きな作家の本を誰が編集したのかを調べて、編集者を見つけました。彼に編集を依頼したのです。書き直しは 20 回に及び、単なる文法の訂正だけでなく、本全体の構成についても彼のアドバイスは役立ちました。章の分け方、スタイルを変えるべき段落、次の章への流れを自然にするために加筆が必要な段落など、指摘はさまざまでした。校了時に報酬を支払ってからも、長く加筆に協力してくれました。

オーディオ ブックは未経験でしたが、出版できました。しかも、クリントン大統領や J・K・ローリングが自著に使ったスタジオで製作できました。アップロードは、Amazon の子会社 Audible で処理されました。オーディオ版、Kindle 版、および印刷された本が同じページに並ぶのは良い眺めです。

私の愛読するベストセラーの多くは、同じ人物が販促を手がけていました。本を販促する方法など皆目わからないので、その道の達人に販促を頼みました。

販促活動として、私はゲスト投稿を行い、カンファレンスでスピーチし、他の出版物に寄稿しました。他の誰かの助けになり、私の名前をその誰かの聴衆に届けることができるなら、なんでもやりました。

本のタイトルは『Choose Yourself!』（自分で決めろ！）です。 自分自身の決断こそが成功と幸福を導くと、常々感じるからです。私たちが「普通」と感じるルールは、すべて人が作ったものです。ルールを自分で書かなければ、誰かがルールを書いて押し付けてきます。その結果は不愉快なものになるでしょう。Twitter は、伝統的な新聞などの古い印刷メディアと比較して、新しい「自分で決める」メディアではないでしょうか。そう思い、Twitter 社の CEO である Dick Costolo 氏にこの本の前文寄稿を依頼しました（依頼するだけでとても苦労しました）。同氏は引き受けてくれました。この前文は、本格的な出版物のイメージを本に与える効果もありました。

KDP は、本の出版を「自分で決める」手段です。出版する本は自分で決めます。完全に個人の判断です。あなたの意思に反して、ああしろこうしろとは誰も強制できません。KDP は、表現の自由とテクノロジーとの出会いなのです。私が KDP を常に使う理由はそこにあります。

電子出版は、プロフェッショナリズムの欠落を意味しません。プロフェッショナリズムはプラットフォームに由来するのではなく、それを使う個人に由来します。私はできる限りプロフェッショナルにやると自分で決めました。

『Choose Yourself!』は、出版して最初の週に Amazon 週間ランキングのトップ 100 に入りました。カテゴリー別ではすべて 1 位。発売週のまだ 2 日目でしたが、Kindle のノンフィクション部門全体で1位になりました。もっと驚いたのは、「宗教・精神世界」と「ビジネス・投資」の 2 つのジャンルで 1 位を獲得した初めての著者になったことです。ありがたいことに、その後も好調です。

KDP は、出版での成功を自分でつかみとる道を開いてくれました。本当に感謝しています。そういった気持ちで 1 日を終えることができる。それ以上何を望めるでしょうか。

休暇中のある日、キンコーズで 20 部の本を製本し、それをあちこちに配布して数か月後経った頃、その本をぜひ出版させてほしいと出版社から連絡がありました。前払いの小切手と契約書が郵送されてきて、その後は皆さんご存知のとおりです。そこで、「成り行きで本が書けたんだから、執筆に本気で取り組んだらどうなるだろう」と思ったのです。

私の本はすべて不動産関連ですが、2 冊目からは出版という目標を持って執筆したもので、いずれも Kindle で入手できます。ありがたいことに、Kindle のカテゴリー ランキング 1 位に輝いたことも何度かあります。本業である高級住宅の仲介委託契約と販売は今も続けています。

一番難しいのは、きちんと腰を据えて執筆できる時間を捻出することです。誰だって頭の中には本 1 冊分くらいのアイデアが埋もれているのではないでしょうか。あとは、それを実際に本にするという決心ができるかどうかだと思います。このプロセスをスムーズに進めるためのしくみを考えてみたのですが、それでも大きな難題に直面しています。一番大変なのは、最初の一歩を踏み出すことなのです。

ですから、真っ白なコンピューター画面の前に座って本を書こうと決めるのではなく、まずはトピックやタイトルを考えたり、実際に表紙をデザインしたりすることをお勧めします。私の場合は、表紙カバー案を拡大印刷したものを何枚か作って、自宅やオフィスのあちこちに置いていました。こうしたアイデアがいつも目に入るので、時間を見つけて本の執筆に取り組もうという気になるのです。

タイトルが決まったら、10 個ぐらいの章タイトルを書き出し、それらを付箋に書いて壁に貼ります。それから調査とメモの作成を始めて、付箋に記したアイデアをそれぞれの章の下に貼っていきます。壁が付箋で一杯になったら、論理的な順序に付箋を並べ直してみるのもいいかもしれません。あとは、その前に立って口述を始めるだけです。

このプロセスで最も苦手な部分は、口述を文字起こしした最初の原稿を編集するところです。私たちはたいてい自分の声がどう聞こえるか全然分からないものですが、スムーズな執筆をするためにはこれがとても大事なのです。タイピストから受け取った文字起こしの結果を修正するのは、とても辛い作業です。

1 冊目の本は昔ながらの出版社から出版したおかげで、Amazon.com や他の書店で自分の本を目にすることができたり、著者としての知名度が上がるという嬉しい出来事がありました。一方で、内容の著作権を手放すことになり、本の出版時期や、編集、体裁といった点では自分の意見はあまり反映してもらえませんでした。

やりがいのあるプロジェクトでしたが、この経験から、のちにノンフィクションの不動産関連本を執筆するときには、本の内容や体裁は自分自身で決めたいし、この本を実際に必要とする人に届けるための発売時期も自分で決めたいと考えるようになっていました。Kindle での出版は、それをすべて可能にしてくれました。また、構想から最終的な商品ができあがるまでの期間を 75 ～ 80％ も短縮できたのです。

私が書いた Kindle 本を Amazon からダウンロードしてくれた人の数を見ると、驚きを禁じ得ません。ワンクリックで本を読者に届けてくれるテクノロジーは、まさに奇跡というよりほかありません。

Amazon のスタッフも親切で、困った問題にぶつかることもありません。毎月のレポートを見て、私の Kindle 本を読んでくれた人がこんなにいるのかと知るのは非常に楽しいことです。

Amazon には本当に感謝しています。