西原麻里さんの新刊『BLマンガの表現史: 少年愛からボーイズラブジャンルへ(以下『BLマンガの表現史』)』が、青弓社から2月25日(火)に刊行される。
男性キャラクター同士の繋がりを描くBL(ボーイズラブ)漫画について分析し、時代ごとの特徴や表現の変遷をまとめている。定価は2640円(税込)。
BLジャンルの確立までの歴史を俯瞰
『BLマンガの表現史』では、男性キャラクター同士の物語が、ポップカルチャーの一翼を担うBLというジャンルとして確立されていった流れを解説。
そしてその中で、BL漫画の“表現の型やお約束”がどう変遷してきたのか、BLをBLたらしめる要素が何なのかを探る。
本書を上梓するために著者の西原麻里さんが数量的に分析したのは、1970年から2000年までに商業ベースで刊行された2873もの作品群。
青弓社の公式サイトでは「ストーリーやキャラクター、カップル、セックスシーンの特徴を比較して、ジャンル総体の傾向を分析する」と説明。「その背後にある女性を抑圧する社会規範との関連を捉える」という。
「悲劇から恋の成就というハッピーエンドへ」「女性的な美しさから男性のかわいさへ」など、ジャンルの変化を実証的に明らかにし、女性が時代ごとの厳しい現実を生き延びるために紡ぎ出した表現の歴史をたどる。
著者は西原麻里 マンガ研究、ジェンダー/セクシュアリティ研究を専攻
著者の西原麻里さんは、1984年佐賀県生まれ、跡見学園女子大学文学部の准教授。専攻は社会学、マンガ研究、ジェンダー/セクシュアリティ研究。
共著に『よくわかる児童文化』『マンガ文化55のキーワード』(ともにミネルヴァ書房)、『BLの教科書』(有斐閣)などがある。
『BLマンガの表現史』の目次
はじめに――〈男×男〉マンガの誕生と変化を考えるために
第1章 BLマンガというジャンル
第1部 変化を捉える――〈男×男〉マンガの通時性
第2章 ストーリーの数量的分析
第3章 キャラクターの数量的分析
第4章 カップルの数量的分析
第5章 セックスシーンの数量的分析
第2部 時代の特徴を捉える――〈男×男〉マンガの共時性
第6章 〈男×男〉マンガの誕生――少年愛期
第7章 〈男×男〉マンガの成長――JUNE/耽美期
第8章 〈男×男〉マンガの転換――プレ・ボーイズラブ期
第9章 〈男×男〉マンガのジャンルの形成――ボーイズラブ期
おわりに――BLジャンルができるまで、できてから
あとがき青弓社の公式サイトから
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