プレゼンテーションなどでうまく伝わらないと感じる人も多いのではないだろうか(写真:fizkes/shutterstock)プレゼンテーションなどでうまく伝わらないと感じる人も多いのではないだろうか(写真:fizkes/shutterstock)

 仕事をしていると、名刺交換やプレゼン、電話対応、会議などさまざまな場面で「話す」ことがあると思います。そんなときに「え?」と聞き返されたり、「もう一度言ってもらえますか」などと言われた経験はないでしょうか。あるいは、営業先でスライドを駆使してプレゼンしたのに商談がうまくいかなかったり、商品のセールスポイントが伝わっていなかったりしたという経験もきっとあると思います。

 そんな失敗を前に、「話し方」や「話す内容」を工夫する人がいると思いますが、実はそれ、あなたの「声」を変えるだけで伝わるようになるかもしれません。元NHKアナウンサーの墨屋那津子さんは、自分本来の声を最大限に引き出し、声の力で課題解決に貢献するボイストレーニングを2000人以上に実施してきました。そんな「スミヤメソッド」の本質をみていきましょう。(墨屋那津子:キャリアカウンセラー)

※墨屋那津子著『あなたの話が「伝わらない」のは声のせい 』(飛鳥新社)から抜粋、一部編集しました。

声は人の心を開けるカギ

 声の役割は言葉を音で伝えるだけではありません。あなたの人柄。今、口にしたことが本心かどうか。信頼に値する人かどうか。それらを自然に伝える力があります。

 私たちは日々、声を聞いてどんな人かを直感で判断しています。だからこそ、「伝わる声」をつくれれば、それは強力なコミュニケーションツールとなります。声は「人の心を開けるカギ」になりうるのです。

「お世話になります」「はい」「ありがとうございます」──。

 こんなシンプルな言葉に信頼感と説得力が宿り、とたんにパワーを持ちはじめます。ビジネスやプライベートで相手から選ばれるようになります。

 気の利いた言葉や表現は必要ありませんし、演じる必要もありません。今のあなたらしいままで、とてもよい声になります。

 誰からも好かれる人は声が違います。声はあなたをPRしてくれる最強で唯一無二のコミュニケーションツールになりうるのです。