あま

出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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日本語

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語義1 海人 語義2・3 海女

名詞: 海人

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あま海人海夫蜑家蜑女海士海女

  1. (日本史) 、《漁撈》[原義・古義](海人海夫蜑家蜑女) 日本において、を主する水域河川湖沼を含む)を生業の場とし、素潜りする漁民を始め、釣漁網漁塩焼藻塩の製造)・水上輸送・航海などに携わる人のこと。古代中世ではで区別する概念は未発達で、古代から見られる「海夫」も「漁夫」などと同じく、男性という意味は含まない。「」「蜑家」「蜑女」は近世の文書に見られる語で、全て「あま」と読むが、中国水上生活者を意味する「蜑(タン)」に由来する。
  2. (職業) 《漁撈》[近現代の意義](海人海士海女、塰) 海を主とする水域を生業の場とし、素潜りする漁民(※この意味では語義1より狭義)。基本的には日本国内での呼称であるが、韓国済州島の同業者(海女〈ヘニョ〉(wp))や中国の同業者(採珠女)も同じく「海女」と呼ぶことも多い(※この意味では、国内に留まる語義1より広義)。性で区別する場合、男性は「海士」、女性は「海女」と書き分ける。「(あま)」は「海士」の合字で「海人」を意味する和製漢字(日本語国字)であるが、固有名詞造語成分として地名や姓に用いられる(例:塰泊〈あまどまり〉、塰河〈あまがわ〉)に留まる。
    • 随分昔のことであるけれども、房州白浜へ行って海女のひとたちが海へ潜って働くのや天草とりに働く姿を見たことがあった。(宮本百合子 『漁村の婦人の生活 [1]』)〔1941年
  3. (春の季語, 晩春の季語。分類は人事) 海女) 語義2のうち、女性のみ。
  4. 日本伝統芸能→項を作成》(海人。現代の別表記:海士) の演目の一つ。世阿弥→作成の作品とされてきたが、彼の時代には既に存在していたことが判っている。詳しくは「w:海人 (能)」を参照のこと。

発音

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語源

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語誌

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語義1

類義語

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名詞: 尼

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あま

  1. (仏教) 女性の出家キリスト教修道女など、仏教以外の宗教における類似の女性を指す場合もある。
  2. 削ぎ」の略。肩の辺りで頭髪を切りそろえた、平安時代の髪型。また、その髪型の少女。
  3. (蔑称) 女性に対する蔑称。「阿魔」とも書く。
    • 「このアマめ。貴様、死ぬと見せて、男だけ殺したな。はじめから、死ぬる気持がなかったのだな、悪党めが!」(坂口安吾行雲流水』)
    • おい、しっかりしろ、あの娘はとんでもない阿魔だぞ。(吉行エイスケ大阪万華鏡』)

語源

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発音

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類義語

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翻訳

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(語義1)

名詞: 天

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あま

  1. (古用法) あめ)の、名詞又は助詞「」「」に接続する際の変化。
    • 安乎尓余志 奈良能美夜古尓 多奈妣家流 安麻能之良久毛 見礼杼安可奴加毛(『万葉集巻十五・3602)
      青丹吉 奈良の都に 棚引け白雲 見れど飽かぬかも
      奈良の都に棚引いている、空に浮かぶ白雲は、見ていても飽きないものだ。

語源

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  • あめ」の母音変化とするのが通説であるが、「漁師」の意の「あま」との関係を見いだし、天孫族の漁撈的性格の共通性を唱える説もある。

発音

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翻訳

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そら — 「そら#翻訳」を参照のこと

名詞: 海

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あま

  1. (地形) うみ

発音

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翻訳

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うみ — 「うみ#翻訳」を参照のこと

名詞: 甘

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  1. () 形容詞」の語幹口語では「い」の略語としても用いられる。

同音異義語

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あま