コンテンツにスキップ

FEG

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社FEG
Fighting&Entertainment Group
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 FEG
本社所在地 日本
150-0001
東京都渋谷区神宮前2-18-22
S&T神宮前ビル3階
設立 2003年9月3日
業種 サービス業
事業内容 スポーツ、格闘技等のエンタテイメントの企画、主催
イベント制作、運営
代表者 破産管財人 窪田英一郎[1]
資本金 2,250万円
関係する人物 谷川貞治(前代表取締役)
特記事項:2012年5月破産。
テンプレートを表示

FEGは、日本興行会社。社名はFighting & Entertainment Groupの略称。「K-1」を始め「DREAM」「Dynamite!! 〜勇気のチカラ〜」などの格闘技イベントを主催していた。

概要

[編集]

設立

[編集]

それまでのK-1運営母体であった株式会社ケイ・ワン社長で正道会館館長でもあった石井和義が、2002年に脱税容疑で逮捕され[2][3]、興行力を失ったケイ・ワンからK-1興行の受け皿として、元格闘技雑誌編集者の谷川貞治によって設立。株式会社ケイ・ワンから独占的に興行権を取得して、2003年よりK-1を主催した[4][5]。なお、ケイ・ワンは商号を「K-1」を経て「ライツコム」に改め、K-1にかかる権利の保有およびファイターのマネジメントに当たる会社として2012年まで存続していた[6]

FEGとは「Fighting & Entertainment Group」の略称であり、これまでのK-1のみならずあらゆる格闘技イベントに進出を図り[7]総合格闘技興行も2004年に「K-1 ROMANEX」、2005年から「HERO'S」として主催。また、同年にはトリニティの総合格闘技興行「MARS」の立ち上げにも協力した[8]。その他ビッグマウスプロレス興行「WRESTLE-1 GRAND PRIX 2005」にも関わった。

2007年3月、ソフトバンク子会社のG.T.エンターテインメント株式会社と業務提携を結び、更に世界各国の格闘技団体と連携を図る[9]。同年7月には、韓国における現地法人のFEG KOREA Inc.を韓国のCJメディアとTエンターテインメントと共同出資で設立。K-1やHERO'Sの韓国大会はFEG KOREAが主催していくことになった[10]

2007年大晦日に行なわれた「やれんのか! 大晦日! 2007」にも協力。

2008年2月13日、新イベントDREAM設立を発表。これに伴い、FEG社の開催してきたHERO'SはDREAMへ統合。

レスリング部も創設し、専修大学時代より全日本選手権重量級7連覇を記録した田中章仁などが所属していた(田中・北村は共に2010年に退社)。

2010年7月16日、中国の投資銀行と業務提携を結んだ[11]

ファイトマネー未払い問題

[編集]

2010年にFEGが主催するDREAM出場選手のファイトマネー不払い・遅延問題(詳細はDREAM (格闘技イベント)#ファイトマネーの支払い問題参照)がクローズアップされ、FEGが財政難に陥っていることが明らかとなった。

DREAMだけでなくK-1出場選手についても多額の未払い金が発生し、ジェロム・レ・バンナレイ・セフォー桜庭和志ハレック・グレイシーら有名選手に対しても、1選手あたり数十万ドルレベルが未払いとなっているという。セフォーは「自分だけでも総額70万ドル以上が未払い」「知っているだけでも20選手以上がファイトマネーを受け取っておらず、未払い金の総額は少なく見積もっても1000万ドルを超える」と語っている[12]。このためバンナ、セフォーら多くの有力選手が「未払い金問題が解決しない限り、K-1には絶対出場しない」との意向を示しており[13]、セフォーは「法的措置も検討している」と語っている[12]

活動再開と休止、破産

[編集]

前述のファイトマネー未払い問題に加え、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響もあってK-1は活動休止状態に陥っていた。2011年6月より新体制でK-1を再スタートさせる旨を谷川貞治は述べ、地上波放送を行なうかなども含め、遅くとも2011年のゴールデンウィーク明けには新体制で活動を再開とした[14]

その後DREAMについては同年5月29日DREAM JAPAN GP バンタム級トーナメントより(FEGとリアルエンターテインメントの共催であるが実際はリアルエンターテインメントが主催した)、K-1については同年6月25日のK-1 WORLD MAX 2011より興行を再開したものの、地上波放送は打ち切られた。K-1 WORLD GPについては、一旦は同年10月29日に中国・南京でトーナメント1回戦を開催する予定を発表したが、出場選手の興行ビザ問題が解決できないとして直前になり開催延期が発表された。

K-1参戦選手も、ジェロム・レ・バンナピーター・アーツ長島☆自演乙☆雄一郎らはイノキ・ゲノム・フェデレーション(IGF)のプロレス興行へ出場し、K-1ヘビー級王者の京太郎やミドル級のアンディ・オロゴンらがボクシングへ転向するなど、選手が流出した。

DREAMは2011年の大晦日興行をIGFとの合同興行(元気ですか!! 大晦日!! 2011)とすることになったが、この興行にはFEGの関与は一切なく、リアルエンターテインメントとIGFの合同興行となった[15]。最終的にDREAMは2012年の大晦日興行よりグローリー・ワールドシリーズを主催するグローリー・スポーツ・インターナショナルにブランドが譲渡された。

K-1 GRAND PRIXについても、2012年より石井和義が新たに設立した国際K-1連盟(FIKA)主導で興行体制を再構築することになり、K-1興行主体として韓国人投資家により「K-1グローバルホールディングス」が設立[16]。FEGはK-1の興行から撤退し、FEG主催興行は全て休止されることになった。

2012年4月5日、谷川はFEG公式HP上でK-1イベントプロデューサー辞任と新格闘技イベント立ち上げを表明[17]

2012年5月7日 東京地方裁判所民事第20部より破産手続開始の決定を受けた[1][18]。負債総額不明[19]

FEGが主催していたイベント

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 元・総合格闘技「K-1」の運営会社、FEGが破産手続き開始マイナビニュース 2012年5月16日
  2. ^ 石井館長に脱税容疑 デイリースポーツ(スポーツナビ) 2002年12月12日
  3. ^ 石井元館長を逮捕 1億7700万脱税 「タイソン招へい」は虚偽 デイリースポーツ(スポーツナビ) 2003年2月4日
  4. ^ 角田新体制で出直し K-1興行は継続 デイリースポーツ(スポーツナビ) 2002年12月29日
  5. ^ 谷川氏、新イベント会社設立 「総合、プロレスも手がける」 スポーツナビ 2003年9月25日
  6. ^ ボブ・サップ代理人、谷川氏の反論について「重大な事実誤認」を指摘 スポーツナビ 2006年07月03日
  7. ^ K-1 WORLD GP 10.11 大阪:グレコが急遽出場、グラハムと対戦 BoutReview 2003年10月9日
  8. ^ 来年2月、新格闘技イベント『MARS』が始動! livedoorスポーツ 2005年12月25日
  9. ^ (当社に関連する他社のプレスリリース)ファイティングスポーツコンテンツの世界展開について、G.T.エンターテインメントとFEGが業務提携を締結 TV Bank公式サイト 2007年3月28日
  10. ^ 【K-1】K-1を題材とした総制作費6億4千万円以上のドラマ制作に着手 格闘技ウェブマガジンGBR 2007年7月3日
  11. ^ 【K-1】イベントを主催するFEGが中国の投資銀行とパートナーシップへ 格闘技ウェブマガジンGBR 2010年7月16日
  12. ^ a b 東京スポーツ・2011年7月10日付 1面
  13. ^ 報酬未払いでバンナ激怒/K-1 - サンケイスポーツ・2011年7月8日
  14. ^ 6月首都圏の63kg級日本人トーナメントから再始動へ BoutReview 2011年4月15日
  15. ^ 「格闘技がもっともっと元気にならないといけない!」 12・31『元気ですか!! 大晦日!! 2011』開催決定!! DREAM公式サイト 2011年11月3日
  16. ^ 当社子会社による、K-1Global Holdings Limited の株式取得(子会社化)および新規事業(MOBILE, ONLINE IT エンタテインメント事業)参入に伴う債権譲渡契約書締結に関するお知らせ (PDF, 32KB)
  17. ^ “FEG谷川代表がK-1との決別を宣言 新たな格闘技イベント立ち上げへ”. スポーツナビ. (2012年4月5日). http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/headlines/20120405-00000014-spnavi-fight.html 
  18. ^ 官報、2012年5月23日
  19. ^ 大型倒産速報 (2012年5月16日). “元・総合格闘技「K-1」の運営 株式会社FEG 第三者から破産を申し立てられ、破産手続き開始決定受ける”. 帝国データバンク. 2012年5月16日閲覧。

関連項目

[編集]