石垣海上保安部
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石垣海上保安部(いしがきかいじょうほあんぶ、英称:Ishigaki Coast Guard Office[1])は、沖縄県石垣市にある海上保安庁第十一管区海上保安本部の海上保安部である。
概要
[編集]日本最南端に位置する海上保安部で、八重山列島(石垣市、八重山郡竹富町、与那国町)を管轄している[2]。担任水域は南北約330km、東西約430kmに及び、中国及び台湾(中華民国)と国境を接している[3]。定員689人(2016年度)を擁する全国で最大規模の海上保安部である[4]。
管轄区域内にある尖閣諸島3島が国有化された2012年(平成24年)9月以降、中国公船の徘徊、領海侵入が常態化しているため、尖閣領海警備専従体制が整備され、2016年(平成28年)2月24日のくにがみ型巡視船2隻の就役を以て尖閣領海警備専従体制が完成[5][6]。これに並行して、石垣港での係留施設の整備も2015年度内に完成し[7]、4月16日には完成披露式、及び、浜崎桟橋テープカット・渡り初めが行われた[4]。さらに2021年度(令和3年度)には、海上保安庁で最大級のヘリコプター搭載型巡視船であるれいめい型巡視船あさづきが配備された[8]。
なお、同じく石垣市に所在する石垣航空基地は、石垣海上保安部の下部組織ではなく、第十一管区海上保安本部に直属する組織である[9]。
- 所在地:沖縄県石垣市浜崎町1-1-8 石垣港湾合同庁舎内
- 管轄区域:沖縄県石垣市、八重山郡(竹富町、与那国町)[2]
沿革
[編集]- 1972年(昭和47年)
- 1973年(昭和48年)
- 1978年(昭和53年) - 石垣中規模通信所が宮良牧中に移転し、石垣救難方位測定局となる[10][12]。
- 1979年(昭和54年)
- 1980年(昭和55年)3月28日 - 巡視船「はてるま」(PL124)が配属され石垣港に入港[10]。
- 1981年(昭和56年)7月30日 - 巡視船「はてるま」(PL124)が魚釣島付近で漂流中のベトナム難民16人を救助[10]。
- 1983年(昭和58年)3月11日 - 石垣御神埼灯台新設[11]。
- 1985年(昭和60年)7月23日 - 石垣港湾合同庁舎が竣工し、石垣海上保安部及び石垣救難方位測定局が移転[10][12]。
- 1993年(平成5年)3月22日 - 巡視艇「みやづき」が第七管区海上保安本部に配属替[11]。
- 1995年(平成7年)11月13日 - 巡視艇「あだん」配属[11]。
- 1997年(平成9年)8月12日 - 灯台見回り船「あやばね」(初代)が外離島付近で出火したダイビングボートの乗客・乗員23名を救助[13]。
- 1999年(平成11年)
- 4月1日 - 巡視船「ばんな」配属[11]。
- 4月1日 - 巡視艇「てるづき」が第五管区海上保安本部に配属替[11]。
- 2000年(平成12年)
- 3月 - 灯台見回り船「あやばね」(初代)解役[14]。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)12月31日 - 石垣海上保安部通信所が閉所(閉所式は12月22日)[12][11]。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)9月7日 - 尖閣諸島付近で操業していた中国漁船と、石垣海上保安部所属の巡視船「みずき」・「よなくに」が衝突(尖閣諸島中国漁船衝突事件)。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)9月11日 - 尖閣諸島国有化。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2月4日 - 巡視船「とかしき」(PL88)就役(2月17日に石垣港に入港)[11][29]。
- 2月24日 - 巡視船「いぜな」(PL89)、「あぐに」(PL90)就役。尖閣領海警備専従体制が完成[11][5]。
- 4月1日 - 巡視艇「なつづき」が宮古島海上保安署へ配属替[11]。
- 4月1日 - 巡視艇「やえづき」(PC124)が宮古島海上保安署から配属替[11]。
- 4月16日 - 尖閣領海警備専従体制完成披露式、石垣港浜崎桟橋テープカット・渡り初め。
- 10月1日 - 宮古島海上保安部が発足。石垣海上保安部の管轄区域のうち、宮古島市及び多良間村が宮古島海上保安部の管轄となる[2][30]。
- 10月24日 - 巡視船「よなくに」(PL63・3代)が中城海上保安部へ配属替[11]。
- 11月25日 - 巡視船「よなくに」(PL14・4代)配属(12月11日に石垣港に入港)[31]。
- 2017年(平成29年)12月20日 - 真栄里宿舎(200戸)が完成[32]。
- 2019年(令和元年)12月17日 - 巡視船「もとぶ」(PL13)配属[33]。
- 2021年(令和3年)11月12日 - ヘリコプター搭載型巡視船「あさづき」(PLH35)就役(11月26日に石垣港に入港)[8]。
- 2022年(令和4年)12月13日 - 巡視船「みずき」(PS11)が那覇海上保安部へ配属替[34]。
- 2023年(令和5年)2月22日 - 巡視船「あぐに」(PL89)と小樽海上保安部所属の「えさん」(PL12)が相互に配置替。石垣海上保安部に配属されたPL12は「あぐに」に船名変更[35][36]。
- 2024年(令和6年)2月22日 - 巡視船「やえやま」(PL203)及び「はてるま」(PL94)就役[37](これに伴い「はてるま」(PL61)は紋別海上保安部[38]、「いらぶ」(PL87)は唐津海上保安部[39]へ配置替)。
所属船艇
[編集]脚注のない船艇については、石垣海上保安部・第十一管区海上保安本部のウェブサイトを参照[40][41]。
巡視船
[編集]- PLH35 あさづき(れいめい型)[8]
- PL203 やえやま(みやこ型)
- PL12 あぐに(くにがみ型)
- PL13 もとぶ(くにがみ型)[33]
- PL14 よなくに(くにがみ型)[31]
- PL81 たけとみ(くにがみ型)
- PL82 なぐら(くにがみ型)
- PL83 かびら(くにがみ型)
- PL84 ざんぱ(くにがみ型)
- PL85 たらま(くにがみ型)
- PL86 いけま(くにがみ型)
- PL88 とかしき(くにがみ型)
- PL90 いぜな(くにがみ型)
- PL94 はてるま(くにがみ型)
巡視艇
[編集]-
PLH35 あさづき
-
PL82 なぐら
-
PL61 はてるま(2024年2月に紋別海上保安部へ配置替)
-
PL62 いしがき(2020年2月に中城海上保安部へ配置替)
脚注
[編集]- ^ “Miyakojima Coast Guard Office”. Maritime Information and Communication System (Japan Coast Guard. 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b c “海上保安庁組織規則”. e-Gov. 2018年1月20日閲覧。
- ^ “海上保安部の取組み”. 石垣海上保安部. 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b “全国最大規模の保安部に 尖閣警備”. 八重山毎日新聞. (2016年4月17日) 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b “「尖閣警備専従部隊」完成へ 海保11管区、24日に2巡視船就役し14隻態勢で尖閣警備 全国最大に”. 産経新聞. (2016年2月24日) 2018年1月20日閲覧。
- ^ “TOPICS 海上保安の一年 > 02 尖閣領海警備専従体制の確立”. 海上保安レポート 2016年版. 2018年1月20日閲覧。
- ^ 大村, 誠; 瀬間, 基広 (29 July 2016). 海上保安庁係留桟橋の整備について (PDF). 平成28年度沖縄ブロック国土交通研究会. 2023年2月9日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。
- ^ a b c “石垣港 国内最大級の巡視船配備 尖閣警備、災害対応で活躍”. 八重山日報. (2021年11月27日). オリジナルの2021年11月27日時点におけるアーカイブ。
- ^ “【海上保安庁】第十一管区海上保安本部” (PDF). 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l “八重山 近・現代史 略年表 1972年(昭和47)5月15日~1989年(昭和64)1月7日”. 石垣市. 2023年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai “沿革”. 石垣海上保安部. 2024年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月17日閲覧。
- ^ a b c d e “石垣海上保安部通信所が閉所”. 八重山毎日新聞. (2006年12月22日). オリジナルの2018年1月21日時点におけるアーカイブ。 2018年1月21日閲覧。
- ^ “あやばねの奇跡”. 月刊やいま. (2000年4月). オリジナルの2024年3月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ “灯台見回り船「あやばね」八重山去る”. やいまタイム. (2011年3月4日). オリジナルの2024年3月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ “トピックス”. 石垣海上保安部. 2018年1月21日閲覧。
- ^ a b “巡視船「よなくに」小樽へ 配属替えで見送り式”. 八重山毎日新聞. (2008年12月12日). オリジナルの2009年5月11日時点におけるアーカイブ。
- ^ “平成19年度組織要求査定概要について”. 海上保安庁. 2018年3月2日閲覧。
- ^ “巡視船「はてるま」が解役 28年で32隻、390人を救助”. 八重山毎日新聞. (2008年2月28日). オリジナルの2008年2月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ “石海上保安部、新「はてるま」配備 最新型巡視船、警備機能を強化”. 八重山毎日新聞. (2008年4月22日). オリジナルの2008年4月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ “巡視船と接触、沈没 遊漁船乗客ら台湾へ”. 八重山毎日新聞. (2008年6月11日). オリジナルの2009年5月11日時点におけるアーカイブ。
- ^ “最新鋭の巡視船「新よなくに」が入港 石垣海上保安部”. 八重山毎日新聞. (2009年2月21日). オリジナルの2009年2月22日時点におけるアーカイブ。
- ^ “「新なつづき」配備 石海上保安部”. 八重山毎日新聞. (2009年2月22日) 2018年1月21日閲覧。
- ^ “夜間監視装置、防弾対策も 巡視艇「新あだん」到着”. 八重山毎日新聞. (2009年4月16日). オリジナルの2009年4月18日時点におけるアーカイブ。
- ^ “尖閣警備強化で巡視船追加 福岡から石垣に配置換え”. 日本経済新聞. (2011年9月22日). オリジナルの2018年1月21日時点におけるアーカイブ。
- ^ “新巡視船2隻が到着 海上保安庁”. 八重山毎日新聞. (2014年10月21日). オリジナルの2014年12月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ “巡視船「かびら」が入港 尖閣警備専従船で3隻目”. 八重山日報. (2014年12月4日). オリジナルの2018年1月21日時点におけるアーカイブ。
- ^ “尖閣周辺「領海警備専従体制」まで1年 「巡視船10隻」へ建造急ピッチ 3月に4隻目配備”. 産経ニュース. (2015年3月30日). オリジナルの2023年4月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ 海上保安庁@JCG_kohoの2015年11月25日ツイート
- ^ “〝21世紀の防人〟に 巡視船「とかしき」配備 石垣海保”. 八重山日報. (2016年2月18日). オリジナルの2016年2月21日時点におけるアーカイブ。
- ^ “尖閣漁船対応体制を強化/海上保安部”. 宮古毎日新聞. (2016年10月16日). オリジナルの2016年10月18日時点におけるアーカイブ。 2018年1月20日閲覧。
- ^ a b “4代目「よなくに」初入港 尖閣諸島の警備強化に期待”. 八重山日報. (2016年12月12日) 2018年1月21日閲覧。
- ^ “真栄里宿舎が完成 市内4カ所目の200戸 石垣海保”. 八重山日報. (2018年1月18日) 2018年1月21日閲覧。
- ^ a b “東シナ海の警備強化 巡視船「もとぶ」配属 石垣海保”. 八重山日報. (2019年12月18日). オリジナルの2019年12月19日時点におけるアーカイブ。
- ^ “沿革”. 石垣海上保安部. 2024年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月17日閲覧。
- ^ “告示 海上保安庁告示 2023/02/06 令和5年 官報本紙 第911号”. 官報検索! (2023年2月6日). 2024年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月17日閲覧。
- ^ 「海上保安友の会札樽支部会報」(PDF)第42号、海上保安友の会札樽支部、2023年3月8日、 オリジナルの2024年3月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ “尖閣警備に新巡視船2隻 来月就航、ヘリ甲板も 海保”. 八重山日報. (2024年1月27日). オリジナルの2024年2月11日時点におけるアーカイブ。
- ^ “尖閣に睨み! 新鋭巡視船「はてるま」海上保安庁に引き渡し 配備先は東シナ海の最前線”. 乗りものニュース. (2024年2月22日). オリジナルの2024年2月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ “巡視船「いまり」が配属 大型化、ヘリ発着可 唐津海上保安部 巡視船「まつうら」の後継”. 佐賀新聞. (2024年1月21日). オリジナルの2024年1月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ “船艇紹介”. 石垣海上保安部. 2018年1月20日閲覧。
- ^ “第十一管区内巡視船艇・航空機一覧”. 第十一管区海上保安本部. 2018年1月20日閲覧。