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百地丹波

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 
百地丹波
時代 戦国時代 - 江戸時代初期
生誕 弘治2年(1556年[1][2]
死没 寛永17年4月18日1640年6月7日[1][2]
別名 正西(諱)、新左衛門[1][2]
墓所 奈良県宇陀市室生龍口[3]
官位 丹波守[1][2]
氏族 大江氏流百地氏[2][4]
父母 百地正永[1][2]
兄弟 正西正高、徳地道栄の妻[1]
正行、北弥兵衛の妻、新右衛門、市右衛門
養子:正高[1][2]
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百地 丹波(ももち/ももじ たんば)は、安土桃山時代伊賀国大和国武士。実名は正西[2]

出自

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百地氏は伊賀国名張郡から大和国宇陀郡に渡る地域である竜口[注釈 1]の武士で、同地の小字「モモジ」あるいは「モモチ」[注釈 2]に由来するものと考えられている。14世紀頃に伊賀黒田荘悪党として活動した大江氏一党が南下して竜口にまで進出したもので、戦国時代までには同地の地頭となっていた[4][6][2]。なお当初は大和宇陀郡を勢力圏に持つ伊勢国司北畠氏に属したともいわれ、百地氏もその同族するとする説もある[7][4][8][9]。また伊賀山田郡喰代[注釈 3]でも大江党の末裔と見られる百地氏の活動が見られる[10]

天正期に丹波守を称したという百地正西は、竜口の百地家系図によれば竜口城主・百地丹波守正永の子という[2]。なお喰代の百地家系図は、百地氏の初代を「丹波守泰光」とし「奈良の京の時分」の人物としている。

経歴

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百地丹波の名は『多聞院日記』天正7年(1579年7月16日条に見られ、興福寺大乗院領・大和国田口荘の地頭請となっている[2][11]

伊賀国では丹波の代に天正伊賀の乱があり、天正7年9月織田軍侵攻の際に居地を攻略されたため、丹波は高野山へ遁れたという[2]軍記物伊乱記』によれば丹波は喰代の住人であり、鬼瘤越より伊勢から伊賀へ侵入した織田信雄の属将・柘植保重と日置大膳亮を撃退した伊賀衆の中に見られる。また天正9年(1581年織田軍に抵抗して柏原城に籠城した伊賀衆の中に喰代の百地丹波の名が見られ、弓矢を取って勇戦したという記事が見られる[12][13][10][14]。後に丹波は帰郷して名も新左衛門と改め、寛永17年(1640年)に85歳で没したという。子孫は大和竜口に定住し、同地の庄屋を務めた[2]

脚注

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注釈

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  1. ^ 現在の三重県名張市竜口、及び奈良県宇陀市室生龍口。
  2. ^ 「モモジ」は峡谷を意味するものと考えられる[5]
  3. ^ 現在の三重県伊賀市喰代(ほおじろ)。

出典

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  1. ^ a b c d e f g 久保文武 1986, p. [要ページ番号].
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 室生村史編集委員会 1966, p. 953.
  3. ^ 室生村史編集委員会 1966, p. 808.
  4. ^ a b c 池田 & 横田 1981, § 竜口.
  5. ^ 平松 1983, § 竜口村.
  6. ^ 平松 1983, § 龍口村.
  7. ^ 太田 1963, § 百地.
  8. ^ 室生村史編集委員会 1966, pp. 953–954.
  9. ^ 足立 1957, p. 18.
  10. ^ a b 平松 1983, § 喰代村.
  11. ^ 『多聞院日記』, p. 64.
  12. ^ 三重県教育委員会 1977, p. 295.
  13. ^ 沖森 & 北出 1981, p. 78.
  14. ^ 足立 1957, p. 26-27.

参考文献

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  • 足立巻一『忍術』平凡社〈へいぼん・ぶっくす〉、1957年。 
  • 室生村史編集委員会 編『室生村史』室生村、1966年。 
  • 三重県教育委員会 編『三重の中世城館』三重県良書出版会、1977年。 
  • 沖森直三郎; 北出楯夫 編『天正伊賀乱四百年記念略誌』伊賀郷土史研究会、1981年。 
  • 久保文武 編『伊賀史叢考』伊賀郷土史研究会、1986年。 
  • 太田亮『姓氏家系大辞典』角川書店、1963年。ISBN 978-4-04-030200-3 
  • 平松令三 編『三重県の地名』平凡社日本歴史地名大系〉、1983年。ISBN 978-4-582-91039-1 
  • 池田末則; 横田健一 編『奈良県の地名』平凡社〈日本歴史地名大系〉、1981年。ISBN 978-4-582-91014-8 
  • 多聞院日記』 3巻、臨川書店〈続史料大成〉、1978年。ISBN 978-4-653-00488-2 

関連項目

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