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班渓駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
班渓駅
ぱんけ
Panke
中興部 (3.1 km)
(3.3 km) 宇津
所在地 北海道紋別郡興部町字宇津
北緯44度23分53.5秒 東経143度0分56.4秒 / 北緯44.398194度 東経143.015667度 / 44.398194; 143.015667座標: 北緯44度23分53.5秒 東経143度0分56.4秒 / 北緯44.398194度 東経143.015667度 / 44.398194; 143.015667
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 名寄本線
キロ程 55.3* km(名寄起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1957年昭和32年)12月3日[1]
廃止年月日 1989年平成元年)5月1日[1]
備考 名寄本線廃線に伴い廃駅
*キロ程は実キロ(営業キロは最後まで設定されなかった)
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1978年の班渓仮乗降場と周囲約500m範囲。右上が紋別方面。線路と国道239号天北線との間を興部川が流れ、左上から流れてくる班渓川が合流している。この班渓川沿いに、開拓者の小さな集落があった。中央の村道の十字路から、駅前の踏み固められた空き地へ小さな小道が続いている。空き地前から中興部側へ少しずれた位置に不明瞭ながらホームが見える。ホームへの昇降階段は紋別側にあった。近くに待合室は見当たらない。班渓川沿いの集落は、今はほとんど離村してしまった。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

班渓駅(ぱんけえき)は、北海道網走支庁紋別郡興部町字宇津にかつて設置されていた、北海道旅客鉄道(JR北海道)名寄本線廃駅)である。名寄本線の廃線(廃止)に伴い、1989年(平成元年)5月1日に廃駅となった[1]

一部の普通列車は通過した(1989年(平成元年)4月30日時点(廃止時の時刻表)で、下り4本上り4本(快速運転列車ほか)[2])。

歴史

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1948年(昭和23年)から戦後開拓者がパンケ川(パンケ沢・班渓川とも)上流に入植していたが、電気もない生活の上、1953年(昭和28年)の冷害によって離農が始まった。1954年(昭和29年)の洞爺丸台風による風倒木搬出のため、一時期はパンケ川上流にも林業関係者が多く出入りしていたが、それも1965年(昭和40年)頃で終わり、この地は酪農に切り替えた僅かな農家を残してほとんど無人地帯となった[3]

駅名の由来

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当地に流れる興部川支流、パンケ(班渓)川の名称より。「パンケ(panke)」はアイヌ語で「下流の~」を示す接頭語であり、河川名では「上流の~」を表す「ペンケ(penke)」と通常対になる2本の川が本流から分岐するが、少し上流の西興部村に入った地点にペンケ川が流れている[5]

明治時代の旧図にパンケ川・ペンケ川はそれぞれ「パンケオクッタロマナイ」「ペンケオクッタロマナイ」と記載されており[5]、現名はこれが下略されたものと考えられる。

後半部の原義についてはアイヌ語の「オクッタㇽオマナイ(o-kuttar-oma-nay)」(川尻に・イタドリ・ある・川)が連音化したものであると考えられている[5]

駅構造

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廃止時点で、1面1線の単式ホームを有する地上駅であった。

仮乗降場に出自を持つ無人駅となっていた。

駅周辺

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駅跡

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2011年(平成23年)時点では、当駅の遺構は何も残されていない[7]。駅跡附近は、草木で埋め尽くされている。

また、2011年(平成23年)時点では当駅跡の名寄方に、興部川支流の班渓川に架かっていた「班渓川橋梁」の鉄骨ガーダー橋が残存しており、国道の左側に確認できた[7]

班渓駅跡から名寄方に残っている班渓川橋梁(2021年2月28日)

隣の駅

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北海道旅客鉄道
名寄本線
中興部駅 - 班渓駅 - 宇津駅

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、910頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 書籍『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』(監修:太田幸夫、富士コンテム、2004年2月発行)220ページより。
  3. ^ 興部町百年史 1993年3月発行 p239-240。
  4. ^ a b 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング2010年4月発行)214ページより。
  5. ^ a b c 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、179頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  6. ^ a b c 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)18ページより。
  7. ^ a b 書籍『北海道の鉄道廃線跡』(著:本久公洋、北海道新聞社2011年9月発行)118ページより。

関連項目

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