梅田地区の鉄道駅
梅田地区の鉄道駅(うめだちくのてつどうえき)では、大阪府大阪市北区の梅田地区において西日本最大のターミナルを形成している鉄道駅群について総論的に記述する。
具体的には、西日本旅客鉄道(JR西日本)の大阪駅・北新地駅、阪神電気鉄道(阪神)の大阪梅田駅、阪急電鉄(阪急)の大阪梅田駅、ならびに大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の梅田駅・東梅田駅・西梅田駅、および開業予定である南海電気鉄道(南海)の大阪駅を指す。
メディアなどではこれらの駅をまとめて「大阪・梅田駅」または「大阪駅・梅田駅」と表記されることもある。
概要
各駅は、それぞれ離れた場所に別々の駅舎を持つ独立した駅であるが、地下街などを介して相互に乗換え可能である。かつては日本貨物鉄道(JR貨物)の梅田駅(通称: 梅田貨物駅、後の梅田信号場)も近隣を通る東海道本線貨物支線(通称: 梅田貨物線)上に設けられていた。
JR西日本(および開業予定の南海)の大阪駅を中心とすると、北東に阪急の大阪梅田駅、東に地下鉄の梅田駅、南に阪神の大阪梅田駅が位置し、そして北西にJR貨物の梅田駅が存在していた。また、地下鉄梅田駅の東に東梅田駅、阪神大阪梅田駅の西に西梅田駅、阪神大阪梅田駅の南に北新地駅がある。
阪急及び阪神は、両社の「梅田駅」を「大阪梅田駅」に2019年10月1日にそれぞれ変更した[1][2][3]。
設置駅・乗り入れ路線
大阪・梅田付近の接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 阪神電気鉄道(阪神)
- 阪急電鉄(阪急)
- 大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)
- 南海電気鉄道(南海)
利用状況
各社合計の1日平均乗降人員は約240万人も利用しており、年間ではのべ約8億8千万人弱となる(2015年度)。これは新宿駅(約342万人:2015年度)、渋谷駅(約323万人:2015年度)、池袋駅(約262万人:2015年度)についで世界4位の規模である[注釈 2]。東京都以外の都道府県で最多の利用客である。
未開業の南海大阪駅を除く、各駅の最新年度の1日平均乗降人員を述べる。過去のデータについては各駅の項目を参照。
- JR西日本
- 大阪駅 - 2020年度の1日平均乗車人員は290,317人である。これはJR全線でも新宿駅、池袋駅、東京駅につぐ第4位の駅である[4]。JR西日本の駅では第1位であり、京阪神および西日本で最多の利用客数である。
- 北新地駅 - 2020年度の1日平均乗車人員は38,686人である。
- 阪神電気鉄道(大阪梅田駅) - 2015年度の1日平均乗降人員は166,010人である。同社の駅の中では第1位。
- 阪急電鉄(大阪梅田駅) - 2020年の平日1日平均乗降人員は356,742人(乗車人員:274,591人、降車人員:270,476人)である[5]。同社の駅では第1位であり、関西の大手私鉄の駅としても第1位である。また、2014年度の路線別1日乗降人員は以下のとおりである。京都本線の乗降人員は宝塚本線や神戸本線の7割程度になっている。
- 神戸本線 - 191,104人(乗車人員:95,195人、降車人員:95,909人)
- 宝塚本線 - 200,551人(乗車人員:100,552人、降車人員:99,999人)
- 京都本線 - 141,828人(乗車人員:72,905人、降車人員:68,923人)
- Osaka Metro
- 梅田駅 - 2020年11月10日の1日乗降人員は345,789人(乗車人員:171,735人、降車人員:174,054人)である[6]。大阪市交通局(当時)の駅では第1位で、地下鉄単一路線の駅としては日本一乗降人員が多い駅である。
- 東梅田駅 - 2016年11月8日の1日乗降人員は166,676人(乗車人員:82,821人、降車人員:83,855人)である[6]。地下鉄・ニュートラム全107駅中第7位であり、谷町線の駅では天王寺駅に次ぐ第2位である。御堂筋線が乗り入れていない地下鉄の駅では第1位である。
- 西梅田駅 - 2016年11月8日の1日乗降人員は113,949人(乗車人員:58,838人、降車人員:55,111人)である[6]。地下鉄・ニュートラム全107駅中第9位であり、四つ橋線ではなんば駅、本町駅、四ツ橋駅(心斎橋駅と合算)に次ぐ第4位である。ただし上位駅は全て御堂筋線を含む乗換駅であるのに対し、西梅田駅は単独駅である。
また、御堂筋線梅田駅、谷町線東梅田駅、四つ橋線西梅田駅の1日乗降者数を含めると合計581,971人と、相互直通を行っていない地下鉄駅では日本一(世界一)であり、相互直通を行っている駅を含めても渋谷駅に次ぐ。
その他
駅の扱い
阪神や阪急では大阪側のターミナル駅であることを強調するため、正式に改名する以前から「大阪梅田駅」と呼称することがあった。阪神の車内アナウンスは「次は、大阪梅田、梅田、終点です」となっており、阪急では行先表示板を使用していた1980年代までは電車の行先案内は「大阪⇔京都」のように記載され、「大阪梅田駅」と呼んでいたこともあった。これは他社のターミナル駅である天満橋駅などでも見られ、中には大阪阿部野橋駅や大阪上本町駅のように正式駅名に「大阪」を含んだ例もある。
会社ごと、あるいは位置ごとに分ける意味で「阪神大阪梅田駅」「阪急大阪梅田駅」、または大阪を省略して「阪神梅田駅」「阪急梅田駅」と呼ぶこともある。同様にして阪神と阪急に同一の駅名がある神戸三宮駅、春日野道駅、御影駅も「阪神○○」「阪急○○」と案内されることが多い。これは神戸高速鉄道を介して阪急電鉄、阪神電気鉄道、山陽電気鉄道の3社が相互乗り入れしているためである。
大阪駅(うめきたエリア)地下ホーム
大阪駅付近を通過していた梅田貨物線を大阪駅に近接した位置に移設して地下化し、大阪駅の地下ホームとして建設された[7]。2023年2月に線路が移設され、地下ホームは翌3月に供用開始した[8]。これにより、従前は大阪駅にて乗降できなかった特急「はるか」「くろしお」に、梅田界隈から乗降できるようになったほか、新大阪駅発着であったおおさか東線も当駅に乗り入れている。
また、JR西日本と南海電気鉄道が運営する予定で、仮称なにわ筋線の事業主体である関西高速鉄道の鉄道事業基本計画においては、大阪駅(うめきたエリア)地下ホームの供用開始以前は「(仮称)北梅田駅」とされていたが[9]、こちらも大阪駅(うめきたエリア)地下ホームに乗り入れる予定である[10]。この路線が開業すると、南海は阪神・阪急に次いで梅田地区に入る3社目の大手私鉄となると同時に、関西私鉄では初めて「梅田」と名乗らない駅名(南海側でも駅名は「大阪駅」と決定済)で営業する事業者となる。同時に「ラピート」の大阪駅到達が計画されている。
将来的には仮称なにわ筋連絡線も乗り入れる構想がある。
駅周辺
便宜上、国道176号を南北軸に、大阪環状線を東西軸に置いて示す。
- 北西(うめきた・新梅田シティ)方面
- 南西(ダイヤモンド地区・西梅田)方面
バス路線
脚注
注釈
出典
- ^ 『「梅田」「河原町」「石橋」の駅名を10月1日に変更します』(PDF)(プレスリリース)阪急電鉄、2019年7月30日。オリジナルの2019年7月30日時点におけるアーカイブ 。2019年7月30日閲覧。
- ^ 『10月1日から「梅田」と「鳴尾」の駅名を変更します』(PDF)(プレスリリース)阪神電鉄、2019年7月30日。オリジナルの2019年7月30日時点におけるアーカイブ 。2019年7月30日閲覧。
- ^ “梅田駅を「大阪梅田駅」に変更 阪急と阪神が10月”. 日本経済新聞. (2019年7月30日). オリジナルの2019年7月30日時点におけるアーカイブ。 2019年7月30日閲覧。
- ^ “なんでもランキング”. 西日本旅客鉄道. 2015年5月15日閲覧。
- ^ 阪急電鉄 鉄道情報ホームページ 駅別乗降人員(上位50位)
- ^ a b c 路線別駅別乗降人員 2016年11月8日
- ^ JR東海道線支線地下化・新駅設置事業パンフレット P.2 (PDF) - 大阪市
- ^ 『「うめきた(大阪)地下駅」と「大阪駅」の改札内連絡通路の整備並びに「うめきた(大阪)地下駅」の駅名について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2020年3月25日 。2020年3月26日閲覧。
- ^ “大阪圏における鉄道網整備基本計画” (PDF). 関西高速鉄道株式会社 (2019年11月). 2023年4月10日閲覧。
- ^ “なにわ筋線について”. 関西高速鉄道株式会社. 2023年4月10日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 梅田駅(路線図・駅情報) - 阪神電気鉄道
- 梅田駅 - 阪急電鉄
- 駅ガイド:梅田駅 - 大阪メトロ
- 夕映えの鉄路 -梅田貨物駅物語- - 大阪日日新聞