新京成バス
新京成バス(しんけいせいバス、英文社名: Shinkeiseibus Co.,Ltd.[3])は、京成グループに属する新京成電鉄の子会社(新京成グループ)であるバス事業者の総称。かつては新京成電鉄自動車部が直営で行っていたバス事業を指していたが、新京成電鉄のバス事業の地域分社化により、2003年(平成15年)4月28日付で船橋新京成バス株式会社・習志野新京成バス株式会社・松戸新京成バス株式会社の3社が設立され、同年10月1日より営業を開始した[4][5]。
これら新京成グループのバス事業者を総称して「新京成バス[3]」あるいは「新京成グループバス[5]」と呼ぶ。新京成電鉄のバス事業分社化以降「新京成バス株式会社」という社名の企業は存在したことがないが、新京成電鉄や新京成バス各社でも公式に使用している通称である[3]。また駅探[6]やマスメディアなどでも「新京成バス」の呼称が使用されている[7][8][9]。
バス事業の分社化当初は「新京成バス3社」と総称されてきたが、その後に習志野新京成バスが、運行エリアが隣接する船橋新京成バスに2014年(平成26年)4月16日付で吸収合併され[4]、同社習志野営業所となった。これにより新京成バスは、船橋新京成バス・松戸新京成バスの2社となった。新京成バス各社はいずれも千葉県内に所在し、船橋市・鎌ケ谷市・松戸市を中心に乗合バスを運行するほか、旧習志野新京成バスを含む3社とも貸切バス事業を行う[10]。いずれも日本バス協会傘下の千葉県バス協会会員事業者である[10]。
なお、新京成バス各社ごとの公式ウェブサイトは存在せず、新京成電鉄公式サイト内のバスのページに新京成バス全社の情報が掲載されている[11]。
概要
[編集]詳細は各事業者の記事を参照。
旧習志野新京成バスを含む各社とも、登記上の本店は、新京成電鉄の本社所在地である千葉県鎌ケ谷市くぬぎ山4丁目1番12号に置く[12][13]。
- 本社所在地:千葉県鎌ケ谷市鎌ケ谷1丁目8番2号[5]
- 鎌ヶ谷営業所 - 営業所を表す社番の数字は1。新京成電鉄自動車部鎌ヶ谷営業所、および旧船橋バス(2007年9月30日まで存在した新京成電鉄の子会社)を継承した。本社と同位置に所在。
- 習志野営業所 - 営業所を表す社番の数字は2。新京成電鉄自動車部習志野営業所(→新京成電鉄自動車部鎌ヶ谷営業所習志野車庫)を継承し、習志野新京成バスとなる。2014年4月16日に船橋新京成バスに吸収され、同社の営業所となる[4]。
コミュニティバス
[編集]千葉県内の自治体から、以下のコミュニティバスを運行受託している[14]。
沿革
[編集]新京成電鉄のバス事業の起こりは、1949年(昭和24年)1月に新京成線の滝不動駅 - 鎌ヶ谷大仏駅間が開通したことに合わせ、鎌ヶ谷大仏 - 松戸間で乗合バスを開業し「鎌ヶ谷営業所」を新設したことに始まる[4]。この鎌ヶ谷営業所が現在の船橋新京成バスの前身である。
電鉄直営時代
[編集]- 1949年(昭和24年)
- 1953年(昭和28年)8月1日 - 夏見線、船橋市内循環線を開業[4]。
- 1959年(昭和34年)10月15日 - 国鉄船橋駅北口にバス案内所を新設[4]。
- 1961年(昭和36年)12月15日 - 習志野操車場を新設[4]。
- 1962年(昭和37年)8月21日 - 初のワンマンバスを常盤平線にて運行開始[4]。
- 1966年(昭和41年)7月16日 - 五香操車場を新設[4]。
- 1968年(昭和43年)9月22日 - 北習志野操車場を新設[4]。
- 1969年(昭和44年)8月20日 - 小金原操車場を新設[4]。
- 1974年(昭和49年)12月27日 - 初の深夜バスを金杉台線にて運行開始[4]。
- 1977年(昭和52年)3月31日 - 芝山操車場を新設[4]。
- 1979年(昭和54年)7月25日 - 船橋バス株式会社が設立[4]。
- 1980年(昭和55年)
- 1982年(昭和57年)3月29日 - 大型方向幕装備の冷房車を導入[4]。
- 1983年(昭和58年)
- 1987年(昭和62年)10月21日 - 国内旅行業を営業開始[4]。
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年)
- 1991年(平成3年)6月24日 - バスのワンマン化100%を達成[4]。
- 1994年(平成6年)12月16日 - バス回数乗車券を車内で販売開始[4]。
- 1995年(平成7年)3月31日 - 北習志野駅前広場が完成[4]、松戸駅東口でバスターミナル監視システムを導入[4]。
- 1996年(平成8年)3月28日 - 松戸営業所管内でバス運行情報システムを導入[4]。
- 1997年(平成9年)7月24日 - ワンステップ低床バスを導入開始[4]。
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)
- 2000年(平成12年)
バス分社化後
[編集]- 2003年(平成15年)
- 2007年(平成19年)10月1日 - 新京成電鉄が船橋バスを吸収合併[4]。同社のバス事業を船橋新京成バスが継承。
- 2008年(平成20年)
- 2010年(平成22年)7月31日 - バス共通カードの取り扱いを、船橋新京成バス、習志野新京成バス、松戸新京成バスで終了[4]。
- 2011年(平成23年)3月20日 - 船橋新京成バス、習志野新京成バスの一般路線バス全線で乗降方法と運賃支払方式を変更、従来の「上り前払い・下り後払い」から運賃後払いへ統一[17]。
- 2012年(平成24年)2月25日 - 新バスロケーションシステム「Bus-Vision」を、船橋新京成バス、習志野新京成バス、松戸新京成バスで使用開始[4][18]。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)4月16日 - 船橋新京成バスが習志野新京成バスを吸収合併[4]、船橋新京成バス習志野営業所とする。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 2020年(令和2年)2月16日 - 松戸新京成バス、高速バス「松戸駅 - 東京ディズニーリゾート線」を運行開始(京成バスとの共同運行)[4]。
- 2022年(令和4年)
- 2023年(令和5年)10月31日 - 京成電鉄が2025年4月1日付で、新京成バス各社の親会社である新京成電鉄を吸収合併し、同日付で新京成電鉄を解散することを発表(なおこの時点では吸収合併後の新京成バス各社の扱いについては未発表)[24][25][26]。
- 2025年(令和7年)4月1日(予定) - 新京成バス各社が京成電鉄バスホールディングス傘下に異動し、松戸新京成バスおよび船橋新京成バスのうち鎌ヶ谷営業所は京成バス千葉ウエストに、習志野営業所は京成バス千葉セントラルにそれぞれ再編[27]。
車両
[編集]車種
[編集]新京成バスでは、船橋新京成バスと習志野新京成バスでは日産ディーゼル製車両、松戸新京成バスではいすゞ自動車製車両を導入していた。
松戸新京成バスでは、分社化前から大型車はいすゞ・エルガ、中型車はいすゞ・エルガミオ(ワンステップバス、ノンステップバス)を導入しており、一般路線車は分社化後も一貫してこの2車種を導入し続けている[28]。
船橋新京成バスと習志野新京成バスでは、分社後の2004年から2009年までは中型長尺車の日産ディーゼル・スペースランナーJP(西日本車体工業製車体架装)が初めて新製配置され[29][30]、新京成電鉄自動車部から引き継いだ車両とともに使用された。2007年からは大型車の日産ディーゼル・スペースランナーRAの導入が開始された[29][30]。
2008年には船橋新京成バス・習志野新京成バスに日産ディーゼル・スペースランナーA(AP系)および三菱ふそう・エアロスター(MP35系)が導入開始された。ともにワンステップバスであり、2012年まで導入された(うち1031号車から1035号車の5台はAT車)[29][30]。
2011年の日産ディーゼル(現:UDトラックス)のバス製造事業撤退により、日産ディーゼル車を導入していた上記2社では三菱ふそうトラック・バス製の車両に切り替えられ、翌2012年からはエアロスターのノンステップバス(MP37系)が導入開始された[29][30]。船橋新京成バスでは分社化前の2000年に導入されたノンステップバス(N-806号車)以来、12年ぶりのノンステップバス導入となった[29]。2014年からはモデルチェンジにより、エアロスターのノンステップバス(MP38系)の導入が開始された[29][30]。
中型車は、2014年から2015年にかけて習志野新京成バスに三菱ふそう・エアロミディMK、2015年から船橋新京成バスにいすゞ・エルガミオが導入された[29][30]。なお船橋新京成バスには船橋バスから移籍したエルガミオ(1400号車、元船橋バスF-131号車)も配置された[29]。その後の三菱ふそうの中型車製造終了に伴い、中型車はエルガミオに集約されている[29][30]。
2019年からは、船橋新京成バス(鎌ヶ谷営業所)でも、いすゞ・エルガのノンステップバス(LV290系)が導入開始された[29]。
日野自動車製の車両は小型車のみである[29]。かつては日野・レインボーHR(7m車)、日野・リエッセのほか、三菱ふそう・ローザ、三菱ふそう・エアロミディMEも配置されていた[29]。その後の車両代替により、小型車は日野・ポンチョ(HX系)に集約されている[29]。小型車はコミュニティバスのほか一般路線でも使用される[29]。分社化以前から小型車の配置がなかった松戸新京成バスにも、松戸市コミュニティバス受託開始に伴い専用車のポンチョが導入された[28]。
カラーリング
[編集]新京成バス3社への分社化後には、それぞれ異なるカラーリングが用意された。習志野新京成バスの緑色基調のカラーリング(通称「習志野カラー」)は、船橋新京成バスへの合併後も後年の「新京成グループデザイン」塗装の導入まで変更されることなく、習志野営業所の所属車両のカラーリングとして使用された。
-
船橋カラー
船橋新京成バス鎌ヶ谷営業所の車両 -
習志野カラー
船橋新京成バス習志野営業所(旧・習志野新京成バス)の車両 -
松戸カラー
松戸新京成バスの車両
社番
[編集]バス事業の分社化の前後で、社番の付与規則が変更されている。
- メーカー・用途を表すアルファベット
- 通し番号
- 大型車:数字3桁(例:N-806)
- 習志野営業所所属車は、大型車のみ数字3桁の後に、営業所を表す「N」が小さい文字で付く(例:N-747N)
- 中型車:Mの後に数字2桁(例:I-M69)
- 大型車:数字3桁(例:N-806)
- なお、大型車、中型車、小型車・特定車・貸切車等(符号S)の3種で、通し番号は別にカウントされていた。
- また、元船橋バス車は類似した方式の通し番号であったが、メーカーを問わず番号の前に113までは「NO.」が、114からは「F-」がついていた。編入後も塗装変更された1台が分社化後の番号へ改番された以外は元の番号のまま運用され、転属があっても番号が変わることはなかった。
- 分社化後
- 分社化後は、以下の数字4桁の社番へ変更された。
- 千の位:営業所を表す数字1桁
- 船橋新京成バス鎌ヶ谷営業所:1
- 船橋新京成バス習志野営業所:2(旧・習志野新京成バス)
- 松戸新京成バス松戸営業所:3
- 百の位:車両仕様を表す数字1桁
- 十の位・一の位:車両仕様ごとの通し番号2桁
- 京成バスの社番付与規則と類似するが、京成バスでは数字4桁の百の位はメーカーを区別する(京成バス#車両番号も参照)。
- また、船橋新京成バスの深夜急行用車および松戸新京成バスの高速バス用車はアルファベット2文字+数字3桁の社番を持つ(前者はFS、後者MHで始まり、数字3桁は4桁社番の百の位以下と同じ)。
脚注
[編集]- ^ 新京成グループ2社の乗り合いバス 装い新たに ピンク色 東京新聞、2022年7月8日付、2022年10月2日閲覧。
- ^ a b c 新京成電鉄【公式】 [@shinkeisei_info] (2020年9月4日). "2017年9月4日、船橋新京成バス・習志野(営)の中型車N-M68号車が引退、これを以て1989年1月から導入された新デザインバス、通称「赤バス」が全車引退となりました。". X(旧Twitter)より2022年10月2日閲覧。
- ^ a b c “新京成バス 採用サイト「船橋市・松戸市でバスドライバーになるなら新京成バス!」”. 新京成グループバス採用サイト. 2024年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj 沿革 新京成電鉄、2022年10月2日閲覧。
- ^ a b c d “新京成グループバスのご紹介 - 会社概要”. 新京成グループバス採用サイト. 2024年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月2日閲覧。
- ^ 新京成バス 駅探、2022年10月2日閲覧。
- ^ 【動画あり】新京成バスも電車色 18年ぶり塗装変更 ジェントルピンク 順次統一、7月中に4台 千葉日報、2022年7月6日付、2022年10月2日閲覧。
- ^ ジェントルピンクに白のラインで「つながり」を表現 新京成バスが18年ぶりにデザイン一新 電車と共通のカラーリング 鉄道チャンネルニュース、株式会社エキスプレス、2022年7月8日、2022年10月2日閲覧。
- ^ 新京成バスが「アンデルセンライナー」など新設 乗り場も分かりやすく変更 船橋経済新聞、2022年3月26日、2022年10月2日閲覧。
- ^ a b “貸切バス 事業者一覧”. 千葉県バス協会. 2024年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月2日閲覧。
- ^ バスに乗る 新京成電鉄、2022年10月2日閲覧。
- ^ 船橋新京成バス株式会社の情報 法人番号公表サイト、国税庁、2022年10月2日閲覧。
- ^ 松戸新京成バス株式会社の情報 法人番号公表サイト、国税庁、2022年10月2日閲覧。
- ^ 地域コミュニティバスのご案内 新京成電鉄、2022年10月2日閲覧。
- ^ a b 船橋新京成バス(株)、習志野新京成バス(株) ICカード「PASMO」の導入について 新京成電鉄 ニュースリリース、2008年9月9日、2022年10月2日閲覧。
- ^ 船橋新京成バス 白井市循環バス「ナッシー号」のPASMO取扱いを開始致します。 新京成電鉄ニュースリリース、2009年3月10日、2022年10月2日閲覧。
- ^ 【船橋新京成バス・習志野新京成バス】乗降方式変更のお知らせ 新京成電鉄、2011年2月18日、2022年10月2日閲覧。
- ^ 【新京成グループバス3社】新バスロケーションシステム(Bus-Vision)サービス開始について 新京成電鉄、2012年2月24日、2022年10月2日閲覧。
- ^ 【【船橋新京成バス】ダイヤ改正のお知らせ・深夜急行バスの運行開始(4/16~) 新京成電鉄、2013年4月5日、2022年10月2日閲覧。
- ^ 松戸新京成バス初の特別塗装車両の運行(12/9~) 新京成電鉄、2018年11月30日
- ^ 創立15周年特別塗装車両の運行開始と乗車証明証の配布について(12/9、12/16) 新京成電鉄、2018年11月30日
- ^ 新京成グループデザインバスがデビューします 新京成電鉄、2022年6月8日
- ^ “【松戸新京成バス】高速バス 松戸駅~「東京ディズニーリゾート」線の運行終了について(~9/30)”. 新京成電鉄 (2022年9月12日). 2024年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月2日閲覧。
- ^ 【速報】京成電鉄、新京成電鉄を吸収合併へ 2025年4月 現在の路線・駅は維持する方針【追記あり】 千葉日報、 2023年10月31日付、2024年2月25日閲覧。
- ^ 京成電鉄、完全子会社の新京成電鉄を2025年に吸収合併 Impress トラベルWatch、インプレス、2023年11月1日、2024年2月25日閲覧。
- ^ 京成電鉄、新京成を吸収合併 Impress Watch、インプレス、2023年11月1日、2024年2月25日閲覧。
- ^ “バス事業における中間持株会社の設立ならびに事業再編に関するお知らせ”. 京成電鉄 (2024年9月25日). 2024年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月25日閲覧。
- ^ a b バスミュージアム - 松戸新京成バス 車両紹介 新京成バス、2024年2月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n バスミュージアム - 船橋新京成バス(鎌ヶ谷営業所) 車両紹介 新京成バス、2024年2月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g バスミュージアム - 船橋新京成バス(習志野営業所) 車両紹介 新京成バス、2024年2月25日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 新京成バス - 新京成電鉄
- 地域コミュニティバスのご案内 - 新京成電鉄
- We♥Shinkeisei - バスミュージアム - 新京成電鉄
- 新京成バス 採用サイト
- Bus-Vision 新京成バスグループ - バスロケーションシステム
- 新京成電鉄【公式】 (@shinkeisei_info) - X(旧Twitter) - 新京成バスの情報も発信している。
- 船橋新京成バス【公式】 (@sk_funabus) - X(旧Twitter) - 2021年1月アカウント開設。