大笠山
大笠山 | |
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前笈ヶ岳方面から望む紅葉した大笠山 | |
標高 | 1,821.84[1] m |
所在地 |
石川県白山市 富山県南砺市 |
位置 | 北緯36度19分14秒 東経136度47分23秒 / 北緯36.32056度 東経136.78972度座標: 北緯36度19分14秒 東経136度47分23秒 / 北緯36.32056度 東経136.78972度[2] |
山系 | 両白山地 |
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プロジェクト 山 |
大笠山(おおがさやま)は、石川県白山市と富山県南砺市との県境にある標高1,822 mの両白山地の山。日本三百名山に選定されている[3]。
概要
[編集]両白山地の主稜線の北部に位置する。白山国立公園に含まれ[4]、山の南側は特別保護地区、北側が特別地域に指定されている。山体は酸性火成岩からなる[3]。1993年(平成5年)に、大笠山を源流とする境川(庄川の支流)に境川ダムが完成した。その後、境川との合流部の大畠谷に鉄製の吊橋が設置され、フカバラノ尾根に登山道が整備された。1997年(平成9年)10月には、東砺波郡上平村(現在の南砺市)が、大笠山の約800 m東の稜線上に大笠山避難小屋を建設した。山頂の西500 mには大笠池(標高約1,720 m、長径80 m - 短径30 mの楕円形)があり、オオルリボシヤンマ、モリアオガエル、マメゲンゴウなどが生息している[5]。
山名の由来
[編集]山名の由来は、越中側から見た山容が編笠状であるためとされている[6]。加賀側からは、山頂直下に広い平地があることから「千丈平山」と呼ばれていた。金沢市方面からその端正な三角形の山容を望むことができる。国土地理院の地形図では、南西に「千丈平」と呼ばれる平坦地がある[7]。
登山
[編集]登山道
[編集]境川ダムが建設される以前は、富山県道54号福光上平線のブナオ峠(大獅子山と大門山との鞍部)からの登山道が利用されていた。フカバラノ尾根の登山道整備後は、多くの登山者がこの登山道を利用するようになった。境川ダムの上部の登山口付近には桂湖ビジターセンターや桂湖オートキャンプ場などがあり、毎年6月1日にビジターセンターで大笠山の山開きが行われている[8]。南の笈ヶ岳からの主稜線には、深い藪や木が生い茂っていて一般登山道はない。
山頂には、国土地理院の一等三角点(点名は「大笠山」)、山名と展望図の御影石、テーブルとベンチなどが設置されている。
- フカバラノ尾根からのコース:桂橋西 - 大畠谷(吊橋) - 前笈ヶ岳 - 旧大笠山避難小屋 - 両白山地主稜線合流点 - 大笠山
- 登山道には全長6.2 kmに対する山頂まで各1.6、2.6、3.7、4.8、5.7 kmの登山標識が設置されている。登山口付近にある大畠谷吊橋の踏板は冬期には外される。平成18年豪雪でこの吊橋は半壊したが、その後修復された。
- 山頂手前約100 mの稜線上登山道脇に2013年9月に新築された大笠山避難小屋(1.5間×2間=3坪、収容数名、無人、トイレなし)がある。水場はない[9]。山頂から東800 mにあった旧避難小屋は取り壊され、基礎上に四角く丸太が組まれ、休息所になっている。水場は旧避難小屋近くにあり、水を入手できる場合がある[10]。
両コースの登山口とも最寄りのインターチェンジは、東海北陸道五箇山インターチェンジである。
ギャラリー
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登山口の桂湖
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登山口の大畠谷(吊橋)
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旧大笠山避難小屋(現在は解体)
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旧避難小屋広場
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現在の大笠山避難小屋
登山道の植物
[編集]初夏に登山道では、コブシ、ホンシャクナゲの広葉樹の花が見られる。上部に行くにつれて、ブナ林からダケカンバやオオシラビソへと植生が変わる。また上部では、クマザサが多く見られる。またイワウチワ、イワカガミ、タテヤマリンドウ、ニッコウキスゲ、ハクサンコザクラなどの高山植物も見られる[10]。
コブシ | ホンシャクナゲ | ブナ | オオシラビソ | イワカガミ | ニッコウキスゲ |
地理
[編集]周辺の山
[編集]両白山地の主稜線上にあり、その北部に位置する。南には笈ヶ岳がある。
山容 | 山名 | 標高[1][2] (m) |
三角点等級 基準点名[1] |
大笠山からの 方角と距離 (km) |
備考 |
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人形山 | 1,726 | 東北東 13.8 | 日本三百名山 | ||
大門山 | 1,571.59 | 三等 「大門山」 |
北北東 5.1 | 日本三百名山 | |
見越山 | 1,621 | 北 3.2 | |||
奈良岳 | 1,644.33 | 三等 「三方山」 |
北 2.4 | ||
大笠山 | 1,821.84 | 一等 「大笠山」 |
0 | 日本三百名山 | |
前笈ヶ岳 | 1,522.06 | 三等 「前笈」 |
東南東 2.2 | フカバラノ尾根 | |
笈ヶ岳 | 1,841.35 | 三等 「笈岳」 |
南 2.4 | 日本二百名山 | |
白山 | 2,702.17 | 一等 「白山」 |
南 18.4 | 日本百名山 |
源流の河川
[編集]大笠山の風景
[編集]奈良岳と大笠山 見越山から望む |
春の大笠山 南隣の笈ヶ岳から望む |
初夏の大笠山 上部に高山植物が自生 |
秋の大笠山 ブナやナナカマドなどの紅葉 |
脚注
[編集]- ^ a b c “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2011年6月24日閲覧。
- ^ a b “日本の主な山岳標高(石川県の山)”. 国土地理院. 2011年6月24日閲覧。
- ^ a b 『日本三百名山』毎日新聞社、1997年3月、223頁。ISBN 4620605247。
- ^ “白山国立公園・公園区域の概要”. 環境省自然環境局. 2011年6月24日閲覧。
- ^ 上馬康生 (2009年). “白山大笠池の水生昆虫を中心とする動物相” (PDF). 白山自然保護センター. 2011年9月18日閲覧。
- ^ 山と溪谷社 編『日本の山1000』山と溪谷社、1992年10月、500頁。ISBN 4-635-09025-6。
- ^ “地図閲覧サービス 2万5千分1地形図名:中宮温泉(金沢)”. 国土地理院. 2011年6月24日閲覧。
- ^ “桂湖と大笠山の安全を祈る”. 南砺市観光ガイド (2011年6月1日). 2011年6月24日閲覧。
- ^ 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月、1162-1163頁。
- ^ a b 『白山と北陸の山』山と溪谷社、2000年8月、117-118頁。ISBN 4-635-01321-9。
参考文献
[編集]- 『白山 荒島岳』昭文社〈山と高原地図 2011年版〉、2011年3月。ISBN 9784398757838。