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大久保友雅

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大久保 友雅
Tomomasa OHKUBO
人物情報
生誕 (1978-12-08) 1978年12月8日(46歳)
国籍 日本の旗 日本
出身校 日本の旗東京工業大学
学問
研究分野 レーザー工学
研究機関 日本の旗東京工業大学
中華人民共和国の旗国立台湾大学
日本の旗光産業創成大学院大学
日本の旗東京工科大学
学位 博士(理学)東京工業大学[1]
主な業績

レーザーアブレーションのナノクラスター形成の数値計算の実現[2]、 水を用いたレーザー推進による連続推進の実現[3][4]太陽光励起レーザーの面積効率の向上[5][6][7]、 CFRPのレーザー加工の数値計算[8][9]

レーザー加熱試験方法SLT法の開発[10]
学会 レーザー学会、レーザ加工学会、応用物理学会日本機械学会
公式サイト
東京工科大学大久保研究室
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大久保 友雅(おおくぼ ともまさ、1978年12月8日 - )は、日本の機械工学・物理学者。東京工科大学教授博士(理学)東京工業大学)。[11]

専門は、太陽光励起レーザーレーザー工学、数値解析[12]。 国内における太陽光励起レーザー研究の第一人者の一人[13]

主な業績は、太陽光励起レーザーの出力と面積効率の向上を同時に達成[5][6][7]。また、ガルバノスキャナを用いたレーザの高速スキャンによる選択的レーザ温度制御(SLT: Selective Laser Thermoregulation)法を開発[10]。 その他、ZR理論を用いたレーザーアブレーションのナノクラスター形成の数値計算[2]の実現や、水を用いたレーザー推進による連続推進の実現[3][4][1]、水を用いたレーザー推進の数値計算[14][15]CFRPのレーザ加工における数値計算[8][9]でも成果を挙げている。また、レーザーに直接関係ない研究としても、数値計算における初期値推定法の開発[16]や、誘電体多層膜に関するAIの開発[17]マグネシウム合金の腐食危険度を判定する画像認識AIシステムの開発[18]等の研究活動を実施している。

経歴

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1994年 四日市市立内部中学校卒業[19]

1997年 東京都立新宿高等学校卒業。

2001年東京工業大学理学部応用物理学科卒業。学士(理学)

2003年 東京工業大学大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻修士課程修了。修士(理学)。Zeldovich–Raiser理論を用いて二次元軸対称空間におけるレーザーアブレーション内で生じるナノクラスターの生成過程の数値計算に成功.[2]

2006年 東京工業大学大学院総合理工学研究科創造エネルギー専攻博士課程修了。博士(理学)。水を用いたレーザー推進で70gの自動車模型の連続的な推進や金属を用いず水だけを用いたレーザー推進に成功[4]。博士論文は「水を用いたレーザー推進に関する基礎的研究」[1]

2006年 東京工業大学統合研究院特任助教。2007年同大学大学院機械物理工学専攻助教。太陽光励起レーザーの面積効率の世界最高効率を3回更新[5][6][7]科学研究費補助金を得て「太陽励起レーザーの高効率な太陽光キャビティの開発」を実施[20]

2014年 東京工科大学メディア学部メディア学科専任講師に着任。科学研究費補助金を得て「太陽励起レーザーのための高効率な太陽光キャビティの開発」を実施[21]

2015年 東京工科大学工学部機械工学科専任講師東京工科大学に新しく工学部を立ち上げると同時に「光・エネルギー研究室」を立ち上げる[22]炭素繊維強化プラスチック(CFRP)をレーザーで切断した際に,樹脂と繊維とで除去のされ方が異なる現象を数値計算により解明[8][9]

2018年 東京工科大学工学部機械工学科准教授内閣府が主導する国家プロジェクトである戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の第二期に「統合型材料開発システムによるマテリアル革命」の「セラミックス基複合材料の航空機エンジン部材化技術の開発」において、"Selective Laser Thermoregulation法" と名付けた新しいレーザ加熱手法を開発[10]。更に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「官民による若手研究者発掘支援事業」において、SLT法におけるレーザ照射条件を決定するAIの開発を実施[23][24]。そして科学研究費補助金を得て「太陽光励起レーザーの効率向上のための複合的非結像集光技術の開発」を実施[25]

2024年 東京工科大学工学部機械工学科教授。現在に至る

主な所属学会は、レーザー学会、レーザ加工学会、応用物理学会日本機械学会

主な受賞歴

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  • 2005年 日本機械学会 動力エネルギーシステム部門: 優秀講演表彰 [26]
  • 2014年 レーザ加工学会: 優秀ポスター賞 [27]
  • 2018年 The 8th International Symposium on Computational Intelligence and Industrial Applications & The 12th China-Japan International Workshop on Information Technology and Control Applications: Best Presentation [28]
  • 2022年 The 2nd International Conference on Advanced Technology and Sustainable Development 2022: Best oral presentation[29]

主な著作

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学位論文

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学術論文

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その他リンク

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脚注

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  1. ^ a b c 大久保友雅博士論文 2006.
  2. ^ a b c Appl.Phys.A 2003.
  3. ^ a b AIP.Conf.Proc. 2003.
  4. ^ a b c AIP.Conf.Proc. 2005.
  5. ^ a b c Appl.Phys.Lett. 2007.
  6. ^ a b c Opt.Lett. 2009.
  7. ^ a b c Appl.Opt. 2014.
  8. ^ a b c Appl.Phys.A 2016.
  9. ^ a b c Appl.Surf.Sci 2017.
  10. ^ a b c JLMN 2020.
  11. ^ 東京工科大学大久保研究室
  12. ^ 大久保友雅|工学部|東京工科大学
  13. ^ OPTRONICS ONLINE "SDGsに貢献する光技術となるか? ─太陽光励起レーザーの現状とその可能性"
  14. ^ JACIII 2021.
  15. ^ Appl.Phys.A 2022.
  16. ^ JACIII 2016.
  17. ^ JACIII 2019.
  18. ^ 工学部の活動紹介2022年|工学部|東京工科大学
  19. ^ 大久保友雅
  20. ^ KAKEN 太陽励起レーザーの高効率な太陽光キャビティの開発
  21. ^ KAKEN 太陽励起レーザーのための高効率な太陽光キャビティの開発
  22. ^ やらまいか Vol.16
  23. ^ JLMN 2021.
  24. ^ JLMN 2022.
  25. ^ KAKEN 太陽光励起レーザーの効率向上のための複合的非結像集光技術の開発
  26. ^ 日本機械学会 動力エネルギーシステム部門 部門賞贈賞者、部門一般表彰者一覧
  27. ^ レーザ加工学会 優秀ポスター賞受賞者
  28. ^ 東京工科大学 お知らせ
  29. ^ 東京工科大学 お知らせ