中村歌六 (5代目)
ごだいめ なかむら かろく 五代目 中村歌六 | |
屋号 | 播磨屋 |
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定紋 | 揚羽蝶 |
生年月日 | 1950年10月14日(74歳) |
本名 | 小川進一 |
襲名歴 | 1. 四代目中村米吉 2. 五代目中村歌六 |
俳名 | 紫琴、芝琴 |
出身地 | 東京都 |
父 | 二代目中村歌昇 |
兄弟 | 三代目中村又五郎 |
子 | 五代目中村米吉 |
当たり役 | |
『伊賀越道中双六』の平作、山田幸兵衛 『熊谷陣屋』の弥陀六 『鮓屋』の弥左衛門 『石切梶原』の六郎太夫 『逆艪』の権四郎 『夏祭浪花鑑』の釣船三婦 『ヤマトタケル』のタケヒコ | |
受賞 | |
松尾芸能優秀賞、 読売演劇大賞優秀男優賞 、芸術選奨文部科学大臣賞、日本芸術院賞 、紫綬褒章、人間国宝 | |
五代目 中村 歌六(ごだいめ なかむら かろく、1950年(昭和25年)10月14日[1] - )は歌舞伎役者。本名は小川 進一(おがわ しんいち)[1]。屋号は播磨屋。定紋は揚羽蝶、替紋は蔓片喰・歌六梅。俳名に紫琴、芝琴がある。
人物
[編集]二代目中村歌昇の長男。昭和30年(1955年)9月歌舞伎座『松竹梅湯島掛額』(お土砂)の小僧と『夏祭浪花鑑』「三婦内」「泥場」の倅市松で四代目中村米吉を襲名して初舞台。
米吉時代には親戚の時蔵や勘九郎(18世勘三郎)らとともに昭和44年から「杉の子会」と言う研究会を主催し歌舞伎の古典を学ぶ傍ら、浅利慶太に師事し劇団四季に参加するなど多岐に渡って活動した。
昭和56年(1981年)6月歌舞伎座『鬼一法眼三略巻』「一條大蔵譚」の一条大蔵卿で五代目中村歌六を襲名する。 以後は歌舞伎の他にも新劇に出演したり、三代目市川猿之助の一座を中心に活躍し、後述の播磨屋復帰後は副将格として吉右衛門一座に迎えられた。
猿之助一座に同座していた頃は副座主格として猿之助を助け、ほぼ全てのスーパー歌舞伎や復活狂言で重要な役回りを担って活躍した。『ヤマトタケル』のタケヒコなどがその代表的なものである。
近年では特に老役での活躍が目立ち、『夏祭浪花鑑』の釣船三婦や三河屋義平次、『伊賀越道中双六』の雲助平作、『義経千本桜』の弥左衛門、『梶原平三誉石切』の六郎太夫、『ひらかな盛衰記』の漁師権四郎、『女殺油地獄』の河内屋徳兵衛、『一谷嫩軍記』の弥陀六実ハ平宗清、『松浦の太鼓』の宝井其角、『伽羅先代萩』の渡辺外記、『三人吉三巴白浪』の土左衛門伝吉、『助六所縁江戸櫻』の髭の意休、『恋飛脚大和往来』の孫右衛門などの大役を務めることが多く、どれも舞台を引き締める好演として評価されている。
また新作歌舞伎でも『大川の隠居』の船頭友五郎、『竜馬がゆく〜立志編〜』の勝海舟、『高野聖』の親仁などで味のある演技を見せている。
女方では『伽羅先代萩』の八汐や栄御前、『金幣猿島郡』の如月尼などを得意とし、更には 三婆の一つである『盛綱陣屋』の微妙をも手掛けている。
平成22年(2010年)9月新橋演舞場「秀山祭九月大歌舞伎」の『伊賀越道中双六』(沼津)の雲助平作で、弟の三代目中村又五郎(当時・歌昇)と共に屋号を萬屋から播磨屋に戻した[3]。この「沼津」は、かつて初代中村吉右衛門の呉服屋十兵衛にその父・三代目中村歌六の雲助平作という配役を行っており、それを当代の吉右衛門と歌六がつとめ、播磨屋の芸の伝承を見せた。
2010年に長年の舞台生活と特に老役としての活躍が認められ、松尾芸能賞の演劇優秀賞を、2015年には第22回読売演劇大賞優秀男優賞[4][5]、芸術選奨文部科学大臣賞[6][7]を、2016年には日本芸術院賞[8]を、更には2018年春の褒章で紫綬褒章を受章[9]するなど、数多くの賞を受賞している。
2023年、重要無形文化財「歌舞伎脇役」の保持者として各個認定される(人間国宝)[10][11]。
叔父に萬屋錦之介、中村嘉葎雄、四代目中村時蔵。従兄弟に中村萬壽、二代目中村錦之助、二代目中村獅童がいる。
妻はロス・インディオスの二代目女性ボーカル・フローレスとして活動をしていた大岡恵子(おがわ恵子)[12][13]。 長男は女方として活躍する五代目中村米吉。
映画・テレビドラマ出演
[編集]- 柳生一族の陰謀(1978年) - 猿若雪之丞役
- 金曜プレステージ / 鬼平犯科帳スペシャル 盗賊婚礼(2011年9月30日、フジテレビ) - 勘助役
脚注
[編集]- ^ a b c 『読売年鑑2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.552
- ^ “会員一覧 | 伝統歌舞伎保存会”. www.kabuki.or.jp. 2020年10月30日閲覧。
- ^ 「歌六、歌昇の屋号が「播磨屋」へ ─新橋演舞場「秀山祭九月大歌舞伎」」『ニュースリリース(歌舞伎美人)』松竹、2010年7月13日。2022年2月16日閲覧。 「20歳の時(1971年)に、叔父の初代中村錦之助(1972年に萬屋錦之介と改名)らと供に萬屋に改名させていただきました。以来39年、萬屋として」by五代目歌六発言
- ^ 読売演劇大賞 [@pr_theatrical] (2023年2月23日). "<第22回優秀賞> 作品賞=「万獣こわい」「ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる」「HISTORY BOYS」「初萩ノ花」 男優賞=加藤武、中村歌六、中村倫也、橋本さとし (以下略)". X(旧Twitter)より2024年1月21日閲覧。
- ^ “第22回読売演劇大賞”. 歌舞伎役者 中村歌六 米吉オフィシャルサイト. 米吉ブログ|稲穂の会. 中村歌六・米吉事務所 (2015年2月28日). 2024年1月21日閲覧。
- ^ 「「芸術選奨文部科学大臣賞」に山下達郎さんら18人」『NHKニュース』2015年3月12日。2015年3月12日閲覧。
- ^ 「中村歌六に芸術選奨文部科学大臣賞」『歌舞伎 on the web』2015年3月13日。2015年3月14日閲覧。
- ^ “平成27年度日本芸術院賞授賞者の決定について”. 日本芸術院. 2020年1月26日閲覧。
- ^ “紫綬褒章受章者”. 時事ドットコム. 2018年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月26日閲覧。
- ^ 「名脇役の中村歌六、歌舞伎の人間国宝に「せがれ2人が号泣してくれて」家族、先輩役者に感謝」『』スポーツ報知。2023年10月15日閲覧。
- ^ 『文化審議会の答申(重要無形文化財の指定及び保持者の認定等)』(プレスリリース)文化庁、2023年7月21日 。2024年2月21日閲覧。及び解説 (PDF)
- ^ “Artist”. Posi-Cas. 2021年1月26日閲覧。
- ^ “スパリブは歌舞伎界でも大好評!! | WINE WHAT online”. www.wine-what.jp(2018年12月20日). 2021年1月26日閲覧。