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中村壱太郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
なかむら かずたろう
中村 壱太郎
屋号 成駒家
定紋 寒雀の中に壱
生年月日 (1990-08-03) 1990年8月3日(34歳)
本名 林 壱太郎
襲名歴 1. 中村壱太郎
別名 吾妻 徳陽(日本舞踊吾妻流七代目家元)
春虹(狂言脚本執筆、演出)
出身地 日本の旗 日本東京都
祖父 四代目坂田藤十郎
祖母 扇千景
四代目中村鴈治郎
二代目吾妻徳穂
公式サイト 中村壱太郎 Official Website

中村 壱太郎(なかむら かずたろう、1990年8月3日 - )は、歌舞伎役者屋号成駒家[1]定紋は寒雀の中に壱。
日本舞踊吾妻流の七代目家元・吾妻 徳陽(あづま とくよう)。本名は林 壱太郎(はやし かずたろう)。東京都出身。

人物

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歌舞伎役者の中村智太郎(当時。現在の四代目中村鴈治郎)と日本舞踊吾妻流六代目家元の吾妻徳彌(現在の二代目吾妻徳穂)の長男として生まれる。父方の祖父は人間国宝四代目坂田藤十郎、祖母は元宝塚女優でのちに参議院議長を務めた扇千景

松濤幼稚園を経て、幼稚舎から慶應義塾に通い[2][注釈 1]慶應義塾大学総合政策学部卒業。

1991年(平成3年)11月、京都南座で『廓文章』の藤屋手代で初お目見得。1995年(平成7年)1月、大阪中座で行われた「五代目中村翫雀三代目中村扇雀襲名披露興行」で『嫗山姥こもちやまんば』の一子公時きんときで初代中村壱太郎を名のり初舞台。2014年(平成26年)9月、母の吾妻流三世宗家襲名と同時に吾妻徳陽として七代目家元を襲名した。

各種お稽古事で今も続けているのは次の通り。 ①鳴物:藤舎千穂、②長唄三味線八代目松永忠五郎(※2011年当時,過去の履歴は語られなかった)[3]

2016年、アニメ映画『君の名は。』のヒロインとその妹が舞う巫女舞の創作を担当した。また2018年には、YouTube都営交通公式チャンネルが発表した都営地下鉄浅草線の新型車両登場記念動画「KABUKI UNDERGROUND」に出演した。新型車両である5500形は、車両デザインに歌舞伎の隈取をイメージしたデザインが採用されたためで、動画内では獅子を演じた[4]

2020年5月22日、新型コロナウイルス感染症流行で歌舞伎座等の舞台公演が当面の間中止となった為、かずたろう歌舞伎クリエイション〈Kabuki Creation〉という公式ユーチューブチャンネルを開設して、創作舞踊や自身が行っている歌舞伎化粧等を配信している。

2020年7月12日には、PIA LIVE STREAMとStreaming+(チケットぴあイープラスによるストリーミング配信サービス)による配信ライブの形で「中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎」の公演を行った[5]。この公演は好評を得て、同年12月20日にミュージックライブ生配信と公演のリピート配信が行われた[6]。また海外では、同年11月28日にロシアで開催されたイベント「J-FEST AUTUMN 2020 ONLINE FESTIVAL」の詳細作品として2回の特別配信をしており[7]

2021年2月15日 - 3月14日の1か月間にマドリード国際交流基金スペイン語圏での配信を行った[8][9]

2021年4月にパナソニック8K作品のテーマとして選出され「ART歌舞伎 -自らの存在価値を求めて」が新たに製作され公開された[10] ほか、同年1年5月に自ら監督・演出にて、映画「中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎 花のこゝろ」(2020年配信公演の内容)として劇場公開された[11]。映画作品は同年8月にカナダで行われる第25回ファンタジア国際映画祭で上映されることが決定している[12][13]

2020年8月14日放送のNHKEテレにっぽんの芸能」では、松本幸四郎、尾上右近とともに制作した「紙芝居歌舞伎」が放送されている[14]

若手の歌舞伎役者仲間で趣味の「歌舞伎ダーツクラブ」を作っている。リーダーは、二代目中村勘太郎(のち六代目中村勘九郎)。メンバーは、四代目中村梅枝二代目尾上松也四代目中村種太郎(のち四代目中村歌昇)・中村壱太郎・坂東新悟など(※2010年当時)[15]

家族・親族

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略歴

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出演

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テレビ

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ラジオ

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舞台

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映画

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  • 「中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎 花のこゝろ」(Atemo・ROJI、2021年5月公開)

配信公演

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  • 中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎
    • 配信公演・アーカイブ配信(2020年7月12日、同年7月13日 - 19日)[21]
    • J-FEST AUTUMN 2020 ONLINE FESTIVAL(ロシア、2020年11月28日)[7]
    • リピート配信・ART歌舞伎 Music Live 2020 in Kyoto(2020年12月20日)[6][21]
    • 国際交流基金マドリード日本文化センター(スペイン語ポルトガル語、2021年2月15日 - 3月15日)[8]

脚注

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注釈

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  1. ^ 『演劇界』発行の『歌舞伎俳優名鑑』では学歴項目は「最終学歴」と説明されているが、各役者に毎回アンケート方式で回答されたものを可能な限り原文ままにしているとも記述がある。

出典

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  1. ^ 小玉祥子 (2015年1月26日). “『傾域反魂香』『連獅子』四代目中村鴈治郎”. 歌舞伎美人. ようこそ歌舞伎へ. 松竹. 2023年7月6日閲覧。「我が家には成駒家を名のった時期があることを知りました。成駒屋に遠慮して『家』にしたのではないかと思います。私もいい意味で、江戸の成駒屋と区別したい。『家』を使っていた時代があったのですから、また戻してもいいと思いました。それで、襲名を機に一門で『成駒家』といたしております。」「時間をかけて壱太郎の代ぐらいに定着すればいいと思っております。」
  2. ^ 月刊演劇界・平成21年5月号特別付録『最新歌舞伎俳優名鑑』P.43より:身長1.68m、体重59kg、血液型O型、学歴"松濤幼稚園卒園、慶應義塾大学付属幼稚舎卒業、慶應義塾中等部卒業、慶應義塾高等学校卒業、慶應義塾大学在学中"と記載。|演劇出版社,2009年5月1日発行,第67巻第5号
  3. ^ “第4回 中村壱太郎(芸の眼差し、遊の素顔)”. 歌舞伎美人 (松竹株式会社). (2011年1月7日). https://www.kabuki-bito.jp/special/actor/tepco-manazashi/post-manazashi-52/ 2022年2月15日閲覧。 
  4. ^ 浅草線の新型車両「5500形」6月30日(土)デビュー!”. 東京都交通局. 東京都交通局 (2018年5月23日). 2022年2月10日閲覧。
  5. ^ 「中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎」の配信決定~「伝統芸能」と「映像技術」と「アートデザイン」が融合した美しき歌舞伎舞踊の世界”. SPICE(スパイス)|エンタメ特化型情報メディア スパイス (2020年6月17日). 2022年2月10日閲覧。
  6. ^ a b 12月20日にミュージックライブ生配信&リピート配信を開催!”. ART歌舞伎 (2020年12月1日). 2021年9月11日閲覧。
  7. ^ a b 初の海外上映!ロシアでのオンライン上映が決定!”. ART歌舞伎. ART歌舞伎 (2020年11月21日). 2021年9月11日閲覧。
  8. ^ a b ART歌舞伎 [@artkabuki_] (2021年1月30日). "<NEWS>#マドリード国際交流基金 にて、#ART歌舞伎 のオンライン上映が決定いたしました! 2021年2月15日〜3月14日の1ヶ月間、スペイン語圏でご視聴いただけます🇪🇸". X(旧Twitter)より2021年9月11日閲覧
  9. ^ Avance: ArtKABUKI podrá verse online de la mano de Fundación Japón, Madrid” (スペイン語). FUNDACIÓ JAPÓN. 国際交流基金 - Japan Foundation. 2022年2月10日閲覧。
  10. ^ ART歌舞伎 -自らの存在価値を求めて-”. チャンネル パナソニック - パナソニックの動画ポータルサイト. パナソニック (2021年3月30日). 2022年2月10日閲覧。
  11. ^ 映画『中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎 花のこゝろ』予告編が解禁”. SPICE(スパイス)|エンタメ特化型情報メディア スパイス (2021年4月16日). 2022年2月10日閲覧。
  12. ^ ART歌舞伎”. ART歌舞伎. 2021年8月10日閲覧。
  13. ^ Fantasia Festival | Art Kabuki” (英語). Fantasia Festival. 2021年8月10日閲覧。
  14. ^ にっぽんの芸能「鶴澤清治の芸~いとうせいこうと聴く義太夫~」”. にっぽんの芸能. NHK. 2020年8月15日閲覧。
  15. ^ “第3回 中村梅枝(芸の眼差し、遊の素顔)”. 歌舞伎美人 (松竹株式会社). (2010年12月9日). https://www.kabuki-bito.jp/special/actor/tepco-manazashi/post-manazashi-51/ 2022年2月15日閲覧。 
  16. ^ 壱太郎が吾妻流七代目家元襲名披露”. 歌舞伎総合サイト 歌舞伎美人. 松竹 (2014年8月28日). 2021年12月14日閲覧。
  17. ^ 会員一覧”. 伝統歌舞伎保存会. 一般社団法人 伝統歌舞伎保存会. 2021年12月14日閲覧。 “第十五次認定 平成30年9月25日 芸名:中村 壱太郎(初世)”
  18. ^ 乃木坂46久保史緒里:単独で舞台初挑戦 「夜は短し歩けよ乙女」が6月上演へ 歌舞伎界の“若きプリンス”中村壱太郎と共演”. MANTANWEB(まんたんウェブ). MANTAN (2021年4月9日). 2021年4月9日閲覧。
  19. ^ 乃木坂久保史緒里と中村壱太郎ダブル主演で舞台「夜は短し歩けよ乙女」”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツNEWS (2021年4月9日). 2022年2月10日閲覧。
  20. ^ IMPACTors影山拓也&Lil かんさい嶋崎斗亜、古典×現代劇の新作舞台『波濤を越えて』に挑戦”. ORICON NEWS. oricon ME (2022年8月16日). 2022年8月16日閲覧。
  21. ^ a b ART歌舞伎 開催情報”. ART歌舞伎 (2021年7月30日). 2021年8月10日閲覧。

外部リンク

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先代
吾妻徳彌
日本舞踊吾妻流家元
7代目: 2014 -
次代
-