七時雨山
七時雨山 | |
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七時雨山を北西から(八幡平市安代荒屋地区) | |
標高 | 1,063 m |
所在地 | 岩手県八幡平市 |
位置 | 北緯40度4分16秒 東経141度6分30秒 / 北緯40.07111度 東経141.10833度座標: 北緯40度4分16秒 東経141度6分30秒 / 北緯40.07111度 東経141.10833度 |
山系 | 七時雨火山 |
種類 | 溶岩ドーム(七時雨山峰)[1] |
プロジェクト 山 |
七時雨山(ななしぐれやま)は、岩手県の北西部に位置する山。標高1,063 m[2]。八幡平市にあり、新日本百名山や東北百名山に選ばれている。
概要
[編集]日に天候が七回も変わることが山名の由来といわれる[2]。
七時雨山峰は約110万 - 90万年前に活動した七時雨火山を構成する溶岩ドームである。七時雨山火山の中心部には
七時雨火山は活動をすでに終えているいわゆる死火山であるが、1823年(文政6年)、1933年(昭和8年)、1935年(昭和10年)に鳴動の記録がある[3]。
山麓は古くから、南部馬の産地となっており[4]、現在でも酪農が盛んである。また、水沢競馬場では七時雨賞が設けられている。
中世の交通
[編集]七時雨山峰の南面の山腹を流霞道[4]といわれる陸奥北部と出羽北部を結んだ横断路が通っていたことが三代実録に記述されており、ナガレカスミ道、ナガレシグレ道、リュウガドウなどの様々な読み方をされていた。
江戸時代には、西麓を盛岡から平舘、寺田、荒屋、田山、米代川水系沿いに花輪まで続く街道の鹿角街道が通っていた。南西側の中腹には難所である車之走峠があったが、江戸期には尾去沢鉱山の輸送路として御銅山道と呼ばれ、盛岡を結ぶ最短ルートとして利用され、南麓の寺田は宿場として栄えた。
1790年(寛政2年)、10月1日高山彦九郎は荒屋村から峠を越え、寺田新田に宿泊した(『北行日記』)。「新町宿を出て七八町にして土橋を渡りて登る。七時雨といふ。大道1里半登りて1里半下る。頂上に鳥居あり。旅人の道を違えざる為とぞ。下りて新田。家六軒あり。頂より暮れて新田作右衛門なるものに宿りを乞ふて宿す。新町より大道三里東南に来る。七時雨を越すときに風烈しく稀にある所の梢を見るに落葉してぞありける。日に七度時雨るるとて七時雨と名付けたりなん聞く」と記録している[5]。
登山
[編集]七時雨山は2つのピークがある。右上の写真では、右側が南峰(1,063 m)で、左側が北峰(1,060 m)である。一等三角点があるのが北峰で、山頂からは田代平高原や岩手山などを見渡すことができる。南峰には岩手山と同じ石の獅子頭の権現様がまつられており、姫神山や八幡平の山々も遠望できる。
登山口は3か所あり、いずれも日帰り登山が可能で、田代平放牧場の田代平登山口は駐車場、トイレが整備されており、西の高清水登山口には鹿角街道七時雨一里塚があり、南の西根寺田登山口はかつての鹿角街道である。
北側にある
ギャラリー
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田代平放牧場から見た北峰
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七時雨山北峰 一等三角点がある
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七時雨山南峰
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姫神山から望む
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七時雨山の麓から田代山を望む
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麓にある七時雨山荘
脚注
[編集]- ^ a b 照井一明「O-155 東北日本弧,七時雨火山の地質と層序(19.噴火と火山発達史,口頭およびポスター発表,一般講演)」『日本地質学会学術大会講演要旨』第2006巻第0号、2006年、120-、CRID 1390282680511117568、doi:10.14863/geosocabst.2006.0_120_2。
- ^ a b “七時雨山”. 岩手県観光協会. 2020年5月28日閲覧。
- ^ 村山磐『日本の火山 1 (千島・北海道・東北)』、大明堂、1978年、p.171-173
- ^ a b 「七時雨山」 。コトバンクより2016年10月8日閲覧。
- ^ 那須光吉『岩手の峠路 地図から消えた旧道』熊谷印刷出版部、2001年11月。ISBN 4-87720-255-2。
- ^ 岩手日報社出版部 編『岩手の里山を歩く 自然を楽しむ35座を紹介』岩手日報社、2004年4月。ISBN 4-87201-337-9。
参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 3(岩手県)、角川書店、1985年3月8日。ISBN 4040010302。
- 東北山岳写真家集団『東北百名山地図帳』山と渓谷社、2010年2月25日。ISBN 978-4-635-53056-9。
- 秋庭隆 編『日本地名大百科 ランド ジャポニカ』小学館、1996年12月20日。ISBN 4095231017。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 日本の火山 七時雨山 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
- 鹿角街道Web 七時雨山 - 八幡平市観光協会
- 『七時雨山』 - コトバンク
- 平成11年度 教育研究: 身近な自然に科学的関心を高める探究活動の在り方に関する研究 -七時雨火山地質図の作製とその教材開発を中心に- - 岩手県立総合教育センター