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ロックウェル・コリンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Rockwell Collins, Inc.
元の種類
子会社
業種 航空機産業、防衛産業
その後 ユナイテッド・テクノロジーズによる買収により、UTC Aerospaceと合併してen:Collins Aerospaceの一部となる
後継 en:Collins Aerospace
設立 2001年 (23年前) (2001)
創業者 en:Arthur A. Collins
解散 2018年11月27日 (2018-11-27)
本社 アメリカ合衆国アイオワ州シーダーラピッズ
製品 アビオニクスラジオ
売上高 増加US$6.822 billion (2017)[1]:28
営業利益
増加US$1.102 billion (2017)
利益
減少US$705 million (2017)
従業員数
31,200 (2018)[2] (2017)
ウェブサイト www.rockwellcollins.com ウィキデータを編集

ロックウェル・コリンズ (Rockwell Collins) は、かつて存在したアメリカ合衆国多国籍企業である。本社はアイオワ州シーダーラピッズに置かれていた。アビオニクスおよびITサービス政府機関航空機メーカーに提供していた。

元々はコリンズ・ラジオ・カンパニー (Collins Radio Company) として設立されたが、経営難に陥った後にロックウェル・インターナショナルによって1973年に買収された。2001年に、ロックウェル・インターナショナルのアビオニクス部門がスピンオフされ、ロックウェル・コリンズ (Rockwell Collins, Inc.) となった。さらに2018年11月27日にユナイテッド・テクノロジーズ (UTC) に買収されて、傘下のen:Collins Aerospaceの一部となった。

歴史

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1933年、en:Arthur A. CollinsによってCollins Radio Companyとしてアイオワ州シーダーラピッズに設立された。当初は短波ラジオ機器およびAMラジオ機器の設計と製造を行っていた。また、AMラジオ放送局に加え、軍や科学コミュニティからの特注機器の製造も行っていた。コリンズは1933年の海軍少将リチャード・バードによる南極探検の通信リンクを確立するための機器も製造した。

1936年、コリンズは12Hオーディオコンソール、12X携帯フィールド・アナウンサー用ボックス、300E & 300F放送送信機の製造を開始した。第二次世界大戦中は12Hに代わって212A1および212B1を製造した。その性能の高さから、コリンズは軍の電波通信およびナビゲーション機器の主要サプライやであった。

第二次世界大戦後、コリンズ・ラジオは通信機器のあらゆる分野に進出するようになった。新しい事業は、航空管制システム、電波通信機器、衛星電話機器、そしてアメリカの宇宙開発のための通信機器などである。コリンズは、マーキュリー計画ジェミニ計画アポロ計画において、宇宙飛行士が地上局と通話するための通信機器を開発・製造した。また、1973年のスカイラブ計画でもコリンズ製の通信機器が使われた。

Rockwell Collins

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Rockwell Collins avionics demonstrator aircraft

経営難の後の1973年、ロックウェル・ラジオはロックウェル・インターナショナルによって買収された。2001年、アビオニクス事業はロックウェル・コリンズとしてロックウェル・インターナショナルからスピンオフした。これ以降、ロックウェル・コリンズは軍および商用のアビオニクス専業会社となり、通常の電波受信機からは撤退した。しかし、メカニカルフィルタの製品は航空機向け以外にも販売された。

2000年12月より、商用アビエーション製品の販売をメルコスール諸国にも拡大した[3]

2010年の時点で、従業員は20,000人以上[4]、年商は46億6500万ドルであった。

ユナイテッド・テクノロジーズによる買収

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2017年9月4日、ユナイテッド・テクノロジーズは$300億で買収することを発表した[5]。この買収は2018年11月26日に完了した[6]

製品

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放送送信機

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AM/FMラジオ放送局向けの送信機

短波送信機

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受信機

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  • 75A-1, 75A-3, 75A-4 (75Aシリーズ)
  • 51J-1, 51J-2, 51J-3, 51J-4
コリンズR-390Aラジオ受信機
  • R-390 (.5–30 MHz), R-389, R-391, R-390A[11]
  • 75S-1, 75S-3 (and -3A, -3B and -3C) (75Sシリーズ)
  • 51S-1
  • 51Jシリーズ
  • 651S-1

送信システム

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  • 32S-1, 32S-3, 30S-1, 30L-1, 62S-1
  • KWM-1, KWM-2, KWM-380
Collins S/Line – 516F-2電源、75S-3B受信機、32S-3送信機、312B-4コンソール、SM-1マイク(1969年)
Collins 30L-1アンプ(1970年)

コンピュータ

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  • C-System computerized message switching equipment
  • イントラネット
  • 回路基板や組み立てのための設計データのストレージ

サプライチェーンや組み立て、メンテナンスの自動化を図ろうとしていた。これらの製品は先進的であったが、ビジネスとしてはうまくいかず、経営難を引き起こす原因となった。

ネットワーク送信機システム

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1991年にアルカテルに売却された[12][13][14]

In-Flight Entertainment System

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旅客機の座席エンターテイメントシステム。競合他社は、パナソニック アビオニクスタレス・グループ、そしてジェットブルー航空の子会社en:LiveTV

買収企業

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事業部門

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ロックウェル・コリンズは以下の5つの事業部門により構成されていた:

  • Commercial Systems (CS) - 航空会社および商用航空機メーカーにナビゲーション、通信、バーチャル・リアリティ・ディスプレイ、オートパイロットや自動着陸などのコクピットシステム、キャビン内のエンターテイメントシステムなどを提供している。
  • Government Systems (GS) - 主にアメリカ政府および軍、そしてアメリカの同盟国向けの航空機器を提供している。サプライヤーとして関わったプロダクトには、en:Common Avionics Architecture System (CAAS), Joint Tactical Radio System (JTRS), en:Tactical Targeting Network Technology (TTNT), Defense Advanced GPS Receiver (DAGR), and Future Combat Systemsなどがある。
  • International and Service Solutions (I&SS) - 各International Business (IB) 部門で構成されている。海外向けのセールス、エンジニアリング、ヒューマン・リソース、カスタマー・サポート、プロダクト・トレーニングなどの部門がある。CSとGS部門にサービスを提供する。
  • Information Management Services (IMS)
  • Interior Systems (IS)

Donald R. Beall Advanced Technology Center

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Donald R. Beall Advanced Technology Center (ATC) はロックウェル・コリンズの研究開発部門である。将来のビジネスの成長につながる技術や製品の研究開発を行う。以下の三つの部門からなる:Advanced Radio Systems, Communications and Navigation Systems, and Embedded Information Systems

コレクター・コミュニティ

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コリンズのアマチュア無線機器は、ビンテージ製品コレクターの間で人気が高いブランドの一つである。マニアによるサークルやウェブサイト、インターネット掲示板が活発なブランドである。Collins Collectors Association (CCA)[25]とCollins Radio Association (CRA)[26]がそのようなマニア組織の一例である。またコリンズ愛好家ユーザーグループはミートアップやフェス、無線通信によるディスカッション会なども活発に行っている。

関連項目

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脚注

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  1. ^ Rockwell Collins Annual Report 2017”. 2020年6月1日閲覧。
  2. ^ Rockwell Collins”. Fortune 500 (30 September 2018). 19 July 2019閲覧。
  3. ^ Rockwell Collins expands services to Mercosul”. 2020年6月1日閲覧。
  4. ^ Rockwell Collins Inc”. Hoover's Inc. 2011年10月18日閲覧。
  5. ^ "United Technologies To Acquire Rockwell Collins For $30 Billion" (Press release). PR Newswire. 4 September 2017.
  6. ^ "United Technologies Announces Intention to Separate Into Three Independent Companies; Completes Acquisition of Rockwell Collins" (Press release). PR Newswire. 26 November 2018.
  7. ^ Albert D. Helfrick (2004). Electronics In The Evolution Of Flight. Texas A&M University Press. pp. 60–. ISBN 978-1-58544-413-7. https://books.google.com/books?id=EumPJQBViz4C&pg=PA60 
  8. ^ U.S. Coast Guard Cutter Courier. United States Coast Guard. 2010-06-04. URL:http://www.uscg.mil/history/webcutters/Courier_WAGR410_Photos.asp. Accessed: 2010-06-04. (Archived by WebCite at https://webcitation.org/5qEcH1yCd)
  9. ^ Voice of America Broadcasts From Coast Guard Cutter”. Modesto Radio Museum. 16 November 2010閲覧。
  10. ^ W0YVA Web Site, “Collins KW-1 Registry”
  11. ^ r390a.com”. 27 September 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。3 July 2015閲覧。
  12. ^ Alcatel-Lucent Company History”. 2013年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月1日閲覧。
  13. ^ “New York Times coverage of Rockwell unit sale”. The New York Times. (13 July 1991). https://www.nytimes.com/1991/07/13/business/company-news-rockwell-to-sell-unit-to-alcatel.html 
  14. ^ CGE acquires Rockwell”. 2020年6月1日閲覧。
  15. ^ “ROCKWELL TO BUY SONY TRANS COM”. The Wall Street Journal. オリジナルの2015年2月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150208034632/http://online.wsj.com/public/page/news-global-world.html 2017年3月14日閲覧。 
  16. ^ “Rockwell Collins Acquires Sony Trans Com”. Aviation Week. (1 June 2000). https://aviationweek.com/awin/rockwell-collins-acquires-sony-trans-com-0 19 July 2019閲覧。 
  17. ^ Rockwell Collins buys NLX -- Washington Technology”. 3 July 2015閲覧。
  18. ^ Rockwell Collins completes purchase of Athena Technologies”. Sioux City Journal.com. 2015年6月9日閲覧。
  19. ^ “Rockwell Collins completes acquisition of Air Routing International”. (4 January 2010). http://www.rockwellcollins.com/sitecore/content/Data/News/2010_Cal_Yr/RC/FY10RCNR10_April_Rain_acquisition_Complete.aspx 
  20. ^ “Rockwell Collins expands Ascend™ flight information solutions offering with acquisition of CTA”. (10 January 2011). http://www.rockwellcollins.com/sitecore/content/Data/News/2011_Cal_Yr/RCI/RCNR11_Ascend_flight_information_solutions_offering.aspx 
  21. ^ “Rockwell Collins completes acquisition of ARINC Incorporated”. (23 December 2014). http://www.rockwellcollins.com/sitecore/content/Data/News/2013_Cal_Yr/RC/FY14RCNR13-ARINC-close.aspx 
  22. ^ Rockwell Collins Acquires ARINC for $1.4 Billion”. Avionics International (26 Dec 2013). 19 July 2019閲覧。
  23. ^ “Rockwell Collins completes acquisition of B/E Aerospace”. (13 April 2018). https://www.rockwellcollins.com/Data/News/2017-Cal-Yr/RC/FY17RCNR25-BEAV-Close.aspx 
  24. ^ B/E Aerospace Form 8-K”. U.S. Securities and Exchange Commission (April 13, 2017). 2020年6月1日閲覧。
  25. ^ Collinsradio”. 3 July 2015閲覧。
  26. ^ Home”. 3 July 2015閲覧。

参考文献

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外部リンク

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  • ウィキメディア・コモンズには、ロックウェル・コリンズに関するカテゴリがあります。
  • 公式ウェブサイト
  • Rockwell Collinsのビジネスデータ:
  • The Collins Radio Company records are housed at the University of Iowa Special Collections & University Archives.
  • Rockwell Collins Museum
  • Collins equipment catalogs and manuals
  • Collins Signal product bulletin publications
  • Collins Pulse archived company newsletters