ミヤマザクラ
ミヤマザクラ | |||||||||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2015年5月
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分類(クロンキスト体系) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Cerasus maximowiczii (Rupr.) Kom. (1932)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ミヤマザクラ(深山桜)[4][5] |
ミヤマザクラ(深山桜[6]、学名: Cerasus maximowiczii)は、バラ科サクラ属の落葉高木[4][5][7]。高地から亜高山にかけて生え、他のサクラよりも花期が遅く深山に咲く。別名、シロザクラ[4]。
名前の由来
[編集]和名は、深山に生える桜、深山桜の意で、種小名は、ロシア人で東亜植物研究者のカール・ヨハン・マキシモヴィッチへの献名[5]。中国名は黑櫻桃[1]。
分布
[編集]日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し[6]、山地の上部から亜高山帯下部に生育し、北国や標高の高いところに多い。蛇紋岩地帯や石灰岩地帯にも生育する。国外では、朝鮮半島、中国大陸東北部、ウスリー、サハリンに分布する[4][7]。
特徴
[編集]落葉広葉樹の高木。幹の高さは5 - 10メートル (m) 、径は40センチメートル (cm) になる。大きいものでは高さ15 m、径60 - 90 cmに達する。樹皮は灰紫褐色から紫褐色で、サクラ類特有の横に長い皮目が並ぶ[6]。新しい枝は白っぽく、褐色の伏した毛がやや密に生え、2年枝は灰褐色で、白色のふくらんだ皮目が点在する[6]。
葉は互生し、葉柄は長さ10 - 15ミリメートル (mm) になり褐色の毛を密生させる。葉身は長さ4 - 7 cm、幅2.8 - 4.5 cmの倒卵状長楕円形で、先端は尾状に鋭くとがり、基部は広いくさび形または切形となり、基部に1対の蜜腺がある。葉の表面は光沢がなく、斜上する毛がまばらに生え、裏面は脈上に伏した毛が生える。縁は鋭い2重鋸歯になり、先端は腺になる[4][5][7]。
花期は5 - 6月上旬[6]。花は葉が完全に展開した後に咲き、側枝の先に長さ4 - 8 cmの総状花序をつけ4 - 8個の花がつき、花序軸には褐色の毛が密生する。花序に葉状の苞があり、苞は卵状で長さ約7 mmになり、歯牙があり、花後も宿存して目立つ。花は径1.5 - 2 cmで、白色の5弁花、花柄は長さ1 - 2.2 cmで褐色の毛が密生し、花弁は広楕円形で先は円形、長さ6 - 8 mmになり花時には水平に開く。萼筒は長さ約3.5 mmの鐘形で伏毛があり、萼は5裂し裂片は長楕円形で先はとがり、長さ2.5 - 3 mmになり縁に鋸歯がある。雄蕊は34 - 38個あり、長さ約10 mmになり、花糸には毛がない。花柱は雄蕊と同じ長さ。
果実は径約9 mmの球形の核果で、紅紫色で7 - 8月には黒紫色に熟す[6]。完熟しても果肉は苦い[4][5][7]。
冬芽は互生し、卵形で先が尖り茶褐色をした鱗芽で、7 - 10枚の芽鱗に包まれている[6]。花芽は葉芽よりも丸みがある[6]。側芽は枝に互生する[6]。葉痕は半円形や三日月形で、維管束痕が3個つく[6]。
ミヤマザクラ群
[編集]ミヤマザクラ群の種は、葉が完全に展開した後に花が咲く。ミヤマザクラ群の分布の中心は、中国大陸南西部であり、四川省から雲南省にかけた地域に5種ほど分布する。ミヤマザクラ群の特徴は、花序が総状につき、花弁の先が円く、凹状に切れ込まないこと、葉状の苞が果期まで残ることなどである。日本に分布するのは、このミヤマザクラ1種のみである[4]。
脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cerasus maximowiczii (Rupr.) Kom. ミヤマザクラ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月11日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Prunus maximowiczii Rupr. ミヤマザクラ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月11日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Padus maximowiczii (Rupr.) Sokolov ミヤマザクラ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g 茂木透 写真ほか 2000, pp. 526–529
- ^ a b c d e 牧野富太郎 原著ほか 2008, pp. 310, 1336
- ^ a b c d e f g h i j 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 174
- ^ a b c d 佐竹義輔ほか 編 1989, p. 192
参考文献
[編集]- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、174頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 佐竹義輔ほか 編『日本の野生植物 木本I』平凡社、1989年2月。ISBN 4-582-53504-6。
- 茂木透 写真、高橋秀男・勝山輝男 監修『樹に咲く花:離弁花 1』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑 3〉、2000年4月。ISBN 4-635-07003-4。
- 牧野富太郎 原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男 編『新牧野日本植物圖鑑』北隆館、2008年11月。ISBN 978-4-8326-1000-2。
- The Plant List