マダム
マダム(Madame, 略記: Mme.)は、フランス語で、既婚女性(あるいは地位の高い女性や年長の女性、あるいは女性全般)に対する敬称または呼びかけである。口語では、冠詞を伴い「婦人」の意味にも使われる (la madame)[1]。
男性へのムッシュ (Monsieur, M.)、未婚女性へのマドモワゼル (mademoiselle, Mlle.) に相当する語である。
英語のミセス (Mrs.) に当たるが、女性の未既婚を区別しない場合にも使われ、すなわちミズ (Ms.) に当たる語でもある。
語源
[編集]語源は「ma + dame」で、「私の (ma) 婦人 (dame)」という意味である。
異形
[編集]複数形はメダム (Mesdames, Mmes.)。ただし、「婦人」の意味での複数形は、発音は同じマダム (madames) である[1]。
英語では Madam の語形もある(複数形は同じ)そのほか、縮約形のマム (Ma'am) がよく使われる。これは男性へのサー (Sir) に相当する語でもある。
用法
[編集]フランス語
[編集]本来は、原則として既婚女性に対し使う。姓の前に使うか、単独で呼びかけに使う。いずれにせよ冠詞は用いない。
職業や地位に対して使う場合は(例: Mme. la Presidente = 会長)、未既婚を問わない[1][2]。なおこの用法では、男性名詞に使うこともある(例: Mme. le professeur = 教授)[1]。
フランスの行政文書では2012年以来、マドモワゼルは廃止され、女性全般に対しマダムを使う[3]。
英語
[編集]つづりは Madam が普通で、フランス語の Madame と同様に、姓につけたり、呼びかけに使ったり、地位につけたり(この場合、未既婚を問わない)する。
Madame は、英米人以外、特にフランス人に対して使う[4]。
不特定の女性宛の手紙の書き出しとして、「Madam」や「Dear Madam」を使う[4]。なお、これが男性宛なら「Sir」や「Dear Sir」である(「拝啓」に相当)。
イギリス女王に手紙を書く場合、最初に「Your Majesty」で始めた後は「ma'am」を使う[5]。
マダムを冠す主な人物
[編集]- タイトルに「マダム」を含むページの一覧
- 実在
- 架空
脚注
[編集]- ^ a b c d 『クラウン仏和辞典』三省堂 第2版 (1983)「madame」
- ^ 『パスポート初級仏和辞典』白水社 初版 (1991)「madame」
- ^ 消える「マドモワゼル」、フランスの行政文書で使用禁止に | 世界のこぼれ話 | Reuters ロイター 2012-02-24(2014-09-21 閲覧)
- ^ a b 『リーダーズ英和辞典』研究社 初版 (1984)「madam」
- ^ How to Address The Queen, Communicating with The Queen, The Royal Family, Forms Of Address | Debrett's - デブレット英国貴族年鑑(2014-09-21 閲覧)