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プロスペロー (衛星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
プロスペロー
Prospero
画像中央を右から流れる点がプロスペロー
画像中央を右から流れる点がプロスペロー
仮符号・別名 S/1999 U 3
Uranus XVIII
分類 天王星の衛星
発見
発見日 1999年7月18日[1][2]
発見者 マシュー・J・ホルマン
ジョン・J・カヴェラーズ
ブレット・J・グラドマン
ジャン=マルク・プティ
ハンス・ショル[1]
軌道要素と性質
平均公転半径 16,256,000 km[3][4]
離心率 (e) 0.4448[4]
公転周期 (P) 1978.29 日[4]
軌道傾斜角 (i) 164.04° (天王星の赤道面に対して)
151.97° (局所的なラプラス面に対して)
146.16° (黄道面に対して)[4]
天王星の衛星
物理的性質
平均半径 25 km[3]
表面積 7,853.98 km2[1]
体積 65,450 km3[1]
質量 8.5×1016 kg[5]
平均密度 1.3 g/cm3 (仮定値)[5]
表面重力 0.0063 m/s2
脱出速度 0.021 km/s
アルベド(反射能) 0.04 (仮定値)[5]
表面温度
最低 平均 最高
~65 K (推定)
Template (ノート 解説) ■Project

プロスペロー[6]またはプロスペロ[7] (Uranus XVIII Prospero) は、天王星の第18衛星である。

発見と命名

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発見報告と確定

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プロスペローは、1999年7月18日にジョン・J・カヴェラースらによるカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡を用いた観測によって発見された[8][9]。発見は9月4日に国際天文学連合のサーキュラーで公表され、S/1999 U 3 という仮符号が与えられた[8]。なお同じ7月18日には天王星の衛星セティボス (S/1999 U 1)、ステファノー (S/1999 U 2) も発見されているが、この2つの方が先に発見が公表されている[10]。また当初はこれら3つの衛星が確実に天王星の衛星であるという確証は得られず、ケンタウルス族の天体だとしても観測された位置を説明することができた[8]。しかし天王星の見かけの動きと似たケンタウルス族天体はそれまで発見されていなかったため、天王星の衛星である可能性は高いとされた[8]

命名

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発見報告後も継続的に観測が行われ、2000年には天王星の衛星であることが確実視された[11][12]。最終的に軌道が確定したことを受け、2000年8月21日にウィリアム・シェイクスピア戯曲テンペスト』の登場人物に因んで命名され、Uranus XVIII という確定番号が与えられた[13][14]

プロスペローという名前は、ウィリアム・シェイクスピア戯曲テンペスト』の主人公プロスペローに因んでいる。国政を顧みず魔法書ばかり読んでおり、大公にして魔導師となるが、政敵であるナポリ王アロンゾーと結託した自分の弟アントーニオーに国を乗っ取られ、娘のミランダと共に舞台の島に漂着する。

特徴

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プロスペローの軌道要素はシコラクスセティボスと類似しており、同じ力学的な集団に属していると考えられる。従って軌道要素の観点からは、これらの衛星は共通の起源を持つことが示唆される[1][15]。しかし観測されている表面の色には違いが見られ、色の観点からは異なる起源を持つ可能性もあるとされる[1]。プロスペローの色指数は B-V = 0.80、R-V = 0.39 と可視光では中間的 (灰色) でセティボスとは似ているが、淡い赤色を示すシコラクスとは似ていない[16]

出典

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  1. ^ a b c d e f In Depth | Prospero – Solar System Exploration: NASA Science”. アメリカ航空宇宙局 (2017年12月5日). 2019年1月17日閲覧。
  2. ^ Planet and Satellite Names and Discoverers”. Planetary Names. 国際天文学連合. 2015年1月11日閲覧。
  3. ^ a b Sheppard, Scott S.; Jewitt, David; Kleyna, Jan (2005). “An Ultradeep Survey for Irregular Satellites of Uranus: Limits to Completeness”. The Astronomical Journal 129 (1): 518–525. arXiv:astro-ph/0410059. doi:10.1086/426329. ISSN 0004-6256. 
  4. ^ a b c d Jet Propulsion Laboratory (2013年8月23日). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月25日閲覧。
  5. ^ a b c Jet Propulsion Laboratory (2015年2月19日). “Planetary Satellite Physical Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月25日閲覧。
  6. ^ 衛星日本語表記索引”. 日本惑星協会. 2019年3月9日閲覧。
  7. ^ 太陽系内の衛星表”. 国立科学博物館. 2019年3月9日閲覧。
  8. ^ a b c d Brian G. Marsden (1999年9月4日). “IAUC 7248: Prob. NEW Sats OF URANUS”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  9. ^ 天王星にまた新衛星”. 国立天文台・天文ニュース. 国立天文台 (1999年9月16日). 2019年1月17日閲覧。
  10. ^ Brian G. Marsden (1999年7月27日). “IAUC 7230: Prob. NEW Sats OF URANUS”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  11. ^ Brian G. Marsden (2000年3月24日). “IAUC 7385: S/1999 U 1, S/1999 U 2, S/1999 U 3”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  12. ^ Brian G. Marsden (2000年7月3日). “IAUC 7447: S/1999 U 3”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  13. ^ Daniel W. E. Green (2000年8月21日). “IAUC 7479: COMET C/2000 O3 (SOHO); C/2000 P1, C/2000 P2; Sats OF URANUS; EDITORIAL NOTICE”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月17日閲覧。
  14. ^ 天王星の衛星3個に命名”. 国立天文台・天文ニュース. 国立天文台 (2000年8月24日). 2019年1月17日閲覧。
  15. ^ Grav, Tommy; Holman, Matthew J.; Gladman, Brett J.; Aksnes, Kaare (2003). “Photometric survey of the irregular satellites”. Icarus 166 (1): 33–45. arXiv:astro-ph/0301016. doi:10.1016/j.icarus.2003.07.005. ISSN 00191035. 
  16. ^ Grav, Tommy; Holman, Matthew J.; Fraser, Wesley C. (2004-09-20). “Photometry of Irregular Satellites of Uranus and Neptune”. The Astrophysical Journal 613 (1): L77–L80. arXiv:astro-ph/0405605. Bibcode2004ApJ...613L..77G. doi:10.1086/424997.