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フウチョウ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フウチョウ科
オオフウチョウ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : スズメ亜目 Passeri
上科 : カラス上科 Corvoidea
: フウチョウ科 Paradisaeidae
和名
フウチョウ(風鳥)
ゴクラクチョウ(極楽鳥)
英名
Bird‐of‐Paradise

15属

フウチョウ科(フウチョウか、Paradisaeidae)は、鳥類スズメ目の科である。

フウチョウ(風鳥)と総称される。ゴクラクチョウ(極楽鳥)の別名でも知られるが、正式な和名としては採用されていない。 パプアニューギニアでは国鳥とされている[1]

特徴

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オーストラリア区熱帯に生息し、特にニューギニア島には多数の固有種が生息する。

雄の成鳥が美しい飾り羽を持ち、繁殖期に多彩な求愛ダンスを踊ることで知られる。雌の成鳥は地味な外見をしている。

名称

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16世紀、ヨーロッパに初めてオオフウチョウがもたらされた時各個体は、剥製にする際に交易用に翼と足を切り落とされた状態で運ばれていた。そのため、この鳥は一生枝にとまらず、風にのって飛んでいる bird of paradise (天国の鳥)と考えられた。また、その昔風をえさにしていたとされることから「風鳥」と名づけられた。

系統と分類

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カラス上科の中でフウチョウ科など7科が単系統を形成するが、それらの系統関係は不確実である。フウチョウ科・モズ科 Laniidaeオオツチスドリ科 Corcoracidae が単系統をなす[2]、もしくはフウチョウ科とカササギヒタキ科 Monarchidae が近縁である(ただしモズ科はサンプリングされていない)[3]とする説がある。

フウチョウ科は5つの系統に別れ、基底から順に A–E と仮称される[4]

オウギビタキ科 Rhipiduridae

カササギヒタキ科 Monarchidae

フウチョウ科
A

カラスフウチョウ Lycocorax

manucode

ナキカラスフウチョウ Phonygammus

テリカラスフウチョウ属 Manucodia

core birds‐of‐paradise
B

フキナガシフウチョウ Pteridophora

カンザシフウチョウ属 Parotia

C

ジュウニセンフウチョウ Seleucidis

カマハシフウチョウ属 Drepanornis

シロハタフウチョウ Semioptera

ウロコフウチョウ属 Ptiloris

カタカケフウチョウ Lophorina

D

オナガカマハシフウチョウ属 Epimachus

キヅノフウチョウ属 Paradigalla

オナガフウチョウ属 Astrapia

E

ヒヨクドリ Cicinnurus

ミノフウチョウ属 Diphyllodes

フウチョウ属 Paradisaea

モズ科 Laniidae

オオツチスドリ科 Corcoracidae

オウチュウ科 Dicruridae

カラス科 Corvidae

クロチメドリ属 Melampitta

伝統的なフウチョウ科は Mayr (1962) により2亜科に、あるいは3亜科に分けられてきた。しかしフウチョウモドキ亜科 Cnemophilinae とされたカンムリフウチョウモドキ属 Cnemophilusツノハシフウチョウモドキ Loboparadisea は大きく離れた別系統であり、フウチョウモドキ科 Cnemophilidae として分離された。

Mayr は残り全てをフウチョウ亜科 Paradisaeinae とした。ただし、manucode と総称されるテリカラスフウチョウ属 Manucodiaナキカラスフウチョウ Phonygammus をその基底群とし、独立したテリカラスフウチョウ亜科 Manucodinae とする説もあった。実際の系統ではそれらはカラスフウチョウ Lycocorax と共にフウチョウ科の基底群 Clade A を作る。

亜科分類に諸説ありフウチョウ科自体から外す説もあったハナガオフウチョウ Macgregoria は、系統的に大きく離れたミツスイ科 Meliphagidae に移された。

伝統的にはフウチョウ科に含まれないクロチメドリ属 Melampitta を、Sibley & Ahlquist (1987) はフウチョウ科(+フウチョウモドキ科)の基底だとした。実際はフウチョウ科とは別系統だが、そう遠くない系統位置にある[2]

フウチョウ科に含める説があったビロードムシクイ Lamprolia は、近縁なオウギビタキ科 Rhipiduridae に移された。

Sibley & Ahlquist (1990) ではフウチョウ族 Paradisaeini とされ(ただしフウチョウモドキ亜科・クロチメドリ属を含む)、カラス亜科に分類されていた。

属と種

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属と種は国際鳥類学会議 (IOC)[5]より。15属41種。

Clade A

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Clade B

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Clade C

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Clade D

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Clade E

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出典

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  1. ^ 日本画に鮮やか「最後の楽園」『朝日新聞』1979年(昭和54年)10月22日夕刊 3版 11面
  2. ^ a b Irestedt, M.; Fuchs, J.; et al. (2008), “The systematic affinity of the enigmatic Lamprolia victoriae (Aves: Passeriformes)―an example of avian dispersal between New Guinea and Fiji over Miocene intermittent land bridges?”, Mol. Phylogenet. Evol. 48: 1218–1222 
  3. ^ Norman, Janette A.; Ericson, Per G. P.; et al. (2009), “A multi-gene phylogeny reveals novel relationships for aberrant genera of Australo-Papuan core Corvoidea and polyphyly of the Pachycephalidae and Psophodidae (Aves: Passeriformes)”, Mol. Phylogenet. Evol. 52 (2): 488–497, http://www.nrm.se/download/18.2656c41712139f1fb5b80006027/Norman+et+al+2009+core+Corvoidea.pdf 
  4. ^ Irestedt, M.; Jønsson, K. A.; et al. (2009), “An unexpectedly long history of sexual selection in birds-of-paradise”, BMC Evol. Biol. 9: 235, http://www.biomedcentral.com/1471-2148/9/235 
  5. ^ Gill, Frank; Donsker, David, eds. (2010), “Vireos, crows, and allies”, IOC World Bird Names, version 2.5, http://www.worldbirdnames.org/n-vireos.html 

関連項目

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