トゥール (バンド)
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トゥール Tool | |
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USA.ヒューストン公演 (2010年6月) | |
基本情報 | |
出身地 |
アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス |
ジャンル |
オルタナティブ・メタル[1] アート・ロック プログレッシブ・メタル[1][2] プログレッシブ・ロック[2] オルタナティヴ・ロック[1][2] エクスペリメンタル・ロック[1] ヘヴィメタル[1] |
活動期間 | 1990年 - 現在 |
レーベル |
ズー・エンタテインメント Volcano Entertainment Tool Dissectional |
公式サイト | TOOL |
メンバー |
メイナード・ジェームス・キーナン (Vo) アダム・ジョーンズ (G) ジャスティン・チャンセラー (B) ダニー・ケアリー (Ds) |
旧メンバー | ポール・ダムール (B) |
トゥール(英: Tool)は、アメリカ合衆国出身のロックバンド。1990年代のロックにおけるダウナーな潮流から出現しながら、ネガティブな攻撃性とは異質なヘヴィネスを志向したサウンドが評価を受け、商業的な成功を獲得した。これまでに二度のグラミー賞を受賞している。
概要
[編集]ミュージックビデオやアルバムアート、ライブの特殊効果等の特異な映像表現、極端な寡作(ジャスティン加入以降はアルバム発表にそれぞれ五年前後のインターバルがある)、主にメイナードの特異な風体などから、現在においても独特の処遇を受けている。
ヘヴィメタル、ハードコア、スラッジ、ダーク・アンビエント、インダストリアル、民族音楽、ポストロックなど様々な要素の混在する、プログレ的とも形容される独自の音楽世界が特徴。
そのような音楽性の中でメルヴィンズ、キング・クリムゾン、ラッシュ、ヘルメット、フェイス・ノー・モア、ジェーンズ・アディクションといったバンドからの影響を公言している。
来歴
[編集]- ロサンゼルスにてアダム、メイナード、ダニー、ポールの4人で結成。
- ライブを行うようになる。一度行う毎に確実に客数が増していったといわれる。同年デモテープ『72826』をリリース(このテープの楽曲は後年リメイクされている)。
- メジャー・デビュー。1stEP『Opiate』をリリース。4曲目の「Cold and Ugly」と5曲目の「Jerk-Off」の2曲はデモテープにも収録されたレパートリーのライブ音源であるが、これはバンドを結成して最初に行ったライブを録音したものである。アルバムは当初、ニルヴァーナと比較された。
- ロリンズ・バンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、コローション・オブ・コンフォーミティ等とギグを行い、着実に人気を高める。
- 1stアルバム『Undertow』をリリース。ロラパルーザ'93に出演する。最初は小さなサイドステージで演奏を行っていたが、そのパフォーマンスが話題を高め、ツアーの途中からメインステージに格上げされた。そのツアー中にはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやアリス・イン・チェインズらと共演もした。
- ポールとの折り合いが悪くなったため彼を解雇し、オーディションを経て後任にジャスティンを迎える。ポールはその後Lusk、Replicants等のバンドでアルバムを製作する。音楽性はトゥールとは似つかぬポップな路線。Replicantsにはメイナードもヴォーカルで参加している。
- 2ndアルバム『Ænima』をリリース。全米初登場2位を記録する。Failure、メルヴィンズ等と、10月よりワールドツアーを行う。以前は馬の鬣のようなモヒカン頭をしていたメイナードが、このツアーよりスキンヘッドに。更にステージにおいて特異なパフォーマンスを行うようになり、ボディペイントや女装などの奇抜なファッションも取り入れていく。
- 4月でツアーを終え、夏にはロラパルーザ'97に出演をする。共演はコーンやプロディジー等。そのパフォーマンスは凄まじく、バンドはこの頃アメリカに於いて完全に神格化されていた。短期間だけの刊行となった日本のヘヴィーロック専門音楽雑誌GUSHのVol.2で、マシーン・ヘッドのロブ・フリンはトゥールの事を聞かれ、「Fucxxxxk'n God!! 神様的存在だからな!彼らは!」と答えた。
- 当時の所属レコード会社に契約上のトラブルから訴えられる。
- 勝訴した後にVolcano Entertainmentに移籍。Tool Dessectionalを立ち上げる。
- 途中ミニツアーを敢行、そしてOzzFest'98にも出演している。
- コーチェラ・フェスティバルに出演する。メイナードはこの年、親友のビリー・ハワードエルとア・パーフェクト・サークルを結成し、そちらのバンドもフェスに参加した。
- メイナードはア・パーフェクト・サークルでの活動を続ける。だがトゥールに関しての情報は一切流れなくなってしまい、解散説も囁かれた。そんな中突如、ライブCD『Salival』がリリースされる。
- 沈黙を破り、五年ぶりの3rdアルバム『Lateralus』をリリース。全米初登場1位を記録し、リリース後一週間で50万枚を売り上げる。そしてキング・クリムゾン、メシュガー、メルヴィンズ、Tricky等とワールドツアーに。途中7月30日にフジ・ロック・フェスティバル'01で初来日。メイナードは全身に青色のペインティングを施した姿で登場する。7曲目「Sober」の前に「自分自身に問いかけろ…」。8曲目「Parabola」の前に「ポジティブな何かを生み出せ。その気持ちを忘れるな…」そして最終曲(10曲目)Lateralusの前に「また会おう」と、日本のファンに再来日を約束。
- その言葉通り、4月に初の単独日本公演を行う。その後はメルヴィンズ、メシュガー、Tomahawk等とツアー。
- 前作と同じく5年振りに、4thアルバム『10,000 Days』をリリース。全米初登場1位。
- ワールドツアーを開始する。オープニングアクトにはアイシス、マストドン、Kinski等。このツアーよりメイナードの頭は再度モヒカンに。だが昔とは違い、髪はツンツンに立っている。途中8月12日と13日にサマーソニック06(ゼロシックス)で来日演奏。MCで2月の来日公演を予告する。
- サマーソニック06(ゼロシックス)での予告通り、2月に単独来日公演を行う。
- 8月2日、これまでリリースした4枚のアルバムのサブスクリプションを解禁する(同月発売の『Fear Inoculum』もリリース後に解禁)。
- 8月30日、実に13年振りとなる5thアルバム『Fear Inoculum』をリリース。全米初登場1位。
メンバー
[編集]現ラインナップ
[編集]- メイナード・ジェームス・キーナン(Maynard James Keenan、1964年4月17日 - ) - ボーカル (1990- )
- アダム・ジョーンズ(Adam Jones、1965年1月15日 - ) - ギター (1990- )
- イリノイ州生まれ。子供の頃からヴァイオリンを習い、ハイスクール時代はオーケストラでコントラバスを担当していた。
- 元オーディオスレイヴ/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロとはハイスクール時代の同級生で、Electric Sheepというバンドを結成していた。
- プレイスタイルは非常にヘヴィであり、ドローン的な「間」をもった、うねり、あるいはたゆたうようなサウンドそのものを主体とする。緻密にリズムを刻むオスティナートが非常に多く、ストレートなメロディやギタリストらしいソロはあまりみられないが、楽曲の世界観・アトモスフェアに非常に合致する、空間作りの巧みなプレイヤーである。
- 元々は映画の特殊メイクや特殊エフェクトデザインをする職についており、ジュラシック・パーク、プレデター、ターミネーターなどを手がけ、そこで静止画映像の撮影技術などを学んでいった。ライヴでの映像やプロモーションビデオ、アルバムジャケットなども全てアダムが手がけている。
- 「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第75位、2011年の改訂版では削除された。
- ダニー・ケアリー(Danny Carey、1961年5月10日 - ) - ドラムス (1990- )
- カンザス州パオラ生まれ。10歳頃からドラムを始める。
- カンサスシティの音楽芸術学校に通い、大学でも音楽を勉強していたが当時所属していたバンドのツアーを機に中退。ロサンゼルスに引っ越してきてメイナード達と出会う。
- トゥールの深く沈みこみつつうねるようなサウンドのボトムで、変拍子やポリリズムを多用した躍動感にあふれるドラミングを担う。
- レコード会社のデモテープを複製する仕事をしていた。
- Pigmy Love Circusという別バンドを立ち上げており、アルバムも発売している。またAPCのツアーでオープニング・アクトも務めた。
- ジャスティン・チャンセラー(Justin Chancellor、1971年11月19日 - ) - ベース (1995- )
- 2代目ベーシスト。イギリス出身。田舎育ちで羊飼いの仕事をしたのち、映画の仕事をするためにニューヨークへ渡米し、メンバーと出会い親密に。ポールの脱退を機にオーディションを受け、バンドに加入した。
- トゥールのヨーロッパ・ツアーでは彼の別バンド、Peachが前座を務めた。
- サッカーファンである。
- 非ベース的なメロディあるフレーズをエフェクトをかけて多用するプレイヤーであり、ベースでありながらもリードをとるような場面もあり、ギターと聴き紛うようなフレーズも多い。いわゆるメロディとは離れたスタイルのアダムとはちょうど対蹠的であり、彼のメロディアスなベースがトゥールにもたらした功績は大きい。
旧メンバー
[編集]ディスコグラフィ
[編集]アルバム
[編集]年 | タイトル | アルバム詳細 | チャート最高位 | 認定 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
US [5] |
AUS [6] |
CAN [7] |
FRA [8] |
GER [9] |
NLD [10] |
NZ [11] |
SWE [12] |
SWI [13] |
UK [14] | ||||
1993 | Undertow | 50 | 89 | 49 | — | — | 89 | 17 | — | — | — |
| |
1996 | Ænima | 2 | 6 | 3 | — | 75 | 75 | 1 | 53 | — | 108 | ||
2001 | Lateralus | 1 | 1 | 1 | 21 | 5 | 7 | 2 | 8 | 31 | 16 | ||
2006 | 10,000 Days | 1 | 1 | 1 | 7 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | ||
2019 | Fear Inoculum | 1 | 1 | 1 | 9 [28] |
2 | 3 | 1 [29] |
7 | 2 | 4 | ||
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。 |
日本公演
[編集]- 2001年 フジ・ロック・フェスティバル '01
- 4月10日,11日 赤坂BLITZ、12日 大阪Mother Hall、13日 名古屋クラブダイアモンドホール
- 8月12日 大阪、13日 東京(幕張)
- 2月8日 Zepp Osaka、9日,10日 Zepp Tokyo、12日 CLUB CITTA'、14日 名古屋クラブダイアモンドホール
- 5月12日 幕張メッセ
脚注
[編集]- ^ a b c d e “Tool|Biography”. オールミュージック. All Media Guide. 2016年2月4日閲覧。
- ^ a b c Tool reviews, music, news - sputnikmusic・2016年2月4日閲覧。
- ^ トゥール、グラミー最優秀メタル・パフォーマンス受賞 - BARKS、2020年1月26日(2020年7月22日閲覧)
- ^ http://www.blabbermouth.net/news/founding-tool-bassist-s-lesser-key-signs-with-sumerian-records/
- ^ “Tool – Chart History: Billboard 200”. Billboard. Prometheus Global Media. January 26, 2013閲覧。
- ^ Peak chart positions for albums in Australia:
- All except Undertow: “Discography Tool”. australian-charts.com. Hung Medien. January 26, 2013閲覧。
- Undertow: Kent Music Report. St Ives, N.S.W.: Australian Chart Book. (2006). ISBN 0-646-45889-2
- ^ Peak chart positions for albums in Canada:
- Undertow: “Top Albums/CDs” (PDF). RPM (Walt Grealis) 58 (7). (August 28, 1993) January 26, 2013閲覧。.
- Ænima: “Top Albums/CDs” (PDF). RPM (Walt Grealis) 64 (9). (October 14, 1996) January 26, 2013閲覧。.
- Lateralus and 10,000 Days: “Tool – Chart History: Canadian Albums”. Billboard. Prometheus Global Media. January 26, 2013閲覧。
- ^ “Discographie Tool”. lescharts.com. Hung Medien. January 26, 2013閲覧。
- ^ “Chartverfolgung / Tool / Longplay” (German). musicline.de. Media Control Charts. January 26, 2013閲覧。
- ^ “Discografie Tool”. dutchcharts.nl. Hung Medien. January 26, 2013閲覧。
- ^ “Discography Tool”. charts.org.nz. Hung Medien. January 26, 2013閲覧。
- ^ “Discography Tool”. swedishcharts.com. Hung Medien. January 26, 2013閲覧。
- ^ “Discography Tool”. swisscharts.com. Hung Medien. January 26, 2013閲覧。
- ^ Peak chart positions for albums in the United Kingdom:
- Lateralus and 10,000 Days: “Tool” (select "Albums" tab). Official Charts Company. January 26, 2013閲覧。
- Ænima: “Chart Log UK: DJ T – Tzant”. zobbel.de. Tobias Zywietz. January 26, 2013閲覧。
- ^ “Undertow”. Amazon.com. February 6, 2014閲覧。
- ^ a b c d Grein, Paul (July 7, 2010). “Week Ending July 4, 2010: Miley's Tricky Transition”. Yahoo! Music. Yahoo!. January 26, 2013閲覧。
- ^ a b c d “American certifications – Tool”. Recording Industry Association of America. January 26, 2013閲覧。
- ^ a b c d "Canadian certifications – Tool". Music Canada. 2013年1月26日閲覧。
- ^ Theakston, Rob. “Ænima – Tool”. AllMusic. Rovi Corporation. February 6, 2014閲覧。
- ^ “ARIA Charts – Accreditations – 1997 albums”. Australian Recording Industry Association. January 26, 2013閲覧。
- ^ Theakston, Rob. “Lateralus – Tool”. AllMusic. Rovi Corporation. February 6, 2014閲覧。
- ^ “ARIA Charts – Accreditations – 2001 albums”. Australian Recording Industry Association. January 26, 2013閲覧。
- ^ a b “Certified Awards Search” (To access, enter the search parameter "Tool"). British Phonographic Industry. January 26, 2013閲覧。
- ^ 10,000 Days (track listing). Tool. Volcano Entertainment. 2006. 82876-81991-2。
- ^ “ARIA Charts – Accreditations – 2006 albums”. Australian Recording Industry Association. January 26, 2013閲覧。
- ^ “TOOL - Fear Inoculum (Audio)”. Tool - Fear Inoculum full album list on youtube.com. 2020年7月22日閲覧。
- ^ “'Hollywood's Bleeding' Is Nielsen Music/MRC Data's Top Album of 2019, 'Old Town Road' Most-Streamed Song”. Billboard. 2020年1月10日閲覧。
- ^ “Le Top de la semaine : Top Albums”. Syndicat Nation de l'Edition Phonographique. 2019年9月10日閲覧。
- ^ “NZ Top 40 Albums Chart”. Recorded Music NZ (September 9, 2019). September 7, 2019閲覧。