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チオシアン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チオシアン酸[1]
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  炭素, C
  硫黄, S
  窒素, N
  水素, H
識別情報
CAS登録番号 463-56-9 チェック
PubChem 781
ChemSpider 760 チェック
UNII A5KWW7N91V チェック
EC番号 207-337-4
KEGG C01755 チェック
MeSH thiocyanic+acid
ChEBI
ChEMBL CHEMBL84336 チェック
Gmelin参照 25178
3DMet B00344
特性
化学式 CHNS
モル質量 59.09 g mol−1
外観
  • 無色の液体[5]
  • 無色の気体、自己重合で白色固体[3]
匂い 刺激臭
密度 2.04 g/cm3
融点
  • 5 °C (オリゴマー?)[5]
  • -110 °C (モノマー?)[6]
への溶解度 混和する。
溶解度 エタノール、ジエチルエーテルに溶ける。
log POW 0.429
蒸気圧 4.73 mmHg (631 Pa)[7]
酸解離定数 pKa 0.926
塩基解離定数 pKb 13.071
危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H302, H312, H332, H412
Pフレーズ P261, P264, P270, P271, P273, P280, P301+312, P302+352, P304+312, P304+340, P312, P322, P330, P363
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

チオシアン酸(チオシアンさん、thiocyanic acid)は、化学式が HSCN で表される無機酸の一種である。ロダン酸とも呼ばれる。互変異性体であるイソチオシアン酸 (isothiocyanic acid, HN=C=S) との混合物として存在する[8]

チオシアン酸(左)とイソチオシアン酸(右)との互変異性

不安定な無色の液体で、比較的強酸である。[9]分子量は59.09g/mol。

チオシアン酸の N-エステルイソチオシアネート)には殺虫剤として用いられるものがある。

合成

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チオシアン酸鉛(II) に硫化水素を作用させると遊離する。

アンモニア二硫化炭素を反応させるとチオシアン酸のアンモニウム塩が生成する。

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脚注

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  1. ^ Merck Index, 11th Edition, 9257.
  2. ^ "Thiocyanic acid" entry in PubChem (database).
  3. ^ a b Template:Cite Merck Index
  4. ^ von Richter, Victor (1922). Organic Chemistry or Chemistry of the Carbon Compounds. 1. Philadelphia: P. Blakiston's Son & Co.. p. 466. https://books.google.com/books?id=WV0vAQAAMAAJ&pg=PA466 
  5. ^ a b ILO and WHO staff. "Thiocyanic acid" safety card. European Commission
  6. ^ Birckenbach, Lothar (1942). Forschungen und Fortschritte 18: 232–3none . As cited in CAS Common Chemistry.
  7. ^ Brown, Jay A. (ed.; 2024), "Thiocyanic Acid" in Haz-Map (database). Engineered IT.
  8. ^ Holleman, A. F.; Wiberg, E. Inorganic Chemistry Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.
  9. ^ 0.002~0.5mol dm-3HSCN水溶液の電気伝導率は塩酸および硝酸と同様に強酸的振る舞いである。 『改訂4版化学便覧基礎編Ⅱ 無機化合物水溶液のモル伝導率』 日本化学会、1993年

関連項目

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外部リンク

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