タカトウダイ
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タカトウダイ | |||||||||||||||||||||||||||
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タカトウダイ(福島県会津地方 2011年8月)
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Euphorbia lasiocaula Boiss. | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
タカトウダイ (高燈台) |
タカトウダイ(高燈台、学名: Euphorbia lasiocaula)は、日本では本州以南に広く分布し、日当たりのよい荒地や畑、湿地などに生えるトウダイグサ科トウダイグサ属に属する多年草。
概要
[編集]草丈は70センチメートルほどとなり、背の高いトウダイグサの意で形態はよく似ている。葉は、茎の中程はヘラ型で互生するが、茎の頂部の葉は丸みの強いヘラ型の葉を5枚ずつ輪生する。茎の頂部からは放射状に花茎を伸ばす。花期は6月-8月。苞葉の中に黄色い花を複数つける。秋になると紅葉する。秋の湿原の草紅葉のひとつ。茎や葉を傷つけると白い乳液を出す。全草にわたり有毒であり、毒の主成分はジテルペンのユーホルニン[1]である。
利用
[編集]根を漢方薬の大戟として用いる。そのため近縁種には「タイゲキ(大戟)」の名前を持つものが多い。
分類
[編集]学名
[編集]- Euphorbia lasiocaula Boiss. (1866)
シノニム
[編集]- Euphorbia pekinensis Rupr. var. japonensis Makino[2]
- Euphorbia pekinensis Rupr. var. lasiocaula (Boiss.) Oudejans[3]
- Euphorbia pekinensis Rupr. var. onoei (Franch. et Sav.) Makino[4]
- Euphorbia pekinensis Rupr. var. subulatifolia (Hurus.) T.B.Lee[5]
- Galarhoeus lasiocaulus (Boiss.) Hurus.[6]
- Euphorbia pekinensis auct. non Rupr.[7]
- Euphorbia onoei (Franch. et Sav.)
変種・亜種
[編集]- トウタカトウダイ(唐高燈台)Euphorbia pekinensis Rupr.
- 中国本土に分布し、標高400〜2400メートルで生育する。タカトウダイと同じとされていたが、果実のいぼ状突起の形が異なり、区別されるようになった[8]。
- アソタイゲキ(阿蘇大戟)Euphorbia pekinensis ssp. asoensis
- イブキタイゲキ(伊吹大戟)Euphorbia lasiocaula Boiss. var. ibukiensis (Hurusawa) T.Kuros. et H.Ohashi
- シナノタイゲキ(信濃大戟)Euphorbia sinanensis (Hurusawa) T. Kurosawa & H. Ohashi
- 本州中北部に分布し、高さ10-50cmとなり、タカトウダイと比較してやや小型。タカトウダイと違って花期は春であり、種子が褐色である[9]。
- フジタイゲキ(富士大戟)Euphorbia watanabei Makino
- 静岡県の産地から低山地の草原に分布。タカトウダイおよびイワタイゲキの変種とされることもあるが、苞葉や輪生葉が黄色く、茎が無毛。花期は夏。亜種として、輪生葉が長く、種子表面にしわ状の模様があるヒュウガタイゲキ(日向大戟、E. watanabei subsp. minamitanii T. Kurosawa, Seriz. et H. Ohashi)がある[10]。
- ハマタカトウダイ(浜高燈台)Euphorbia lasiocaula Boiss. f. maritima (Hurus.) T.Kuros. et H.Ohashi
- タカトウダイの海岸型。小型で背が低く、茎は匍匐して伸びる。花序は短くて花が密集する傾向にある。
- ミヤマタイゲキ Euphorbia pekinensis Rupr. subsp. fauriei (H.Lév. et Vaniot) T.Kuros. et H.Ohashi
タカトウダイを含めこれらは分類によっては、トウタカトウダイ(Euphorbia pekinensis Rupr.)の変種や亜種として扱われる。
類似種
[編集]和名に「タイゲキ」、「タカトウダイ」が含まれる種。
- イワタイゲキ(岩大戟)Euphorbia jolkinii Boiss.
- 関東以西、四国、九州に分布。主に海岸に生育することが特徴。高さ30-50cmであり、タカトウダイと比較してやや小型。花期は春から初夏。
- サボテンタイゲキ Euphorbia antiquorum L.
- スナジタイゲキ(砂地大戟)Euphorbia atoto G.Forst.
- センダイタイゲキ(仙台大戟)Euphorbia sendaica Makino
- タイワンタカトウダイ(台湾高燈台)Euphorbia formosana Hayata
- イワタイゲキ(Euphorbia jolkinii)のシノニムともされる。
- タロコタカトウダイ Euphorbia tarokoensis Hayata
- セイヨウハギクソウ(Euphorbia esula)のシノニムともされる。
- チャボタイゲキ(矮鶏大戟)Euphorbia peplus L.
- ハクサンタイゲキ(白山大戟) Euphorbia togakusensis Hayata
- ヒロハタカトウダイ(広葉高燈台)Euphorbia pallasii Turcz. ex Ledeb.
- 別名ヒロハタイゲキ。Euphorbia fischeriana Steud. のシノニムともされる。
- マンシュウタイゲキ(満州大戟)Euphorbia mandshurica Maxim.
- セイヨウハギクソウ(Euphorbia esula)のシノニムともされる。
- ムサシタイゲキ(武蔵大戟)Euphorbia sendaica var. musashiensis
- センダイタイゲキの変種とされていたが、センダイタイゲキとは区別できないともされている[11]。
- リュウキュウタイゲキ(琉球大戟)Euphorbia liukiuensis Hayata
脚注
[編集]- ^ 小瀬村 誠治、栗原 伸和、山村 庄亮 (2002). “トウダイグサ有毒ジテルペン,ユーホルニンの合成研究”. 慶應義塾大学日吉紀要 自然科学 32: 39-53. NAID 40005654193.
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants 和名-学名インデックス(YList) Euphorbia pekinensis Rupr. var. japonensis Makino”. 2015年10月10日閲覧。
- ^ “IPNI PlantName Details”. International Plant Names Index (2001年5月19日). 2013年6月30日閲覧。
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants 和名-学名インデックス(YList) Euphorbia pekinensis Rupr. var. onoei (Franch. et Sav.) Makino”. 2015年10月10日閲覧。
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants 和名-学名インデックス(YList) Euphorbia pekinensis Rupr. var. subulatifolia (Hurus.) T.B.Lee”. 2015年10月10日閲覧。
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants 和名-学名インデックス(YList) Galarhoeus lasiocaulus (Boiss.) Hurus.”. 2015年10月10日閲覧。
- ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “BG Plants 和名-学名インデックス(YList) Euphorbia pekinensis auct. non Rupr.”. 2015年10月10日閲覧。
- ^ uotak. “タカトウダイ Euphorbia lasiocaula トウダイクサ科 Euphorbiaceae トウダイグサ属”. 三河の野草. 2013年6月30日閲覧。
- ^ Kurosawa, T.; Ohashi, H. (1994). “Morphological, Phenological and Taxonomical Studies on Euphorbia lasiocaula and E. sinanensis (Euphorbiaceae)”. The Journal of Japanese botany 69 (1): 1-13. NAID 40001850409.
- ^ Kurosawa, T.; Serizawa, S.; Ohashi, H. (1996). “A Taxonomical Note on Euphorbia watanabei Makino (Euphorbiaceae)”. Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 47 (1): 11-17. NAID 110003758846.
- ^ 黒沢 高秀、大橋 広好 (2000). “「絶滅危惧IA類ムサシタイゲキ」はセンダイタイゲキと区別できない--センダイタイゲキの分類と分布の再検討”. The Journal of Japanese botany 75 (2): 104-110. NAID 40001850585.