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スペースX CRS-9

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
スペースX CRS-9
ISSに接近中のスペースX ドラゴン宇宙船
任務種別ISS補給
運用者スペースX
COSPAR ID2016-046A
SATCAT №41672
任務期間39日 11時間 3分
特性
宇宙機ドラゴンC111
宇宙機種別ドラゴンCRS
製造者スペースX
燃料無重量4,200 kg (9,300 lb)
寸法全高：7.2 m (24 ft)
直径：3.7 m (12 ft)
任務開始
打ち上げ日2016年7月18日, 04:44 UTC[1]
ロケットファルコン9フル・スラスト
打上げ場所ケープカナベラル空軍基地第40発射施設（LC-40）
打ち上げ請負者スペースX
任務終了
廃棄種別回収
着陸日2016年8月26日 15:47 UTC[2]
着陸地点バハ・カリフォルニア南西525 km (326 mi)の太平洋[2]
軌道特性
参照座標地球周回軌道
体制低軌道
軌道長半径6,780.61 km (4,213.28 mi)
離心率0.000214
近点高度401.02 km (249.18 mi)
遠点高度403.93 km (250.99 mi)
傾斜角51.6432°
軌道周期92.62分
平均運動15.5488回/日
元期2016年7月25日 12:53:58 UTC[3]
ISSのドッキング（捕捉）
ドッキング ハーモニー 天底側
RMSの捕捉 2016年7月20日 10:56 UTC[4]
ドッキング（捕捉）日 2016年7月20日 14:03 UTC[4]
分離日 2016年8月25日 21:00 UTC[5]
RMS切り離し 2016年8月26日 10:11 UTC[2]
係留時間 36日 6時間 57分
輸送
重量2,257 kg (4,975.8 lb)[6]
加圧1,790 kg (3,946.3 lb)[6]
非加圧467 kg (1,029.5 lb)[6]
NASAのSpX-9の徽章のグラフィイックは、IDA-2内部からの眺めをもしており、ドッキングアダプターの3枚の花弁を表している。
NASAのSpX-9の徽章
スペースX CRS-8
COSPAR ID2016-046A

SpX-9としても知られるスペースX CRS-9は、2016年7月18日 20:43 UTCに打ち上げられた国際宇宙ステーションへの商業補給サービスミッション[7][8]。このミッションは、NASAとの契約のもとにドラゴンカプセルを用いてスペースXによって運用された。

この貨物機はスペースXのファルコン9フライト27に搭載されて成功裡に打ち上げられた。

打ち上げと運用の履歴

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2014年7月のNASAの飛行計画統合パネル（FPIP）ではこのミッションは2015年12月7日以前に予定されていた[9]。2014年12月には、打ち上げは2015年12月9日に延期された[10]。2015年6月28日のスペースX CRS-7の失敗の後、打ち上げ日は未定となっていたが、2015年9月に2016年3月21日に変更された[11]。その後、有人ミッションのソユーズMS-01が6月24日の飛行枠をとったため、6月24日、6月27日、7月16日と延期され、最終的に2016年7月18日延期された[12][13][14][15]。

CRS-9は、ファルコン9打ち上げ機に搭載されて、ケープカナベラル空軍基地第40発射施設（SLC-40）から2016年7月18日 04:44 UTCに打ち上げられた[1]。打ち上げの9分37秒後にドラゴン宇宙船はロケットからの分離に成功し、その2分後に太陽電池パネルを展開した[1]。2時間後に航法誘導制御（英語版）ドアが開き、軌道上での運用が可能となった[1]。

軌道上での一連の機動と、異なる待機点での静止を経て、CRS-9のドラゴンは2016年7月20日の10:56 UTCにISSのカナダアーム2によって捕捉された。ロボットアームの操作の後、約3時間後の14:03 UTCに係留された[4]。

回収の準備として、ドラゴンカプセルには1,550 kg (3,420 lb)の実験機材と不要になった危機が積み込まれ、2016年8月25日 21:00 UTCに係留を解除され、ポートから離れた夜間駐機位置にとどめられた。ドラゴンは翌日の10:11 UTCにカナダアーム2からリリースされた。ステーションから離れる機動の後に、ドラゴンは14:56 UTCに再突入燃焼の指令を受け、バハ・カリフォルニアの南西約525 km (326 mi)の太平洋上に無事着水した[2][5][16]。

一次ペイロード

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NASAはスペースXとCRS-9ミッションの契約を結んでおり、これに従って一次ペイロードであるドラゴン宇宙カプセルの軌道パラメーターを決定した[17]。

CRS-9は2,257 kg (4,976 lb)の貨物を国際宇宙ステーションに運んだ。与圧された貨物の中には、約250の科学・研究実験をサポートする930 kg (2,050 lb)の資機材、370 kg (820 lb)のクルー補給品、280 kg (620 lb)の宇宙船ハードウェア、127 kg (280 lb)の船外活動装備、1 kg (2.2 lb)のコンピューター資材、54 kg (119 lb)のロシアのハードウェアが含まれていた。また、ドラゴンのトランクに搭載された非与圧貨物である国際ドッキングアダプタ-2の質量は467 kg (1,030 lb)だった[6]。

CRS-9 によって ISS に運ばれた重要な実験の一部としては、軌道上でDNAシーケンシングを実行する生体分子シーケンサー、将来の宇宙船用途に向けた温度調節システムとしてテストされる相変化熱交換器、地球ベースの磁気浮上が微小重力条件を適切にシミュレートできるかどうかをテストするOsteoOmics実験、ヒト人工多能性幹細胞由来の心筋細胞を用いて、微小重力が人間の心臓に及ぼす影響を細胞レベルおよび分子レベルで調べるスタンフォード大学の心臓細胞実験などが含まれていた[6][1][18]。

第1段の着陸

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→詳細は「en:Falcon 9 first-stage landing tests」を参照
CRS-9の打ち上げおよび着陸の長時間露光画像

第2段との分離後、ロケットの第１段はブーストバック機動を行ない、2015年12月のファルコン9フライト20に続き、ケープ・カナベラルランディング・ゾーン1（英語版）で2回目の陸上への着陸に成功した[19]。

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c d e Graham, William (17 July 2016). “CRS-9 Dragon completes journey to the Space Station”. NASA Spaceflight. https://www.nasaspaceflight.com/2016/07/spacex-falcon-9-crs-9-dragon-launch/ 20 July 2016閲覧。 
  2. ^ a b c d Harwood, William (26 August 2016). “SpaceX supply ship departs station, returns to Earth”. CBS News. http://www.cbsnews.com/news/spacex-supply-ship-departs-station-returns-to-earth/ 26 August 2016閲覧。 
  3. ^ “Dragon CRS-9 - Orbit”. Heavens Above (25 July 2016). 26 July 2016閲覧。
  4. ^ a b c Gebhardt, Chris (20 July 2016). “CRS-9 Dragon completes journey to the Space Station”. NASA Spaceflight. https://www.nasaspaceflight.com/2016/07/nasa-spacex-dragons-arrival-space-station/ 20 July 2016閲覧。 
  5. ^ a b “ISS Daily Summary Report – 08/25/2016”. NASA (25 August 2016). 26 August 2016閲覧。
  6. ^ a b c d e “SpaceX CRS-9 Mission Overview”. NASA. 26 July 2016閲覧。
  7. ^ “All systems go...”. Twitter.com. SpaceX (16 July 2016). 17 July 2016閲覧。
  8. ^ “SpaceX CRS-9 for NASA”. SpaceXStats.com. 17 July 2016閲覧。
  9. ^ Hartman, Daniel J. (July 2014). “Status of the ISS USOS: NASA Advisory Council HEOMD Committee”. NASA. 2023年5月21日閲覧。
  10. ^ “Launch Schedule”. Spaceflight Now (28 December 2014). 29 December 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月21日閲覧。
  11. ^ “Launch Schedule”. Spaceflight Now (29 September 2015). 29 September 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月21日閲覧。
  12. ^ “Launch Schedule”. Spaceflight Now (8 March 2016). 10 March 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月21日閲覧。
  13. ^ “Launch Schedule”. Spaceflight Now (6 May 2016). 19 May 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月21日閲覧。
  14. ^ “Launch Schedule”. Spaceflight Now (23 May 2016). 27 May 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月21日閲覧。
  15. ^ “Launch Schedule”. Spaceflight Now (23 June 2016). 27 June 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月21日閲覧。
  16. ^ Richardson, Derek (26 August 2016). “SpaceX's CRS-9 Dragon returns to Earth”. Spaceflight Insider. http://www.spaceflightinsider.com/organizations/space-exploration-technologies/spacexs-crs-9-dragon-returns-earth/ 26 August 2016閲覧。 
  17. ^ NASA's Response to SpaceX's June 2015 Launch Failure: Impacts on Commercial Resupply of the International Space Station (PDF) (Report). NASA/Office of Inspector General. 28 June 2016. p. 13. Report No. IG-16-025. 2016年7月18日閲覧。
  18. ^ Wnorowski, Alexa; Sharma, Arun; Chen, Haodong; Wu, Haodi; Shao, Ning-Yi; Sayed, Nazish; Liu, Chun; Countryman, Stefanie et al. (2019-10-29). “Effects of Spaceflight on Human Induced Pluripotent Stem Cell-Derived Cardiomyocyte Structure and Function”. Stem Cell Reports 13 (6): 960–969. doi:10.1016/j.stemcr.2019.10.006. ISSN 2213-6711. PMC 6915842. PMID 31708475. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6915842/. 
  19. ^ Dean, James (18 July 2016). “SpaceX Dragon headed to ISS; Falcon 9 lands at Cape Canaveral”. Florida Today. http://www.floridatoday.com/story/tech/science/space/spacex/2016/07/18/spacex-dragon-headed-iss-falcon9-rocket-lands-cape-canaveral-nasa/87079310/ 30 July 2016閲覧。 
[編集]
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関連項目
  • †は打ち上げ失敗
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