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ジェーン・ホーキング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェーン・ホーキング
Jane Hawking
生誕 Jane Beryl Wilde
(1944-03-29) 1944年3月29日(80歳)
イングランドの旗 イングランド ハートフォードシャー州セント・オールバンズ
出身校 ロンドン大学ウェストフィールド・カレッジ英語版
職業 著述家、教師
配偶者
子供 3人(ルーシー・ホーキング英語版ほか)
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ジェーン・ベリル・ワイルド・ホーキング・ジョーンズ(Jane Beryl Wilde Hawking Jones、1944年3月29日 - )は、イギリスの作家、教師である。スティーヴン・ホーキングと30年間結婚生活を送った[1]

生涯

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イングランドハートフォードシャー州セント・オールバンズ1944年3月29日に生まれた。一家は英国国教会を信仰しており、ジェーンは生涯クリスチャンとして活動した[2][1]

ロンドン大学ウェストフィールド・カレッジ英語版に入学し、語学を専攻した[3]。スティーヴン・ホーキングとは、1962年のパーティーで共通の友人の紹介で知り合った。翌1963年、スティーヴンは筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された。2人は将来に不安を感じたものの、1964年に婚約し、1965年7月14日に共通の故郷であるセント・オールバンズで結婚した[4]。スティーヴンとの間には3人の子供がいる。1967年生まれのロバート、1970年生まれのルーシー英語版、1979年生まれのティモシーである[5]

大学では、長い年月をかけて博士論文に取り組み、1981年4月に中世スペインの詩に関する論文でPhDを取得した[6]。夫がケンブリッジ大学を卒業しており、その世界で自分の学問的アイデンティティを持つためにはPhDを取得する必要があったとジェーンは感じていた[1][7]

スティーヴンの病気の進行に対処する中で、ジェーンは鬱病を発症した。2004年のインタビューで、ジェーンはキリスト教への信仰が結婚生活の中で希望を与えてくれたと語り、彼の介護の結果、鬱病になったと述べた。そのインタビューでは、無神論者として有名なホーキングを、信仰に基づく強さで支えたのは皮肉なことだと述べている[1]

ジェーンとスティーヴンは1990年に別居し、1995年に離婚した。1997年に、音楽家のジョナサン・ヘリヤー・ジョーンズ(Jonathan Hellyer Jones)と結婚した[8]。なお、スティーヴンも1995年に看護師のエレイン・メイソンと結婚した。スティーヴンが2011年にエレインと離婚した後、ジェーンは難病を押して研究を続けるスティーヴンの支援を行った[1]

1991年、スティーヴンとの結婚生活を書いた自伝"Music to Move the Stars: A Life with Stephen"を執筆した。この自伝を原作として、2004年にテレビ映画『ホーキング』が製作された[1]

2009年には、この自伝の内容を更新して、"Travelling to Infinity: My Life with Stephen"(日本語訳『無限の宇宙 ホーキング博士とわたしの旅』)として刊行された。この本を元にして、2014年に映画『博士と彼女のセオリー』が製作され、数々の賞を受賞した[3][9]

メディアにおける描写

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2004年の映画『ホーキング』ではリサ・ディロン英語版が、2014年の映画『博士と彼女のセオリー』ではフェリシティ・ジョーンズが、ジェーンの役を演じた。フェリシティ・ジョーンズは第87回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた[10]

著作物

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  • At Home In France: Guide to Buying and Renovating Property In France Allegro Publications 1994 ISBN 0952308002
  • Music to Move the Stars: A Life with Stephen Macmillan Publishers, London 1999 ISBN 0-333-74686-4
  • Travelling to Infinity: My Life with Stephen Alma Books 2007 ISBN 1-84688-065-3
    • 日本語訳: 無限の宇宙 ホーキング博士とわたしの旅(堀川志野舞 訳、静山社、2018年、ISBN 978-4863894525
  • Silent Music Alma Books 2016 ISBN 9781846884122
  • Cry to Dream Again Alma Books 2018 ISBN 9781846884375

脚注

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  1. ^ a b c d e f Adams, Tim (4 April 2004). “Jane Hawking: Brief history of a first wife”. The Observer. https://www.theguardian.com/theobserver/2004/apr/04/features.review17 12 October 2022閲覧。 
  2. ^ Gornall, Jon. Dr Jane Hawking: Her own theory on it all. The National (UAE), March 8, 2018.
  3. ^ a b Anderson, L.V. (7 November 2014). “How Accurate Is The Theory of Everything?”. Slate. http://www.slate.com/blogs/browbeat/2014/11/07/the_theory_of_everything_how_accurate_is_the_new_stephen_hawking_movie_starring.html 8 February 2015閲覧。. 
  4. ^ Ferguson, Kitty (3 January 2012). Stephen Hawking: An Unfettered Mind. St. Martin's Press. ISBN 978-0-230-34060-2. https://books.google.com/books?id=A-85UZe4J5MC&pg=PA47 
  5. ^ Stephen Hawking: His Life and Work (paperback ed.). Bantam. (5 July 2012). p. 157. ISBN 978-0-8575-0074-8 
  6. ^ simplyknowledge – Biographies- Stephen Hawking”. 2024年3月19日閲覧。
  7. ^ Hawking, Jane (1 January 2015). “The Theory of Everything: the true story of Stephen Hawking and Jane Hawking's marriage”. 2015年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月19日閲覧。
  8. ^ Ferguson, Kitty (2011). Stephen Hawking: His Life and Work. Transworld. ISBN 978-1-4481-1047-6. https://books.google.com/books?id=nZLMWpujVUcC 
  9. ^ “Fact-Checking the Film: 'The Theory of Everything'”. Entertainment Weekly. (14 November 2014). http://ew.com/article/2014/11/14/theory-of-everything-fact-check/ 5 September 2017閲覧。. 
  10. ^ I never expected my name to be associated with these kinds of awards”. Independent.co.uk (15 January 2015). 2024年3月19日閲覧。

外部リンク

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