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コンラッド・アンカー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コンラッド・アンカー
生誕 (1962-11-27) 1962年11月27日(62歳)
アメリカ合衆国カリフォルニア州
国籍 アメリカ合衆国
職業 ロッククライマー、登山家作家
配偶者 ジェニファー・ロウ・アンカー

コンラッド・アンカー英語: Conrad Anker1962年11月27日 - )はアメリカ合衆国出身のロッククライマー登山家作家ヒマラヤ山脈の高峰や南極大陸での登山で知られる。

ザ・ノース・フェイスのクライミングチームのリーダーである。1999年エヴェレストにて、英国の伝説的登山家ジョージ・マロリーの遺体を捜索するプロジェクトの一員として、その遺体を発見した[2]

モンタナ州ボーズマン在住 [3]

著名な登攀と遠征

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  • 1987年 - アメリカ合衆国アラスカ州アラスカ山脈キチャトナ山群グーニー峰南東壁。セス・'S.T.'・ショウ、ロバート・イングル、ジェームス・ガレットとともに初登。5月8日登頂[4]
  • 1989年 - アメリカ合衆国アラスカ州アラスカ山脈ハンター山北西壁。セス・'S.T.'・ショウとともに初登。7月3日登頂[5]
  • 1990年 - アメリカ合衆国ユタ州ザイオン国立公園ストレックド・ウォールRodeo Queen。マグス・スタンプとともに初登[6]
  • 1992年 - アメリカ合衆国アラスカ州キチャトナ山群ミドル・トリプル・ピーク 東バットレス。セス・'S.T.'・ショウとともに第二登[7]
  • 1992年 - アメリカ合衆国ユタ州ザイオン国立公園レッド・アーチ・マウンテン「Shunes Buttress」。デイブ・ジョーンズとともにフリー初登[8]
  • 1994年 - パタゴニアトーレ・エガー南東壁「Badlands」(YDS VI 5.10 A3 WI4+, 1000m)。ジェイ・スミス、スティーブ・ガーバーディングとともに12月12日初登[9]
  • 1997年 - 南極大陸エルスワース山脈Peak Loretan「The Northwest Face」(V 5.8, 2100m)。1月15日-16日単独登攀[10]
  • 1997年 - 南極大陸ドロンニング・モード・ランドRakekniven峰。アレックス・ロウ、ジョン・クラカワーとともに初登。ナショナルジオグラフィック1998年2月号の巻頭記事に特集された[11]
  • 1997年 - パキスタンカラコルム山脈ラトックII峰「Tsering Mosong」。アレックス・フーバー、トーマス・フーバー、トニー・ガッシュとともに初登[12]
  • 1997年 - アメリカ合衆国カリフォルニア州ヨセミテ国立公園エル・キャピタン「Continental Drift」。スティーブ・ガーバーディング、ケビン・ソーとともに初登[13]
  • 1999年 - ネパールチベットエベレストマロリーアーヴィン調査遠征」
  • 1999年 - チベットシシャパンマアメリカン・スキー・エクスペディション。登攀パートナーアレックス・ロウとカメラマンデイビッド・ブリッジズが巻き込まれて死亡した巨大雪崩に遭遇するも、生き延びる。
  • 2001年 - 南極大陸エルスワース山脈ヴィンソン・マシフ東壁。ジョン・クラカワーとともに初登。2003年2月、アメリカPBSの番組Novaに取り上げられた。
  • 2005年 - ネパールクーンブ地方チョラチェ南西稜。5月12日、ケビン・ソー、ジョン・グリバー、クリス・エリクソン、アビー・ワトキンスとともに登頂[14]
  • 2007年 - レオ・ホールディング、ジミー・チン、ケビン・ソーが参加した遠征隊Altitude Everest Expedition 2007を指揮し、マロリーのエベレストでの最後の足跡を辿った。2度目のエベレスト登頂。
  • 2011年 - メルー峰「シャークス・フィン」。ジミー・チン、レナン・オズタークとともに初登[15]。5月、マッキンリー山にて雪に埋もれた遺体を発見し通報。一時、植村直己ではないかと捜索が行われたが、発見には至らなかった[16]
  • 2012年 - ナショナルジオグラフィック、ザ・ノース・フェイス、モンタナ州立大学、マヨクリニックが参加した遠征隊「Everest Education Expedition」を指揮し、自身3度目のエベレスト登頂(今回は無酸素)。コリー・リチャーズ、サム・エリアス、クリス・エリクソン、エミリー・ハリントン、フィリップ・ヘンダーソン、マーク・ジェンキンス、デイビッド・ラージソンPh.D、ヒラリー・オニールが参加。Mayoチームのメンバーは、ブルース・ジョンソン、ランドン・バセット、デレク・キャンベル、アマイン・イサ。ベースキャンプでの支援隊のメンバーは、アンディー・バードン、トラビス・コーサウツ、アンジン・ヘンダーソン、マックス、ロウ[17]

他にも、ヨセミテ国立公園ザイオン国立公園バフィン島エルスワース山脈で著名な登攀を行っている。

著作

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  • Anker, Conrad (1988). “Gumbies on Gurney”. American Alpine Journal (NYC, NY, USA: American Alpine Club) 30 (62): 69–75. ISBN 0-930410-33-5. 
  • Anker, Conrad (1990). “Hunter's Northwest Face”. American Alpine Journal (American Alpine Club) 42 (64): 36–38. ISBN 0-930410-43-2. 
  • Anker, Conrad (1998). “With You in Spirit”. American Alpine Journal (American Alpine Club) 40 (72): 140–145. ISBN 0-930410-78-5. 
  • Anker, Conrad; David Roberts (2001) [1999]. The Lost Explorer: Finding Mallory on Mt. Everest. New York, NY, USA: Simon and Schuster / Touchstone. ISBN 0-684-87151-3 

映画

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  • 「Shackleton's Antarctic Adventure」(2001年)
  • 「Light of the Himalaya」(2006年)。マイケル・ブラウンによるドキュメンタリー映画。9度の受賞歴がある。デビッド・ディアンジェロプロデュース、Rush HDとザ・ノース・フェイスとの共同制作。
  • 「The Endless Knot」(2007年)。マイケル・ブラウン監督、デビッド・ディアンジェロプロデュースによるラッシュHD、ザ・ノース・フェイス協力のHDTVドキュメンタリー映画。
  • 「The Wildest Dream」(2010年)。IMAX。アンソニー・ゲフィン監督。アルティチュード・フィルムズ制作。米国にてナショナル・ジオグラフィック・エンターテイメント配給。
  • MERU/メルー」(2015年)。シャークス・フィンルート登攀を追ったドキュメンタリー映画。

出典

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  1. ^ "Conrad Anker". Desert Island Discs. 9 June 2013. BBC Radio 4. 2014年1月18日閲覧
  2. ^ NOVA Online|Lost on Everest|The Day Mallory Was Found
  3. ^ Anker, Conrad (March 14, 2011). “Conrad Anker: Sustainability a Driving Force in Today's Business World”. Bozeman Daily Chronicle. http://www.bozemandailychronicle.com/opinions/chronicle_columnists/conrad_anker/article_023eaf32-4c1e-11e0-a8d4-001cc4c03286.html July 21, 2011閲覧。  see note at bottom
  4. ^ Anker, Conrad (1988). “Gumbies on Gurney”. American Alpine Journal (NYC, NY, USA: American Alpine Club) 30 (62): 69–75. ISBN 0-930410-33-5. 
  5. ^ Anker, Conrad (1990). “Hunter's Northwest Face”. American Alpine Journal (American Alpine Club) 42 (64): 36–38. ISBN 0-930410-43-2. 
  6. ^ First Ascent Info”. Bigwall dot Com. 6 February 2008閲覧。
  7. ^ Anker, Conrad; David Roberts (2000). The Lost Explorer: Finding Mallory on Mount Everest. Simon and Schuster. p. 100. ISBN 0-7432-0192-2 
  8. ^ Bjornstad, Eric (1996). Desert Rock: Rock Climbs in the National Parks. Evergreen, CO, USA: Chockstone press. p. 67. ISBN 0-934641-92-7 
  9. ^ Cerro y Agujas del Cordon Torre”. Climbing in Patagonia. 27 May 2009閲覧。
  10. ^ Anker, Conrad (1998). “With You in Spirit”. American Alpine Journal (American Alpine Club) 40 (72): 140–145. ISBN 0-930410-78-5. 
  11. ^ Krakauer, Jon; Wiltsie, Gordon (February 1998). “On the Edge of Antarctica: Queen Maud Land”. National Geographic Magazine: 46–69. http://publicationsindex.nationalgeographic.com/cgi-bin/Pwebrecon.cgi?SC=Title&SEQ=20090528131418&PID=G2_cx2dI8aKATMXm-DAw_rCWjvTI&SA=On+the+Edge+of+Antarctica:+Queen+Maud+Land 28 May 2009閲覧。. 
  12. ^ Huber, Alex; Thomas Huber (1998). The American Alpine Journal. American Alpine Club. pp. 34–42. ISBN 0-930410-78-5 
  13. ^ Schneider, Steve (1998). The American Alpine Journal. American Alpine Club. p. 187. ISBN 0-930410-78-5 
  14. ^ The Himalayan Cataract Project team Summits Cholatste”. MountEverest.net. ExplorersWeb (12 May 2005). 1 September 2009閲覧。
  15. ^ Coley, Mariah. “Shark's Fin Full Report”. 8 October 2012閲覧。
  16. ^ 川口穣 (2019年2月15日). “「ナオミ・ウエムラではないのか?」2011年に目撃された遺体… 35年経った今でも植村直己さんの存在感が絶大な理由 〈AERA〉”. AERA dot. (アエラドット). 2021年8月30日閲覧。
  17. ^ Potts, Maryanne. “Beyond The Edge”. 11 March 2016閲覧。