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アギナシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アギナシ
福島県会津地方 2020年7月下旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: オモダカ目 Alismatales
: オモダカ科 Alismataceae
: オモダカ属 Sagittaria
: アギナシ S. aginashi
学名
Sagittaria aginashi Makino[1]
和名
アギナシ(顎無し)[2]

アギナシ(顎無し、学名:Sagittaria aginashi)は、オモダカ科オモダカ属抽水性多年草[2][3][4]

形態、生態

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は根生、発生初期はヘラ状の葉を中心に形成するが、次第に矢尻型の葉をつける。花期は7-10月で、最大100cmになる花茎に、3枚の白い花弁をもつ花が輪生しまばらな穂となる。穂の上部に雄花、下部に雌花、雄花には黄色の雄蕊、雌花には緑色の雌蕊が共に多数ある。果実は翼のある倒卵形[5]

また夏ごろから、葉柄の基部に大きさ3-6mmほどの小さな塊茎を多数産生する。この塊茎によって栄養繁殖と越冬を行う[3][5]

分布と生育環境

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日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山間の湖沼湿地ため池、放棄水田等に生育する[5][3][6]。世界では、朝鮮半島に分布する[3]

類似種

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同属のオモダカと類似するが、アギナシは走出枝をつくらず、根元に粒状の塊茎を多数形成する一方で、オモダカは走出枝をだし、その先に塊茎をつける[3]。また、アギナシは、ふつう花茎は葉より高く伸長する。そのほか、オモダカでは矢じり形となる葉の側裂片の先が鋭くとがるのに対して、アギナシでは側裂片の先が微細な円頭となるという特徴もある[3]

しかし葉の形態には変異が大きく決め手とはなりがたい。また、アギナシは「顎無し」の名の通り、矢じり型でないヘラ状の葉をつけることも多いが、同様の葉はオモダカでも見られるため、ヘラ状の葉の有無では区別できない。

保全状況評価

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準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト

(2019年、環境省)

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ アギナシ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花(増補改訂新版)』p.33
  3. ^ a b c d e f 田中法生 (2015)「オモダカ科」『改訂新版 日本の野生植物 1』p.117
  4. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.201
  5. ^ a b c 角野康郎「日本水草図鑑」(1994年、文一総合出版)p.20
  6. ^ 『絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ 増補改訂新版』p.622

参考文献

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