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ラヴ・ミー・ドゥ

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「ラヴ・ミー・ドゥ」
ビートルズシングル
初出アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー
A面 日本の旗 オール・マイ・ラヴィング
B面 イギリスの旗アメリカ合衆国の旗 P.S.アイ・ラヴ・ユー
リリース
規格
録音
ジャンル
時間
レーベル
作詞・作曲 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン
ゴールドディスク
後述を参照
チャート最高順位
後述を参照
ビートルズ シングル U.K. 年表
ビートルズ シングル U.S. 年表
ビートルズ シングル 日本 年表
プリーズ・プリーズ・ミー 収録曲
プリーズ・プリーズ・ミー
(A-7)
ラヴ・ミー・ドゥ
(B-1)
P.S.アイ・ラヴ・ユー
(B-2)
パスト・マスターズ Vol.1 収録曲
ラヴ・ミー・ドゥ (オリジナル・シングル・ヴァージョン)
(1)
フロム・ミー・トゥ・ユー
(2)
音源
テンプレートを表示

ラヴ・ミー・ドゥ」(Love Me Do)は、ビートルズの楽曲である。1962年10月5日にパーロフォンよりデビュー・シングルとして発売され、B面には「P.S.アイ・ラヴ・ユー」が収録された。1962年に発売されたシングル盤は、全英シングルチャートで最高位17位を獲得し[5]、1982年に発売された12インチシングル盤は最高位4位を獲得した[6]。1964年にアメリカでトリー・レコード英語版より発売されたシングル盤は、Billboard Hot 100で第1位を獲得した[7]

本作は、ビートルズの前身にあたるクオリーメン時代に書かれた楽曲で、ジョン・レノンハーモニカとレノンとポール・マッカートニーによるツイン・ボーカルが特徴となっている。なお、本作は3回にわたってレコーディングされていて、それぞれドラマーが異なっている。

背景・曲の構成

「ラヴ・ミー・ドゥ」は、1958年から1959年にかけて不登校生だった当時16歳のポール・マッカートニーによって書かれた作品で[8]ジョン・レノンはミドルエイトを書いた[8][9]。作者クレジットはレノン=マッカートニー[注釈 1]で、レノンは「『ラヴ・ミー・ドゥ』はポールの曲だ。僕らが本格的な作曲家になる前、ハンブルクの頃から曲を持っていたのを知ってるよ」と語っている[10]

「ラヴ・ミー・ドゥ」は、G7とCコードを基調とした楽曲で、ミドルエイトのみDに移るというコード進行となっている。レノンが演奏したブルージーかつドライなハーモニカのリフ[11]から始まり、レノンとマッカートニーによるツイン・ボーカルが加わってくる。

当初はレノンがタイトルセクションを歌っていたが、フレーズに重なるかたちでハーモニカのパートが追加されたため、ハーモニカを演奏するレノンではなくマッカートニーがこの部分を歌うことになった[12][13]。この処置について、マッカートニーは「そのセッションまではこの部分を歌うのはジョンの担当だった。だけど歌詞がハーモニカのソロに被るから、"Love me do"の部分で止まってしまう。そこでジョージ・マーティンがハーモニカをフィーチャーするアイデアを出して、急遽僕がリードをとることになった。本当に緊張したよ。今聴いても緊張して声が震えているのがわかる」と語っている[13]

レコーディング・リリース

「ラヴ・ミー・ドゥ」は、EMIスタジオで3回にわたってレコーディングされ、それぞれドラマーが異なっている。

レコーディング日 備考
1962年6月6日 EMIのオーディションでのレコーディング。ドラムスは当時ビートルズのドラマーだったピート・ベストが演奏[14]。しかし、プロデューサーのマーティンは、ベストの演奏に満足しなかったため、このセッションから2か月後にベストは解雇された[15][16]
1962年9月4日 デビュー・シングル用のレコーディング。ドラムスは解雇されたベストに代わって加入したリンゴ・スターが演奏。同日に15テイク録音され、シングル第1版に収録された。しかし、セッションの2週間前にバンドに加入し、リハーサルが不十分であったことから、マーティンはスターの演奏にも満足しなかった[17]。また、同日にミッチー・マレー英語版作曲の「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」もレコーディングされ[18]、マーティンはこちらをデビュー・シングルとする予定だったが、レノンとマッカートニーがオリジナル曲でのデビューを強く希望したことから、ビートルズ側の主張が認められて本作がデビュー・シングルとなった[19]
1962年9月11日 2度目のデビュー・シングル用のレコーディング。同日のセッションではアンディ・ホワイトがドラムスを演奏したため、スターはタンバリンを演奏した[20]。18テイク録音され、最終テイクがマスターとして採用された[21]

本作がデビュー・シングルとしてイギリスで発売された際、スターがドラムスを演奏した9月4日のテイクが使用されたが、以後の再版シングル[注釈 2]や、オリジナル・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』や『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』、『ザ・ビートルズ1』など一部のコンピレーション・アルバム、ビートルズのEPにはホワイトがドラムスを演奏した9月11日テイクが採用された[20]。スターがドラムスを演奏した9月4日のテイクは、1980年にアメリカで発売された『レアリティーズ Vol.2』でアルバム初収録となり、『リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス』や『パスト・マスターズ Vol.1』に収録された。なお、9月4日のテイクはマスター・テープが破棄されているため、シングル・レコード盤からマスタリングされた音源が収録された[22]。1992年10月5日にビートルズのデビュー20周年を記念して発売されたCDシングル盤には両方のテイクが収録されている[23]。ピート・ベストのドラムスを演奏した6月6日のテイクは、1995年に『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』で発表されるまで未発表となっていた。

BBCで8度にわたって収録され、1962年10月からの1年間にわたって、『ヒア・ウィー・ゴー』、『タレント・スポット』、『サタデー・クラブ』、『サイド・バイ・サイド』、『ポップ・ゴー・ザ・ビートルズ』、『イージー・ビート』といった番組で放送された。1963年7月10日にBBCで収録され、23日の『ポップ・ゴー・ザ・ビートルズ』で放送されたテイクは、アルバム『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』に収録されている。1963年2月20日の『パレード・オブ・ザ・ポップス』においては、BBCのラジオを通じてこの曲を生演奏で放送している。なお、BBCのドキュメンタリー番組『ザ・マージー・サウンド』のためにサウスポートにあるリトル・シアターでの演奏が撮影されており、同番組でその一部が放送された後、2015年に再発売された『ザ・ビートルズ1[注釈 3]に付属のDVD/Blu-rayに収録された[24]

1969年に行なわれたゲット・バック・セッションでこの曲が演奏された。この時はかつてのアレンジよりもテンポを落としたブルース調での演奏だった。このほか、「レボリューション1」のテイク18の後半部分では、マッカートニーが「ラヴ・ミー・ドゥ」のサビのフレーズを歌っている[注釈 4]

2012年11月14日に発売50周年を記念し、パーロフォンのジャケットを使用した限定のレプリカ・17cmアナログレコードが発売された。このレコード盤のA面にはスターがドラムスを演奏した9月4日のテイクが収録されたが[25]、発売当初のレコード盤には誤ってホワイトがドラムスを演奏した9月11日のテイクが収録されていた。

演奏

1962年6月6日のテイク
1962年9月4日のテイク
  • ポール・マッカートニー - ボーカル、ベース
  • ジョン・レノン - ボーカル、ハーモニカ
  • ジョージ・ハリスン - アコースティック・ギター
  • リンゴ・スター - ドラムス
1962年9月11日のテイク
  • ポール・マッカートニー - ボーカル、ベース
  • ジョン・レノン - ボーカル、ハーモニカ
  • ジョージ・ハリスン - アコースティック・ギター
  • リンゴ・スター - タンバリン
  • アンディ・ホワイト - ドラムス

チャート成績

認定

国/地域 認定 認定/売上数
イギリス (BPI)[34] Silver 200,000double-dagger
アメリカ合衆国 (RIAA)[35] Platinum 1,000,000double-dagger

^ 認定のみに基づく出荷枚数
double-dagger 認定のみに基づく売上数と再生回数

カバー・バージョン

脚注

注釈

  1. ^ アルバム収録の方はマッカートニー=レノンと表記されている。
  2. ^ 黒のラベルのリイシュー盤の場合、9月4日と9月11日の両方のテイクで発売されている。オリジナル盤での見分け方は、レコードの送り溝に刻印されているマトリックス番号が9月4日のテイクの場合は 7XCE 17144-1N 、9月11日のテイクの場合は 7XCE 17144-2N となっている。
  3. ^ オリジナルは2000年に発売。
  4. ^ この部分はリリース版では使用されず、2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) スーパー・デラックス・エディション』に収録されたテイク18で確認することができる。

出典

  1. ^ Merseybeat Music Genre Overview - オールミュージック. 2020年11月8日閲覧。
  2. ^ Pollack 1990.
  3. ^ Gregory 2008.
  4. ^ Deville, Chris (2013年11月27日). “Beatles Albums From Worst to Best”. Stereogum.com. 2020年11月8日閲覧。
  5. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年11月8日閲覧。
  6. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年11月8日閲覧。
  7. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard (1964年5月30日). 2020年11月8日閲覧。
  8. ^ a b Harry 1992, p. 413.
  9. ^ Miles 1997.
  10. ^ Sheff 1981, p. 129.
  11. ^ MacDonald 1998, p. 51.
  12. ^ MacDonald 2005, p. 59.
  13. ^ a b Paul McCartney (23 October 2013). Paul McCartney - 'The Making Of Queenie Eye'. 2020年11月8日閲覧, 2019年1月5日閲覧
  14. ^ Lewisohn 1988, p. 16-17.
  15. ^ Miles 1997, p. 57.
  16. ^ Spitz 2005, p. 330.
  17. ^ Lewisohn 1988, p. 20.
  18. ^ The Beatles 2000, p. 77.
  19. ^ Lewisohn 1988, p. 18.
  20. ^ a b Lewisohn 1992, p. 59.
  21. ^ Lewisohn 1988, p. 20-21.
  22. ^ 斉藤早苗(監修)、葉山真(文責) (2009). パスト・マスターズ (ブックレット) (Media notes). Apple/EMI Music Japan. {{cite AV media notes2}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明); 不明な引数|artist=は無視されます。(もしかして:|others=) (説明)
  23. ^ CD Singles - The Beatles - Love Me Do - Parlophone - UK - CDRS 4949”. 45worlds. 2020年11月22日閲覧。
  24. ^ ザ・ビートルズの「Love Me Do」が全米1位になるまでの長い道のり”. uDiscover. UNIVERSAL MUSIC JAPAN (2019年10月5日). 2020年11月22日閲覧。
  25. ^ “EMI、ビートルズ「Love Me Do」発売50周年記念のレプリカ17cmアナログレコードを発売 - 価格は1,000円”. PHILE WEB (音元出版). (2012年10月12日). https://www.phileweb.com/news/hobby/201210/12/1092.html 2020年11月8日閲覧。 
  26. ^ Kent, David (2005). Australian Chart Book (1940-1969). Turramurra: Australian Chart Book. ISBN 0-646-44439-5 
  27. ^ Hall, Ron (1990). The CHUM Chart Book: A Complete Listing of Every Record to Make the "CHUM Chart" from Its Beginning on the 27th May, 1957 Through 14th June, 1986. Rexdale (Toronto): Stardust Productions. p. 11. ISBN 0-920325-15-7. https://books.google.com/books?id=tEnYAAAACAAJ 
  28. ^ Flavour of New Zealand, 4 June 1964”. Flavour of New Zealand. 2020年11月8日閲覧。
  29. ^ Hoffmann, Frank (1983). The Cash Box Singles Charts, 1950-1981. Metuchen, NJ & London: The Scarecrow Press, Inc. pp. 32-34 
  30. ^ a b "Ultratop.be – The Beatles – Love Me Do" (in Dutch). Ultratop 50. 2020年11月8日閲覧。
  31. ^ "Dutchcharts.nl – The Beatles – Love Me Do" (in Dutch). Single Top 100. 2020年11月8日閲覧。
  32. ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年11月8日閲覧。
  33. ^ Billboard Japan Hot 100 | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク (2012年10月15日). 2020年11月8日閲覧。
  34. ^ "British single certifications – Beatles – Love Me Do". British Phonographic Industry. 2020年11月8日閲覧
  35. ^ "American single certifications – The Beatles – Love Me Do". Recording Industry Association of America. 2020年11月8日閲覧
  36. ^ Embley, Jochan (2019年1月10日). “Looking back on David Bowie's most legendary gig”. 2020年11月8日閲覧。
  37. ^ Birthday [Single] - Paul McCartney | Songs, Reviews, Credits, Awards - オールミュージック. 2020年12月5日閲覧。
  38. ^ Erlewine, Sthephen Thomas. “Vertical Man - Ringo Starr | Songs, Reviews, Credits, Awards”. 2020年12月5日閲覧。

参考文献

外部リンク

先代
  • メアリー・ウェルズ
  • 「マイ・ガイ」
Billboard Hot 100 第1位
1964年5月30日
次代