フランシスコ・スアレス
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フランシスコ・スアレス(Francisco Suárez、1548年-1617年)は、スペインの神学者・哲学者・法学者。イエズス会士。
人物
オッカム派の唯名論が台頭してスコラ学が崩壊した後に、トマス・アクィナスの学説を中心に、スコラ学を総合的に体系化し、神学・哲学・法学にわたって大きな影響を与えた人物。
1548年グラナダで生まれ、16歳でサラマンカ大学、イエズス会に入り、哲学、教会法、神学を学んだ後、セゴヴィア、バヤロディッド、アビラ、ローマ、サラマンカ、コインブラ、グレゴリアン大学など多くの大学で講義し、「俊秀博士」(Doctor Eximius)と呼ばれた。
スアレスの影響は広汎で、哲学では、デカルトの『省察』第4答弁ではスアレスの「形而上学的討論」に、また、バークレーもスアレスの「類比論」に言及がある。ライプニッツやクリスティアン・ヴォルフにも影響を与えたとされる。法学では、人民主権、社会契約、自然法、国際法の基礎を築き、グロチウスに多大な影響を与えた。
著書
- 山辺建訳「法律についての、そして立法者たる神についての論究」上智大学中世思想研究所編『中世思想原典集成20巻-近世のスコラ学』691頁(平凡社)
- 小川量子訳「形而上学討論集」上智大学中世思想研究所編『中世思想原典集成20巻-近世のスコラ学』881頁(平凡社)
参考文献
- ホセ・ヨンパルト『古代・中世社会契約論-スアレスの思想を中心として-』1982年度法哲学年報(有斐閣、1983)