「おとわっか」の版間の差分
m編集の要約なし |
Train earth urban (会話 | 投稿記録) m編集の要約なし |
||
35行目: | 35行目: | ||
[[Category:二次創作]] |
[[Category:二次創作]] |
||
[[Category:ファイナルファンタジーX]] |
[[Category:ファイナルファンタジーX]] |
||
[[Category:日本におけるLGBT]] |
|||
[[Category:セクシュアリティとジェンダー関連の偏見]] |
[[Category:セクシュアリティとジェンダー関連の偏見]] |
||
[[Category:ニコニコ動画]] |
[[Category:ニコニコ動画]] |
2023年4月11日 (火) 11:45時点における版
おとわっかとは、コンピュータRPG『ファイナルファンタジーX』を題材として制作された合作音MAD動画。2022年5月7日にYouTubeとニコニコ動画に投稿され、約1か月後の6月6日に削除された[注 1]。最終的に310万回以上の再生回数を記録するヒットを生み出して話題となった。『おとわっか』という単語は、『ガジェット通信ネット流行語大賞2022上半期』で銀賞を受賞し[1]、続く『ガジェット通信 ネット流行語大賞2022』では金賞を受賞した[2]。
略歴
正式なタイトルは『【合作】おとわっか』。2022年5月7日にニコニコ動画へ投稿され、その後、急速に再生回数が増加した[3]。この動画の話題性による影響もあってか、Steamのジャンル「RPG」カテゴリにおいて、『FINAL FANTASY X | X-2 HD Remaster』が人気上位にランクインした[4]。これと並行して、同動画が作中キャラクターを同性愛者として扱い、笑いの対象とすることによってLGBTQ+への揶揄に繋げているなどとして問題視する声が挙がった[3][4][5]。動画投稿からおよそ一か月後の6月6日、スクウェア・エニックスの申立により、同動画は著作権侵害としてニコニコ動画から削除された[4]。最終的に、再生回数は310万回を超えていた[4]。削除を受け、動画の投稿者は自身のTwitter上で「ご愛顧ありがとうございました!申し訳ございませんでした!」と投稿し、動画を再投稿する予定はないと表明した[4]。
内容
ファイナルファンタジーXの二次創作動画である。メドレー形式で流れる音楽に、同作のキャラクター、ワッカを取り巻くギャグを合わせた、音MADと呼ばれるジャンルの動画である[5][6]。『魔法少女まどか☆マギカ』のオープニング曲『コネクト』を使用したパートでは、ワッカが「ティーダのチンポ気持ちよすぎだろ!」を連呼する[注 2]。このパートが『おとわっか』の中で特にネットミームとしてSNSで拡散され、派生動画が次々と作られた[3][4]。
影響・反応
KAI-YOU.netのライター都築陵佑は、「ワッカの筋骨隆々な体躯や露出度の高い衣装といったキャラクター造形などから、インターネット上では10年以上前より、ワッカの性嗜好をゲイとして象徴・消費するネタが国内外で存在している。」「ネットユーザーの間では少なからぬ批判の声が上がっていた一方、一連の話題をお祭りのようにエンターテイメントとして消費している投稿も数多く散見された。」としている[3]。
まいじつエンタのライター大上賢一は、「『ニコニコ動画』では、同性愛者向けに販売された映像作品を改変した、通称『淫夢ネタ』が1つの文化として根付いている。つまり、この手のコンテンツが流行るのは決して珍しくはない。」「淫夢ネタでもワッカでも、ネタにする側は“明るい笑い”であり、差別ではないと反論しがち。しかし異性愛者が、同性愛要素を笑いに利用しているという点からして、問題がないとは言えないだろう。」と評した[5]。
インサイドのゲームライター茶っプリンは、「著作権侵害なのは間違いないので、SNS上でも『おとわっか削除申請。妥当としか言いようがない』と納得する声が多め。」「大きな話題を集めながらの最期に、むしろ『おとわっか去り際も最高』や『おとわっかの、めちゃくちゃ流行ってすぐ権利関係で消えるの最高にニコニコ動画って感じして好き』といった声も。」としている[6]。
削除された当日、ニコニコ動画を運営するドワンゴのCOOである栗田穣崇は「伝説になったんだよ、悲しむんじゃない。楽しかったよな。」と、ツイートを投稿した[6][7]。
ゲームメディア・AUTOMATONは、5月25日に「『FF10』のワッカが突如ネットミーム化。闇深い“ワッカ構文”や謎のコラージュが広まる」という記事を公開した。その後6月7日に執筆者記名をAUTOMATON編集部名義へと変更し、記事全文に打ち消し線を入れ、謝罪した[3][8]。理由は、記事内で取り扱ったミームおよび動画が同性愛を侮辱するような表現を含んでおり、無批判に掲載すべきではなかったという指摘を受けたため、としている。再発防止のためにネット文化の取り扱いの精査を再検証し防止策を設定するとも述べている[3][8]。
ITmedia・ねとらぼは、6月6日に「『FF10』二次創作動画『おとわっか』、スクエニの申し立てにより削除 300万再生超の人気も、差別的笑いに物議」という記事を公開し、ニコニコ動画で昔からある同性愛をネタにした動画への言及や本動画の影響や削除の経緯、Steamでの「FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster」がJRPGランキング上位に躍り出るなどの経済効果について言及したが、ライターがスクウェア・エニックスや動画投稿者、ニコニコ動画への取材を一切しておらず、ライター自身のLGBTへの意見が強い記事となっていたため、その後一連の批判を受け、その関連の文言は削除されている[9]。
脚注
注釈
- ^ 本動画は2022年5月4日に「合作『FINAL FANTASY X』」(のちに「【合作】おとわっか」にタイトル変更)としてニコニコ動画に投稿された動画が管理者削除されたのち再投稿されたものである。
- ^ このパート内で登場するフレーズは、以前にディシディア ファイナルファンタジー NTの広告で使用された「ティーダのコンボ気持ちよすぎだろ!」という文章が元ネタとなっている[5]。
出典
- ^ “『ガジェット通信 ネット流行語大賞2022上半期』金賞は「壱百満天原サロメ」! 上位に「ゆっくり茶番劇」商標登録問題や『シン・ウルトラマン』も”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (2022年7月8日). 2022年7月19日閲覧。
- ^ “『ガジェット通信 ネット流行語大賞2022』決定!金賞「おとわっか」銀賞「〇〇確定な」”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (2022年12月1日). 2022年12月18日閲覧。
- ^ a b c d e f 都築陵佑 (2022年6月7日). “『FF10』二次創作「おとわっか」動画が削除 LGBTQ+を揶揄する演出に批判も”. KAI-YOU.net | POP is Here .. KAI-YOU. 2022年6月18日閲覧。
- ^ a b c d e f 福田瑠千代 (2022年6月6日). “「FF10」二次創作動画「おとわっか」、スクエニの申し立てにより削除 300万再生超の人気も、差別的笑いに物議”. ねとらぼ. アイティメディア株式会社. 2022年6月20日閲覧。
- ^ a b c d 大上賢一 (2022年6月5日). “『FF10』ワッカのネットミームに嫌悪感…「淫夢」から続く同性愛ネタの暴力性”. まいじつエンタ. 日本ジャーナル出版. 2022年6月17日閲覧。
- ^ a b c 茶っプリン (2022年6月6日). “『FF10』ワッカのネットミーム「おとわっか」、スクエニの申立により“著作権侵害”として削除へ”. インサイド. 株式会社イード. 2022年6月20日閲覧。
- ^ くりたしげたか(Re)🌰ニコニコ代表の人 [@sigekun] (2022年6月6日). "伝説になったんだよ、悲しむんじゃない。楽しかったよな。". X(旧Twitter)より2022年6月19日閲覧。
- ^ a b “【UPDATE】『FF10』のワッカが突如ネットミーム化。闇深い“ワッカ構文”や謎のコラージュが広まる”. AUTOMATON. 株式会社アクティブゲーミングメディア (2022年5月25日). 2022年6月25日閲覧。
- ^ “「FF10」二次創作動画「おとわっか」、スクエニの申し立てにより削除 300万再生超の人気も、差別的笑いに物議”. ねとらぼ. 2022年8月22日閲覧。