「グレナード・P・リプスコム (原子力潜水艦)」の版間の差分
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{{出典の明記|date=2023年1月5日 (木) 11:51 (UTC)}} |
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'''グレナード・P・リプスコム'''(Glenard P. Lipscomb、SSN-685)はアメリカ海軍の原子力潜水艦。艦籍番号はSSN-685。 |
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==概要== |
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グレナード・P・リプスコムは、アメリカ海軍の潜水艦としてはユニークな存在である。すなわち、アメリカ海軍としては2番目に、そして(現在のところ)最後にタービン・エレクトリック推進を採用した潜水艦(TEDS: Turbin Electric Drive Submarine)である(1番目は[[チュリビー (SSN-597)|チュリビー]])。 |
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|colspan="2"|[[File:USS Glenard P. Lipscomb (SSN-685).jpg|300px|USS Glenard P. Lipscomb]] |
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!colspan="2" style="background: #f0f0f0"|艦歴 |
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| 発注 |
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| [[1968年]][[12月16日]] |
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| 起工 |
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| [[1971年]][[6月5日]] |
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| 進水 |
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| [[1973年]][[8月4日]] |
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| [[1974年]][[12月21日]] |
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| その後 |
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|[[原子力艦再利用プログラム]] |
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| 除籍: |
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| [[1990年]][[7月11日]] |
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!colspan="2" style="background: #f0f0f0"|性能諸元 |
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| [[排水量]] |
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| 水上5,813[[トン数|トン]],<br/>水中6,480トン |
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| 全長 |
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| 111 m |
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| 全幅 |
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| 9.8 m |
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| 喫水 |
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| 予備浮力 |
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| 11.5% |
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| 機関 |
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| 原子力[[ターボ・エレクトリック方式]]<br/>WEC S5Wa [[加圧水型原子炉]]×1基<br/>7翼ハイスキュード・スクリュー×1軸<br/>12,500[[軸馬力|SHP]] |
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| 電池 |
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|ガピーIC型×126個1群 |
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| 最大速 |
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| 水上18[[ノット]] (33 km/h), 水中23ノット (43 km/h) |
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| 最大深 |
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| 400 m |
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| 安全潜入深度 |
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|396[[メートル|m]] |
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| 乗員: |
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| 士官12名, 兵員109名 |
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| 兵装 |
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| 21インチ (533 mm) [[魚雷発射管]]4基<br/>[[魚雷]]・[[ミサイル]]×23<br/>Mk113 Mod8 水中射撃指揮装置 |
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| 電子戦兵装 |
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| [[ソナー]]:BQQ-2B(アクティヴ/パッシヴBQS-6B、パッシヴBQR-7、氷海行動/機雷探知BQS-8)、BQG-3 PUFFS、WLR-9A<br/>[[レーダー]]・ESM機材:BPS-15、BRD-6、WLR-4 |
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'''グレナード・P・リプスコム'''('''USS Glenard P. Lipscomb, SSN-685''')は、[[アメリカ海軍]]の[[原子力潜水艦]]。艦名は[[カリフォルニア州]]選出[[アメリカ合衆国下院|下院]]議員[[グレナード・P・リプスコム]](Glenard P. Lipscomb, [[1915年|1915]] - [[1970年]])に因む。 |
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== 概要 == |
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現在の原潜で主流のギアード・タービン推進では、原子炉の2時冷却系からの高圧蒸気を羽根車に吹き付けて得られた回転を、減速ギア・ボックスで調整してスクリュー・シャフトに伝えることで、推進力を得ている。しかし、減速ギア・ボックスの複雑な機構と多くのギアの動作は、原潜にとって最大の騒音源(したがって弱点)となる。タービン・エレクトリック推進では、2次冷却系の高圧蒸気で'''発電機'''を回して得られた電力で、'''電動モーター'''を回し、これにスクリュー・シャフトを接続する。すなわち、ギア・ボックスを廃止することができるのである。 |
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グレナード・P・リプスコムは、アメリカ海軍の潜水艦としては[[タリビー (SSN-597)|タリビー]]に次いで2番目に、原子力[[ターボ・エレクトリック方式]]を採用した潜水艦(TEDS: Turbin Electric Drive Submarine)である。試験艦としての性格が強く同型艦は建造されていない。 |
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原子力潜水艦で主流の機関は、原子力[[ギアード・タービン方式]]であり、[[原子炉]]の[[蒸気発生器 (原子力)|2次冷却系統]]から得られた高圧蒸気によって[[蒸気タービン]]を回し、減速ギア・ボックスによって回転数を減速・調整して[[プロペラシャフト]]に伝え、[[スクリュー]]を回して推進力を得ている。しかし、減速ギア・ボックスの複雑な機構と多くのギアの動作は、原潜にとって最大の騒音源(したがって弱点)となる。ターボ・エレクトリック方式では、2次冷却系統の高圧蒸気によって[[タービン発電機]]を回し、得られた電力で[[電動機|電動モーター]]とこれに直結されたプロペラシャフトを回して推進力を得ている。すなわち、ギア・ボックスを廃止することによる静粛化のほか、ギアード・タービン方式よりもシャフト回転数の微妙な調整が可能になることによる操艦の柔軟性が期待できるのである。 |
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しかし、これらの利点があるにせよ、タービン・エレクトリック推進は、電機系の増設とそれに伴う重量増大を引き受けなければならないという問題があるため、旧ソ連時代の[[アルファ級原子力潜水艦|一部の潜水艦]]や[[:Category:フランスの潜水艦|フランス海軍の原子力潜水艦]]を除けば、ほとんど採用されていない。実際、本艦の建造にあたっては[[スタージョン級原子力潜水艦|スタージョン級]]の設計が大幅に流用されたが、排水量で20%強、全長で約30mも上回り、ただでもパワー不足が指摘されていたS5W原子炉をもとにしたパワープラントを装備した本艦は、速力においてもスタージョン級に劣るものとなってしまった。 |
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しかし、これらの利点があるにせよ、ターボ・エレクトリック方式は、電機系の増設とそれに伴う重量増大を引き受けなければならないほか、ギアード・タービン方式に比べて効率が劣るせいで速力が低下するという問題があるため、旧ソ連時代の[[アルファ級原子力潜水艦|一部の潜水艦]]や[[:Category:フランスの潜水艦|フランス海軍の原子力潜水艦]]を除けば、ほとんど採用されていない。実際、本艦の建造にあたっては[[スタージョン級原子力潜水艦|スタージョン級]]の設計が大幅に流用されたが、[[排水量]]で20%強、全長で約19[[メートル|m]]も大型化し、ただでさえパワー不足が指摘されつつあったS5W原子炉をもとにしたパワープラントを装備した本艦は、速力においてもスタージョン級に劣るものとなってしまった。 |
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上記のような問題点に加え、複雑な機構の信頼性が不安視されたこと、タービン・エレクトリック方式の動力プラントが生産性に欠けることなどから、本艦は1985年には事実上の退役(活動停止)に追い込まれた。ほぼ同時期に、原潜の静粛化の試みとして取り組まれた兄弟分の[[ナーワル (SSN-671)|ナーワル]]からの技術的知見が後に生かされたのとは、まったく対照的な道筋をたどったのである。 |
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上記のような問題点に加え、複雑な機構の信頼性が不安視されたこと、ターボ・エレクトリック方式の動力プラントが効率に欠けることなどから、本艦は1985年には事実上の退役(活動停止)に追い込まれた。ほぼ同時期に、原潜の静粛化の試みとして取り組まれた兄弟分の[[ナーワル (SSN-671)|ナーワル]](1969年就役)により自然循環式原子炉の技術的知見が後に生かされたのとは、まったく対照的な道筋を辿ったのである。 |
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なお、本艦の命名の由来となったのはアメリカの下院議員[[:en:Wikipedia:Glenard P. Lipscomb|グレナード・ポール・リプスコム]]([[1915年|1915]]~[[1970年|1970]])。 |
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== 艦歴 == |
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グレナード・P・リプスコムは[[1971年]][[6月5日]]に[[コネチカット州]][[グロトン (コネチカット州)|グロトン]]の[[エレクトリック・ボート]]社で起工する。[[1973年]][[8月4日]]にリプスコム夫人によって命名、進水し、翌[[1974年]][[12月21日]]にジェームズ・F・コールドウェル艦長の指揮下就役した。就役式では[[メルヴィン・ライアード]]がスピーチを行った。 |
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グレナード・P・リプスコムは[[1990年]][[7月11日]]に退役し、[[1997年]][[12月1日]]に[[原子力艦再利用プログラム]]に基づき[[ピュージェット・サウンド海軍造船所]]で解体された。 |
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==要目== |
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*種別:攻撃型原子力潜水艦 |
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*1番艦就役:1974年 |
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*全長:111.2m |
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*全幅:9.6m |
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*排水量(水上/水中):5,813t/6,480t |
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*予備浮力:11.5% |
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*機関:原子力タービン電気推進 - WEC S5Wa [[加圧水型原子炉]]×1基/7翼ハイスキュード・スクリュー×1軸 |
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*出力:12,500SHP |
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*電池:ガピーIC型126個1群 |
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*速力(水上/水中):18kt/23kt |
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*乗員:121名 |
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*安全潜入深度:396m |
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*兵装:533mm水圧式魚雷発射管×4 - 魚雷・ミサイル×23 |
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*ソナー:BQQ-2B(アクティヴ/パッシヴBQS-6B、パッシヴBQR-7、氷海行動/機雷探知BQS-8)、BQG-3 PUFFS、WLR-9A |
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*水中射撃指揮装置:Mk113 Mod8 |
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*レーダー・ESM機材:BPS-15、BRD-6、WLR-4 |
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==関連 |
== 関連項目 == |
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* [[タリビー (SSN-597)]] — G.P.リプスコムと同じく原子力ターボ・エレクトリックを採用した数少ない米原潜のひとつ。 |
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*[[アメリカ海軍艦艇一覧]] |
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* [[ナーワル (SSN-671)]] — ほぼ同時期に就役した、米海軍における原潜の静粛化への取り組み(自然対流循環方式)を示す潜水艦。 |
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*[[ナーワル (SSN-671)|ナーワル]] |
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*[[スタージョン級原子力潜水艦]] |
* [[スタージョン級原子力潜水艦]] — 本艦の設計上の母体となった艦級。 |
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*[[ロサンゼルス級原子力潜水艦]] |
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*[[オハイオ級原子力潜水艦]] |
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==外部リンク== |
== 外部リンク == |
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{{Commonscat|USS Glenard P. Lipscomb (SSN-685)|グレナード・P・リプスコム (原子力潜水艦)}} |
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*[ |
* [https://www.navsource.org/archives/08/08685.htm navsource.org: USS Glenard P. Lipscomb (SSN-685)] |
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* [https://man.fas.org/dod-101/sys/ship/ssn-685.htm Glenard P. Lipscomb (SSN-685) - FAS.org] |
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[[Category:アメリカの潜水艦|くれなーとぴーりぷすこむ]] |
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[[Category:原子力潜水艦|くれなーとぴーりぷすこむ]] |
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{{第二次世界大戦後のアメリカ海軍の潜水艦}} |
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[[en:USS Glenard P. Lipscomb (SSN-685)]] |
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{{DEFAULTSORT:くれなとひりふすこむ}} |
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[[Category:アメリカ合衆国の原子力潜水艦]] |
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[[Category:1974年竣工船]] |
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[[Category:ジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート建造の潜水艦]] |
2024年11月25日 (月) 00:58時点における最新版
艦歴 | |
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発注 | 1968年12月16日 |
起工 | 1971年6月5日 |
進水 | 1973年8月4日 |
就役 | 1974年12月21日 |
その後 | 原子力艦再利用プログラム |
除籍: | 1990年7月11日 |
性能諸元 | |
排水量 | 水上5,813トン, 水中6,480トン |
全長 | 111 m |
全幅 | 9.8 m |
喫水 | |
予備浮力 | 11.5% |
機関 | 原子力ターボ・エレクトリック方式 WEC S5Wa 加圧水型原子炉×1基 7翼ハイスキュード・スクリュー×1軸 12,500SHP |
電池 | ガピーIC型×126個1群 |
最大速 | 水上18ノット (33 km/h), 水中23ノット (43 km/h) |
最大深 | 400 m |
安全潜入深度 | 396m |
乗員: | 士官12名, 兵員109名 |
兵装 | 21インチ (533 mm) 魚雷発射管4基 魚雷・ミサイル×23 Mk113 Mod8 水中射撃指揮装置 |
電子戦兵装 | ソナー:BQQ-2B(アクティヴ/パッシヴBQS-6B、パッシヴBQR-7、氷海行動/機雷探知BQS-8)、BQG-3 PUFFS、WLR-9A レーダー・ESM機材:BPS-15、BRD-6、WLR-4 |
グレナード・P・リプスコム(USS Glenard P. Lipscomb, SSN-685)は、アメリカ海軍の原子力潜水艦。艦名はカリフォルニア州選出下院議員グレナード・P・リプスコム(Glenard P. Lipscomb, 1915 - 1970年)に因む。
概要
[編集]グレナード・P・リプスコムは、アメリカ海軍の潜水艦としてはタリビーに次いで2番目に、原子力ターボ・エレクトリック方式を採用した潜水艦(TEDS: Turbin Electric Drive Submarine)である。試験艦としての性格が強く同型艦は建造されていない。
原子力潜水艦で主流の機関は、原子力ギアード・タービン方式であり、原子炉の2次冷却系統から得られた高圧蒸気によって蒸気タービンを回し、減速ギア・ボックスによって回転数を減速・調整してプロペラシャフトに伝え、スクリューを回して推進力を得ている。しかし、減速ギア・ボックスの複雑な機構と多くのギアの動作は、原潜にとって最大の騒音源(したがって弱点)となる。ターボ・エレクトリック方式では、2次冷却系統の高圧蒸気によってタービン発電機を回し、得られた電力で電動モーターとこれに直結されたプロペラシャフトを回して推進力を得ている。すなわち、ギア・ボックスを廃止することによる静粛化のほか、ギアード・タービン方式よりもシャフト回転数の微妙な調整が可能になることによる操艦の柔軟性が期待できるのである。
しかし、これらの利点があるにせよ、ターボ・エレクトリック方式は、電機系の増設とそれに伴う重量増大を引き受けなければならないほか、ギアード・タービン方式に比べて効率が劣るせいで速力が低下するという問題があるため、旧ソ連時代の一部の潜水艦やフランス海軍の原子力潜水艦を除けば、ほとんど採用されていない。実際、本艦の建造にあたってはスタージョン級の設計が大幅に流用されたが、排水量で20%強、全長で約19mも大型化し、ただでさえパワー不足が指摘されつつあったS5W原子炉をもとにしたパワープラントを装備した本艦は、速力においてもスタージョン級に劣るものとなってしまった。
上記のような問題点に加え、複雑な機構の信頼性が不安視されたこと、ターボ・エレクトリック方式の動力プラントが効率に欠けることなどから、本艦は1985年には事実上の退役(活動停止)に追い込まれた。ほぼ同時期に、原潜の静粛化の試みとして取り組まれた兄弟分のナーワル(1969年就役)により自然循環式原子炉の技術的知見が後に生かされたのとは、まったく対照的な道筋を辿ったのである。
艦歴
[編集]グレナード・P・リプスコムは1971年6月5日にコネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社で起工する。1973年8月4日にリプスコム夫人によって命名、進水し、翌1974年12月21日にジェームズ・F・コールドウェル艦長の指揮下就役した。就役式ではメルヴィン・ライアードがスピーチを行った。
グレナード・P・リプスコムは1990年7月11日に退役し、1997年12月1日に原子力艦再利用プログラムに基づきピュージェット・サウンド海軍造船所で解体された。
関連項目
[編集]- タリビー (SSN-597) — G.P.リプスコムと同じく原子力ターボ・エレクトリックを採用した数少ない米原潜のひとつ。
- ナーワル (SSN-671) — ほぼ同時期に就役した、米海軍における原潜の静粛化への取り組み(自然対流循環方式)を示す潜水艦。
- スタージョン級原子力潜水艦 — 本艦の設計上の母体となった艦級。