ABBグループ
ABBグループ (旧名称Asea Brown Boveri、アセア・ブラウン・ボベリ)は、電力関連、重電、重工業を主たる業とする、スイスに本社を置く多国籍企業で、100カ国以上でビジネスを展開している。1988年にスウェーデンのアセアとスイスのブラウン・ボベリが合併して成立した。
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | Nasdaq Nordic ABB |
略称 | ABB |
本社所在地 |
スイス チューリッヒ |
設立 | 1988年 |
業種 | 機械 |
事業内容 | 電力機器、重工業 |
代表者 | 最高経営責任者(CEO):モーテン・ヴィエロッド (Morten Wierod) |
資本金 | 28億ドル(2006年9月時点) |
売上高 | 連結:322億ドル(2023年12月期) |
営業利益 | 48億7100万ドル(2023年12月期) |
総資産 | 187億ドル(2021年12月期) |
従業員数 | 105,000人(2022年時点) |
決算期 | 毎年12月31日 |
主要株主 | インベストール 11.5% |
外部リンク | http://www.abb.com/ |
ファナック、安川電機、クーカと並んで世界4大産業用ロボットメーカーのひとつ[1]。また低圧産業用モータでは世界No.1であり、 制御機器や計測機器等のプロセス制御分野においても世界No.1で世界6大メーカー(グローバル・ビッグ6)として数えられる。
概要
編集ABBは4つの事業部[2]に分かれている。エレクトリフィケーション事業本部[2]は、送電、配電や発電所に関する各種製品・システムとサービスを提供している。インダストリアル・オートメーション事業本部[2]は工業分野・商業分野向けに自動化システムに関する各種製品・システム・ソフトウェア・サービスを提供している。石油ガス、電力、化学、鉱物、紙パルプの生産のための機械・ロボットなどである。モーション事業本部[2]はドライブとモータの世界最大のサプライヤで、機械式パワートランスミッション製品および統合されたデジタルパワートレインソリューション、ならびにモータ、ジェネレータ、ドライブ全般およびサービス、輸送、インフラ、ディスクリートおよびプロセス産業において、幅広いオートメーションアプリケーションを提供。ロボティクス&ディスクリート・オートメーション事業本部[2]はロボティクス、マシンおよびファクトリーオートメーションにおける高付加価値ソリューションを提供。
なお、1996年に鉄道システム部門は売却され、アドトランツを経て現在はボンバルディア・トランスポーテーション(本社はドイツのベルリン)の一部となったが、ABBはその後も車両用変圧器等の製造を続け、現在では本格的に鉄道システムの製造に再参入している。また、バルチラの船舶推進部門を傘下においている。
沿革
編集- 1890年 - スウェーデンの首都ストックホルムでアセア社が合併により設立。
- 1891年 - スイスのバーデンでブラウン・ボベリ社設立。
- 1988年 - 両社合併によりアセア・ブラウン・ボベリ社設立(セシュロンを参照)
- 1989年 - アメリカ・ウェスティングハウス・エレクトリック社の変電、送配電部門を買収。
- 1990年 - コンバッション・エンジニアリングを子会社化。
- 2000年 - オランダとノルウェーの送電網を国際連系する高圧直流送電線ノルネドの敷設を受注。2006-2007年にかけて作業。
- 2001年 - ニューヨーク証券取引所に上場。
- 2006年 - ロボット事業の本社を米国デトロイトから中国の上海に移転[3][4]。
- 2007年 - ミハエル(Michael Treschow)が重役とユニリーバ会長を兼任するようになる。
- 2010年 - オートメーション・ロボティクス事業部をプロセスオートメーション事業部とオートメーション・モーション事業部に再編。低電圧機器授業部とパワープロダクト事業部、パワーシステム事業部に加えて五事業部体制に。
- 2013年 - アメリカの太陽光発電用インバータメーカーのパワーワンを買収[5]。
- 2015年 - ドイツの産業用ロボットメーカーGomtecを買収[6]。
- 2016年 - 高圧ケーブル事業をデンマークのNKTケーブルズに売却[7]。
- 2018年 - 電力システム事業を日立製作所に売却することで合意[8]
日本との関わり
編集種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | ABB |
本社所在地 |
日本 〒141-6022 東京都品川区大崎2-1-1 |
法人番号 | 7011001036604 |
代表者 | 代表取締役 中島 秀一郎 |
資本金 | 10億円 |
売上高 |
317億1500万円 (2022年12月31日時点)[9] |
営業利益 |
26億6800万円 (2022年12月31日時点)[9] |
経常利益 |
26億3100万円 (2022年12月31日時点)[9] |
純利益 |
37億0500万円 (2022年12月31日時点)[9] |
純資産 |
57億7900万円 (2022年12月31日時点)[9] |
総資産 |
180億4900万円 (2022年12月31日時点)[9] |
決算期 | 12月末日 |
- 日本法人「ABB株式会社」は、東京(大崎)に本社を置く。関西支店や、名豊事業所(愛知県豊田市)[10]など各地に事業拠点を持つ。このほか以下のグループ会社を持つ[11]。
- ターボシステムズユナイテッド - 過給器の販社(出資母体2社のブランドで販売)。同社(出資比率:6割)とIHI(同4割)の合弁。
- ABB日本ベーレー(旧・日本ベーレー) - 制御・情報管理システムを主体としたメーカーで、元は旧ベーレー(※同社に買収→合併)の日本法人。現在は同社(51%)・極東貿易(29.4%)・IHI(19.6%)の3社合弁。
- 日立ABBHVDCテクノロジーズ株式会社 - 日立製作所とABBによる、国内向け高圧直流送電事業に関する合弁会社[12]。
- MSA(旧・明電ホイストシステム) - 配電・発変電・送電に関する避雷器関連メーカー。明電舎(55%)と同社(45%)の合弁。ギャップレス避雷器「ソレスター」のメーカーで知られる[注釈 1]。2012年に合弁を解消し(ABBの資本撤退)、2013年に明電舎に吸収合併。
その他(映画出演)
編集脚注
編集注釈
編集- ^ ギャップレス避雷器・ソレスターは明電舎の登録商標である。
出典
編集- ^ “産業用ロボット世界一は日本の地方企業”. 朝日学情ナビ (2013年7月18日). 2017年3月25日閲覧。
- ^ a b c d e “ABB Group, Leading digital technologies for industry”. ABB. 2020年10月14日閲覧。
- ^ “ABB ABB ロボティクスについて - ロボティクス”. ABB. 2016年7月28日閲覧。
- ^ “ABB moves robotics HQ to Shanghai”. Chinadaily (2006年4月5日). 2016年7月28日閲覧。
- ^ “スイスのABB、米パワーワン買収で合意 太陽発電事業強化へ”. ロイター (2013年4月23日). 2017年3月25日閲覧。
- ^ “ABB acquires Gomtec to expand collaborative industrial robot offering” (英語). Oil & Gas Technology (2015年4月14日). 2017年3月25日閲覧。
- ^ “ABB、ケーブル事業をNKTケーブルズ社へ売却”. ABB (2016年9月21日). 2017年3月25日閲覧。
- ^ “日立、ABBの事業を7000億円で買収発表”. 日本経済新聞 電子版. 2019年8月5日閲覧。
- ^ a b c d e f ABB株式会社 第24期決算公告
- ^ 日欧ロボット大手の陣取り合戦、ABBは豊田市にPR施設日本経済新聞ニュースサイト(2018年6月4日)2018年6月9日閲覧。
- ^ “ABBジャパン 事業所・営業所”. ABB. 2017年3月25日閲覧。
- ^ “日立とABBの国内向け高圧直流送電事業に関する合弁会社 日立ABBHVDCテクノロジーズ株式会社が営業開始” (PDF). 日立製作所、ABB (2015年10月15日). 2017年3月25日閲覧。
- ^ “ABBの産業用ロボット、映画「ターミネーター4」に出演!”. ABB. 2016年7月28日閲覧。
- ^ フォーミュラE:オートメーション技術大手『ABB』がシリーズの冠スポンサーに就任 - オートスポーツ・2018年1月10日
- ^ Griffith, Erin (2020年2月24日). “As the Start-Up Boom Deflates, Tech Is Humbled” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2021年6月7日閲覧。