手筋 (囲碁)
囲碁の用語
手筋(てすじ)とは囲碁用語の一つで、通常より大きな効果を挙げることのできる着手のことである。多くの場合、平凡な発想では達し得ない、やや意外性を含んだ効果的な手を指すことが多い。単に「筋」(すじ)と呼ぶこともある。
概要
編集手筋には、相手の石を取る手、自分の石が生きる手、連絡を図る手、攻め合いに勝つ手、形を整える手、相手の地を削減する手、先手を取る手などが含まれる。これらはツケ、ハサミツケ、トビツケ、ハナヅケ、ツケコシ、オキ、ワリコミ、キリ、ハネとオサエ、コスミ、コスミツケ、サガリ、ゲタ、シチョウ、ワタリ、捨て石、目を欠く、アテコミ、オイオトシ、ダメヅマリ、シボリ、オシツブシ、トビなどの形で現れる。
手筋ではない筋の悪い手を俗筋、イモ筋という。また一見手筋風の手、本物の手筋の一路違いだが効果がない手を筋違い・異筋などと称することがある。
依田紀基は、手筋をより合理的に定義できる「筋場理論」を提唱している。
棋力の向上には部分的な死活を問う詰碁と共に有効であるとされ、様々なレベルの手筋だけを反復練習する本が多数出版されている。
手筋の例
編集相手の石を取る手筋の例として「鶴の巣ごもり」と呼ばれる手がある。図のように、白△とトビ出して3子を逃げだそうとした場合である。
これに対し、トンだ石の間の黒1へワリコむのが手筋である。白2と逃げようとしてきたら、黒はaにツガず、黒3に切る。1子のアタリに構わず切る発想の飛躍が、手筋たるゆえんである。
白は白1と1子を取りつつ逃げるしかないが、ここで黒2とアテれば全体がオイオトシとなり、白は脱出できない。
石を取る手筋の例
編集筋場理論
編集参考図書
編集脚注
編集- ^ “場面場面で使える手筋を学んで、加速度的なスピードで上達しよう!初段を目指している人が読むべき手筋・格言棋書|将棋コラム|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2023年12月23日閲覧。