デスナ川(デスナがわ、ロシア語: Десна, ウクライナ語: Десна ; Desna)は、ロシアからウクライナへ流れる大きな河川。ドニプロ川の左支流である。川の名は、古東スラブ語で「右手」を意味する。長さは1,130km、流域面積は88,900平方km。ウクライナ北部の湿地帯ポリーシャを流れる主要な河川の一つである。中流域のセイム川付近はかつてシヴェーリアと称した。

デスナ川
チェルニーヒウを流れるデスナ川
チェルニーヒウを流れるデスナ川
水系 ドニプロ川
延長 1,130 km
平均流量 360 m3/s m3/s
(キエフ付近)
流域面積 88,900 km2
水源 スモレンスク高地(ロシア)
水源の標高 -- m
河口・合流先 ドニプロ川
流域

ロシアの旗 ロシア

 ウクライナ
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ドニプロ川流域

ウクライナ領内では川幅は60メートルから250メートルになり、深さは平均で3メートルほどになる。ドニプロ川との合流点付近での年間平均流量は360 m³/s となる。12月初頭から4月初頭にかけては凍結する。航行可能な部分は、河口からノーウホロド=シーヴェルシクィイ(ノーヴゴロド=セーヴェルスキイ)までの535kmほど。

流路

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デスナ川はロシア西部・スモレンスク州にあるスモレンスク高地に発する。水源はスモレンスク市の南東方向の、ナレチ村付近にある森林地帯で、エリニャからも遠くない。デスナ川はエリニャを通った後、沼地の多い谷間を南へと流れブリャンスクに至り、南西へ折れる。ブリャンスクはデスナ川右岸の丘の上に建てられた町である。

ロシアとウクライナの国境を超えるとほどなくノーウホロド=シーヴェルシクィイの町がある。チェルニーヒウ州スムィ州の州境付近を流れた後、西へ向きを変えチェルニーヒウ州に入る。バトゥールィンの北でデスナ川最大の支流セイム川合流して川幅は広がり、多くの分流をつくりながら氾濫原を流れる。チェルニーヒウを通ると南西へ折れ、オステールオステール川英語版(ロシア語名: オスチョール川)と合流し、キエフのすぐ北方でドニプロ川に合流している。

生態系

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ロシア西部のネルッサ川英語版とデスナ川一帯のポリーシャには混合林草地ボグ湿地があり、ヒグマオオヤマネコオオカミヘラジカアカシカイノシシノロジカなどが生息し、2001年にユネスコ生物圏保護区に指定された[1]。また、ウクライナ北東部のデスナ川中流部の氾濫原には、ボグ、フェン泥炭地、草地、マツ林、広葉樹林オークとマツの混合林があり、保護種の水生植物ヨーロッパミンククマオオヤマネココチョウザメなどの動物、そしてチュウヒワシアシナガワシヒメクマタカキンメフクロウスズメフクロウなどの猛禽類ナベコウクロヅルウズラクイナなどのツル類ホシハジロなどのカモ類アジサシ類シギチドリ類カモメ類およびヨーロッパオオライチョウノガンなどの鳥類およびオウシュウオオチャイロハナムグリ英語版アカヤマアリ英語版ヒルヨーロッパアカヤマアリ英語版コウスバカゲロウ英語版ヨーロッパメンガタスズメ英語版コウテイギンヤンマ英語版ジャコウカミキリマルハナバチアオハダトンボ英語版オオイチモンジヨーロッパミヤマクワガタヒオドシチョウキアゲハジョウザンヒトリ英語版ツチバチクマバチムラサキシタバ英語版アオモンギンセダカモクメ英語版イリスコムラサキ英語版エゾヨツメハネカクシダフニスヒメシジミ英語版などの無脊椎動物の生息地で、ユネスコの生物圏保護区およびラムサール条約登録地となっている[2][3]

支流

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デスナ川には大きな支流が右岸に18本、左岸に13本ある。主な支流には次のような川がある。

主要な都市

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チェルニーヒウの生神女就寝修道院。背景にデスナ川が見える

脚注

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  1. ^ Nerusso Desnianskoe Polesie Biosphere Reserve, Russian Federation” (英語). UNESCO (2019年5月). 2023年3月7日閲覧。
  2. ^ Desnianskyi Biosphere Reserve, Ukraine” (英語). UNESCO (2020年2月19日). 2023年3月10日閲覧。
  3. ^ Desna River Floodplains | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2021年8月2日). 2023年3月7日閲覧。

外部リンク

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