白石蔵王駅
白石蔵王駅(しろいしざおうえき)は、宮城県白石市大鷹沢三沢字桜田にある東日本旅客鉄道(JR東日本)東北新幹線の駅である。
白石蔵王駅 | |
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駅舎(2006年8月17日) | |
しろいしざおう Shiroishizaō | |
◄福島 (34.0 km) (45.0 km) 仙台► | |
所在地 | 宮城県白石市大鷹沢三沢字桜田11-1 |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | 東北新幹線 |
キロ程 | 306.8 km(東京起点) |
電報略号 | シサ |
駅構造 | 高架駅 |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- |
874人/日(降車客含まず) -2018年- |
開業年月日 | 1982年(昭和57年)6月23日 |
備考 |
直営駅(管理駅) みどりの窓口 有 |
概要
当駅は東北新幹線(大宮駅 - 盛岡駅)暫定開業に合わせて新設された駅であり、1982年(昭和57年)6月23日に開業した。
東北新幹線の福島駅 - 仙台駅間における駅間距離は79.0kmと長いことから、両駅の中間地点に程近い白石市内への新幹線駅の設置は適当とみなされた。
当駅は蔵王観光を主目的とした新幹線単独駅であり、白石市 - 仙台市間の通勤・通学利用は東北本線白石駅からの在来線利用を想定していることから、当駅と仙台駅との間には「新幹線Wきっぷ」の設定はない。なお、東北新幹線郡山駅 - 一ノ関駅間において、仙台駅を発着駅とする「新幹線Wきっぷ」が設定されていないのは当駅のみである。
新幹線駅の設置の経緯
東北新幹線の建設の中で、福島駅から仙台駅までの経路については白石市を経由する西寄りのルートと、角田市を経由する東寄りのルートの二つが比較、検討された。東寄りルートは福島県北部をおおよそ阿武隈川に沿って進み、宮城県南部の丘陵地をトンネルで貫くというものだったが、地形や地質に由来する工事の難易度から西寄りのルートが選ばれた[1]。
白石市の新幹線駅の場所については、在来線の白石駅に併設する案と、新幹線単独駅を新設する案の二つがあったが、白石駅 - 越河駅間において在来線と新幹線が交差する地点に新在乗換可能な新駅を設ける案は想定されていなかったようである。
在来線駅への新幹線駅併設は、既存の白石市街地にとっては至便であるが、新たに市街地を分断する、新幹線の線形が悪くなる、白石川への架橋が難しいなどの問題があると判断された。
新幹線単独駅を新設することについては、この付近の東北本線は仙台駅への通勤圏であり、また観光を主目的とした新幹線駅なので道路交通と接続すれば問題はないと判断された[1]。
こうした検討が行われた結果、現在地に新幹線駅の設置が決まった。
歴史
駅構造
中央に通過線(上下本線)があり、その外側に上り線側が島式ホーム1面2線と下り線側が単式ホーム1面1線で合計2面3線を有する高架駅。
1番線は下り列車、2番線は上り列車に使用される。3番線は予備ホームとして臨時列車や新幹線総合車両センター出場試運転列車の折り返し用として、また夜間滞泊にも使用される。 ホーム足元に表示されている乗車位置案内は、1・2番線は各列車形式のステッカーが貼られているが、3番線は開業当時の石製のもののみが設置されている。
直営駅(駅長・助役配置)。新幹線単独駅であるが、東北本線の越河駅 - 北白川駅の各駅(白石駅も含む)を管理している。
みどりの窓口(営業時間 6:00 - 21:20 ※途中休止時間帯あり)、指定席券売機1台(営業時間 5:50 - 23:30)、自動券売機2台、自動改札機、NEWDAYS(JR東日本リテールネット営業)、立ち食いそば屋(NRE東北サービス営業)設置。
のりば
JR東日本の駅構内図においては、「下り:盛岡・新青森・秋田方面」「上り:福島・郡山・東京方面」と記載されているが、当駅は全列車仙台駅発着列車のみの停車であり、利用客も仙台・福島・東京の3駅に集中していることから、現地での案内はこれら3駅を強調した以下のようなものとなっている。
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | 東北新幹線 | 下り | 仙台方面 |
2 | 上り | 福島・東京方面 | |
3 | (臨時ホーム) |
(出典:改札画像.net)
発車ベル
全てのホームが発車ベルを使用している。
利用状況
JR東日本によると、2018年度(平成30年度)の1日平均乗車人員は874人である。これは、東北新幹線の東京駅 - 盛岡駅間の新幹線停車駅の中では最も乗車人員が少ない[利用客数 1]。
駅周辺には駐車場が整備され、パークアンドライドが行われている。
近年の推移は以下のとおりである。
乗車人員推移 | ||
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年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
2000年(平成12年) | 871 | [利用客数 2] |
2001年(平成13年) | 875 | [利用客数 3] |
2002年(平成14年) | 849 | [利用客数 4] |
2003年(平成15年) | 877 | [利用客数 5] |
2004年(平成16年) | 931 | [利用客数 6] |
2005年(平成17年) | 953 | [利用客数 7] |
2006年(平成18年) | 971 | [利用客数 8] |
2007年(平成19年) | 936 | [利用客数 9] |
2008年(平成20年) | 900 | [利用客数 10] |
2009年(平成21年) | 825 | [利用客数 11] |
2010年(平成22年) | 792 | [利用客数 12] |
2011年(平成23年) | 781 | [利用客数 13] |
2012年(平成24年) | 893 | [利用客数 14] |
2013年(平成25年) | 879 | [利用客数 15] |
2014年(平成26年) | 861 | [利用客数 16] |
2015年(平成27年) | 869 | [利用客数 17] |
2016年(平成28年) | 862 | [利用客数 18] |
2017年(平成29年) | 869 | [利用客数 19] |
2018年(平成30年) | 874 | [利用客数 1] |
駅周辺
バス路線
- 1:【ミヤコーバス】白石駅、アクティブリゾーツ宮城蔵王(蔵王刈田山頂行に乗継・冬場を除く)
- 2:【七ヶ宿町町営バス】小原温泉・七ヶ宿町役場、【白石市民バス】小原温泉・小原江志前、柳沢公民館、大張公民館、城下広場(旧刈田病院)
- 3:未使用
- 4:未使用
- 5:未使用
- 6:未使用
かつては、蔵王刈田山頂(宮城交通)、磐城角田(JRバス東北)など、多くの路線バスが運行されていたが、現在は上記路線のみで、場所を持て余している状態である。
その他
- 東京 - 福島間各駅停車タイプの仙台発着「やまびこ」は当駅のみを通過するものが多い。当駅に停車する東京 - 仙台間各駅停車の「やまびこ」は1日4.5往復(下り4本、上り5本)のみである。逆に東京 - 福島間で「つばさ」と併結する「やまびこ」は当駅に停車するものが多い。
- 当駅に停車する各駅停車列車(「やまびこ」)が少ないため、仙台以北及び那須塩原・新白河・小山各駅相互間で利用する場合、仙台駅または福島駅での乗り換えを強いられるケースもある。「こまち」及び「はやぶさ」は全便通過のため、秋田方面・新函館北斗方面各駅相互間で利用する場合は、必ず仙台駅で乗り換える必要がある。
- このような運行実態と新幹線単独駅という制約から、周辺自治体(宮城県柴田郡・福島県伊達郡)の利用者は地理的に近い当駅を避け、直接仙台駅または福島駅までJR在来線を利用することが多い。
- 観光目的に「蔵王」を名乗ることになったが、現在は蔵王刈田山頂ゆきの直行路線バスは廃止となり、遠刈田温泉にて乗換えとなり、季節運行(秋季は毎日)である。バス以外のアクセスはタクシーかレンタカーを利用する。
- 自動券売機では、以前はオレンジカードの使用ができなかったが、タッチパネル化された際に使用可能になった。現在ではSuicaの使用も可能になっている。
- 開業前の仮称駅名は「新白石」だった。
- 福島駅 - 仙台駅間は東北本線と別線区間となっており、この区間の選択乗車において当駅は東北本線の白石駅と対応している。したがって仙台以北または福島以南発着の乗車券であれば当駅発着のものであっても白石駅を利用でき、逆に白石駅発着のものであっても当駅を利用できる。また仙台以北と福島以南の相互間の片道101km以上の乗車券を用いて当駅で途中下車し、白石駅から再入場して同じ方向へ旅行を継続することもでき、逆に白石駅で途中下車し、当駅で再入場することもできる(ただし両駅間のバス・タクシー等の運賃は別途必要である)。
- 事務管理コードは▲231083[2]を使用している。
- 当駅と仙台駅間には、日本の新幹線で最も長い直線区間がある。
隣の駅
脚注
記事本文
- ^ a b 『東北新幹線工事誌(黒川・有壁間)』23・25頁。
- ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ^ “ストリートピアノ 思い出の曲 自由に奏でて 東北新幹線・白石蔵王駅に設置”. 河北新報ニュース (2019年12月22日). 2019年12月23日閲覧。
利用状況
- ^ a b “新幹線駅別乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月9日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “新幹線駅別乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “新幹線駅別乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “新幹線駅別乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “新幹線駅別乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “新幹線駅別乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
- ^ “新幹線駅別乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月11日閲覧。
参考文献
- 日本国有鉄道仙台新幹線工事局 『東北新幹線工事誌(黒川・有壁間)』 1983年。