世界銀行グループ(WBG)は被援助国と連携し、各国が、債務負担が原因で貧困削減への取組みや基本的な政府機能を損なうことがないよう支援を行っています。IDA支援適格国に対するこれらの活動は、途上国の債務管理能力の強化に特化したWBGの信託基金である債務管理ファシリティ(DMF)の資金に支えられています。
債務持続可能性とグラント
世界銀行グループとIMFは、低所得国と協力して定期的に債務持続可能性分析(DSA)を実施しています。これは、債務持続可能性フレームワークにもとづいて開発途上国の債務を構造的に検証するものです。世界銀行グループとIMFは、このフレームワークを用いて、低所得国の現在および将来における資金ニーズと返済能力のバランスを考慮して借入決定を行います。IDAは、過剰債務リスクの格付けを「信号機」の3色を使って表示し、国別にIDAグラントと極めて譲許的なIDAクレジットの割合を決定します。高リスク、または既に過剰債務であると判断された国(赤信号)については100%を、中程度のリスクと判断された国(黄信号)は50%をグラントで受け取ることができますが、低リスクとされた国(青信号)にはグラントの提供はありません。IDAは、その国が抱える過剰債務リスクの度合いに沿ってグラントの割合を決めることにより、対外債務の持続可能性を回復または維持し、それをもとに今後の援助の見通しを立てています。
持続可能な開発金融政策(SDFP)
IDA借入国はすべて、持続可能な借入を奨励し、IDAと他の債権者との調整を促進する、持続可能な開発金融政策(SDFP)の対象です。この政策には(1)インセンティブと政策措置を通じてIDA借入国の債務の脆弱性への対応を支援する、債務持続可能性強化プログラム(DSEP)、(2)IDAのグローバル・プラットフォームと関連組織との連携を促進する役割にもとづき、債務関連リスクへの対応を支援するため、債権者間の情報共有、対話、調整を促進する、債権者アウトリーチ・プログラム(PCO)、の2つの柱があります。
SDFPについての詳細は以下をご覧ください。
持続可能な開発金融政策:中間実施レビュー(英語)(2023年4月)
譲許性とグラント・エレメントの算出
低所得国は、WBGの融資に占める贈与的要素(「グラント・エレメント」とも呼ばれる)の譲許性レベルを、、オンライン上のグラント・エレメント算出ツールを使って確認することができます。
最終更新日:2023年5月16日