2024年「闇バイト」で中高年やシニア層の逮捕者も
2024年に繰り返し報じられ、2025年にも警戒の言葉が増えているのが「闇バイト」。2024年の年末にはFRaUwebにて防犯対策の記事も出したが、帰省をして「高齢者のひ暮らす家」をどのように防犯対策すればいいかを考えている人も多い事だろう。
2024年12月5日には、警察庁の露木康浩長官が会見を開き、「闇バイト」に応募し、指示役に脅されるなどした人を警察が保護した事例が11月末までの1か月半で125件にのぼったと述べた。10代、20代がおよそ7割を占める一方、50代以上もおよそ1割いたという。また、12日に再度会見を開き、雇われたふりをする捜査を開始し、その効果もすでに見込めているということを伝えた。「誰かをだまして稼ぐ」ことは決して楽なのではない。そういう稼ぎ方は成立しないのだ。「簡単に稼げる仕事はない」「楽して稼げるという言葉には裏がある」ことを、すべての世代が認識する必要がある。同時に、困窮している人を支える社会の仕組みも必要だ。
ちなみに、裁判所の司法統計最新版によると、離婚申し立ての1位は男女ともに性格の不一致だ。妻からの2位が生活費を渡さない、3位が暴力をふるう、4位が精神的に虐待する、5位が異性関係。夫からの2位は精神的に虐待する、3位が異性関係、4位が浪費する&暴力をふるうとなっている。家庭の中でもお金の問題は深刻だし、そこから暴力や精神的DVも発生していることも垣間見える。そこに犠牲になるのは子どもたちだ。親が精神的な暴力を受けていることを認識できる、つまり「面前DV」の被害に遭っている子どもたちが少なからずいるということになるのではないか。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「頭の回転が早く、何事も自分に有利に進めようとする、高圧的な人、モラハラ、パワハラ、セクハラの要素を含む人は、夫婦間でも問題を抱えるケースが多々あります。モラハラをしつつ経済的問題を抱えるケースも少なくありません」と言う。
山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。同じような悩みを抱える方々への問題解決のヒントも多くあるはずだ。個人が特定されないように配慮をしながら、家族の問題を浮き上がらせる連載が「探偵が見た家族の連載」だ。
正月SPとして2025年の大きな問題を象徴する案件をお届けする第1回は介護、第2回は妊娠・出産についてお届けした。第3回は「お金とDV」。山村さんのところに相談に来たのは、45歳の由香里さん。「同じ年の夫が、多分、不倫をしています。しかも、こどもたちにパパはおかしいと指摘されたんです」と山村さんに連絡をしてきた。一体何があっただろうか……。
正月SP
1)介護
前編 容姿端麗な夫にほれ込み結婚20年、義父亡き後に妻を襲った「地獄」の原因
後編「お前、おふくろの介護して」容姿端麗モラハラ夫、結婚20年の「決着」
2)妊娠・出産
前編 困窮していた15歳年下女性と結婚したが…個人資産家の49歳夫が抱いた未妊の疑惑
後編 個人資産家の49歳夫が望む子供。15歳年下の妻がひそかに避妊をしていた理由
名門私大→大手商社の海外勤務「キラキラした」夫
今回の依頼者・由香里さんは大手の銀行でパート勤務をしています。14歳の娘と10歳の息子がおり、「夫の浮気もそうなんですが、今後の夫婦のことも考えたくて」と私のところに連絡がありました。
実年齢よりずっと若く見え、やわらかな雰囲気にパープルのふんわりとしたワンピースが似合います。ロングヘアを巻いていました。
「夫とは結婚15年です。出会いは私が社会人になってから通っていた、ビジネス関連の勉強会のセミナー講師をしていたんです。名門私大を卒業し、大手商社の海外勤務を経て、5年で退職。IT関連の起業をして会社を売却したり、すごく華やかな存在でした」
夫の写真を見せてもらうと、高身長ですっきりとした顔立ちをしています。いわゆる「シュッとしている」という雰囲気の男性で、女性からモテそう。
「実際にモテていました。今思えば、こんなにかっこよくて素敵な人が、30歳まで独身で彼女もいないなんておかしいと思うべきだったのに、当時の私は結婚を焦っていたこともあり、自分から積極的に入籍へと突き進んでしまいました」
由香里さんは「優しいお母さん」と言う印象の女性です。これまで探偵として多くの夫婦を見てきましたが、由香里さんと夫はなんとなくタイプは異なっています。
「それは親にも言われました。夫はすごい人なんです。有名な私立大学を卒業し、大手商社に入って海外勤務をしていましたし、多くの国家資格を持っています。立ち上げた会社を売却して、今でも新たに立ち上げた会社を経営しています」