2025.01.15

6畳の部屋には「四肢をもがれた赤い胴体」が…「戦艦大和」が、米軍機から攻撃を受けたあとの「電探室の惨状」

6畳の部屋の惨状

世界各地で戦争が起きているいま、かつて実際に起きた戦争の内実、戦争体験者の言葉をさまざまな方法で知っておくことは、いっそう重要度を増しています。

そのときに役に立つ一冊が、吉田満『戦艦大和ノ最期』です。

本作は、戦艦「大和」に乗り込んでいた著者の吉田が、1945年春先の大和の出撃から、同艦が沈没するまでの様子をつぶさにつづったものです。

吉田とはどんな人物なのか。1943年、東京帝国大学の法科在学中に学徒出陣で海軍二等兵となり、翌1944年に東大を繰り上げ卒業。その年の12月に海軍少尉に任官され、「副電測士」という役職で大和に乗り込みます。

やがて吉田が乗った大和は沈没するわけですが、太平洋戦争が終わった直後に、大和の搭乗経験を、作家・吉川英治の勧めにしたがって一気に書き上げたのが本書です。

その記述がすべて事実の通りなのか、著者の創作が混ざっているものか、論争がつづいてきましたが、ともあれ、実際に戦地におもむいた人物が、後世にどのようなことを伝えたかったのかは、戦争を考えるうえで参考になることでしょう。

同書では、艦内の出来事が生々しく描かれます。

4月6日の午後に出港した大和ですが、翌7日の12時30分ころ、ついに100機以上の敵機から攻撃を受けます。

「電探室」という部屋が攻撃を受け、吉田はその被害を報告するため、調査に向かうのですが、そこで生々しい遺体を発見します。様子を吉田満『戦艦大和ノ最期』より引用します。

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